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ウエスリア大陸へようこそ  作者: 猫娘
森を抜けて
19/26

鳥パーティ。

「モモさんの歓迎会をしよう」


 アジ婆さんの鶴のひと声で、パーティが開かれることになった。

 ヨウウさんを筆頭に鬼教官の奥さんのウルさんや、その息子嫁のマオさん。キヨさんにターナさんにミーナちゃんと私。

 女衆が集まって料理をつくる。

 玉ねぎとトマト風の野菜と鶏肉を煮込む。

 この鳥は、いやみ鳥という。

 "キーキー"と、五月蝿い金切り声をあげて鳴くので、すぐに居所を知られて射られる。

 おバカさん鳥だ。

 おバカさんだけど、味は良い。

 優秀な動物性タンパク質だ。

 髭もじゃタダノさんが、分厚い大胸筋を反らせて仕留めた時は、カッコよさに痺れてしまったよ。

 鳥マジックだね。

 

 ミーナちゃんが石打で火を起こそうとしているが、なかなか点火しない。

 火を起こすには、力技とコツが必要なようだ。

 ライター……。

 いいよね。

 リュックからライターを取り出す。


「ミーナちゃん、これ使ってみて」

「これは何ですか?」

「指の腹で擦ってみて。火が点くから」

「え?あ。つ、点きました」

「それは魔道具?」

 ヨウウさんが、覗き込んでくる。


「皆さんもどうぞ、使ってみて下さい」

 ライターを配ると彼方此方から、シュッシュッと音がし始める。

「すごい。これは便利ね」

「簡単に点くわ」


「永遠に使える魔道具じゃないんです。中に入っている液体が無くなると使えなくなります。火打ち石が使えない時に使って下さい」

 火を起こすのが不便そうなのを見てて、ライターを紹介したが、私がいつまで村に居るかはわからない。

 ライターに依存してしまったら、大変な事になる。

 便利だけど……いずれその便利は尽きる。

 矛盾だ。


「火が起こせない時に使うわね。モモちゃんありがとう」

 私の意を汲んでくれたヨウウさんの、魅力的な胸元のぷるるんが……。

 イヤ、魅力的な笑顔が眩しいよ。

 素敵な大人だなぁ。

 ジュウのかーちゃんカッコいいよ。

「ありがとうね」

「大切に使うわね」

 みんなにお礼を言われながら料理を作る。


 鶏肉と野菜を挟んだバーベキューを焼く。

 大量の芋を蒸かす。

 ジュウジュウと焼ける香ばしい音と匂いが、本当に旨そうだ。

 脂がしたたり落ちている。

 

 アジ婆さんの指示で、キラさんやジュウたちが、テーブルやイスを野外にセッティングしている。

 白いテーブルクロスを掛ける。

 ピンクと白の可愛い草花をテーブルの中央に飾る。

 さぁ、パーティ会場の完成だ。

 取り皿と料理を並べる。

 皆のグラスにレモン水を注いでいく。

 

「皆ご苦労様。モモさんとシロがタタ村を訪れてくれた。村初めてのお客様だ。歓迎しよう。ようこそタタ村へ!」


「ようこそタタ村へ!」

「カンパーイ」

「かんぱーい」

 それからは、無礼講だ。

 ガツガツと焼かれていくお肉めがけて食らいつく。

 

 バーベキュー焼き係のヨウウさんとマオさんが「私たちのも、残しておいてよね~」と、叫んでいる。

 肉を焼くのは男子の仕事なのにね。

「モモ、イッパイ食えよ」

「モモちゃん美味しいです。ボクお肉好きです」

 両手に串を持ったジュウが口一杯にほうばっている。

 シロは何でも好きだよね。


「モモ、沢山食べろよ。明日からまた修行だからな」

 鬼教官が私の隣にやって来た。

「はい……ガンバリマス」


「お前にはきっと、俺には計り知れない位の魔力が眠っているんだろう。自分の力で使いこなせるようになれ。惑わされるなよ」

 前髪をくしゃくしゃにされる。

 ダイさん……。 

 私、頑張るよ。

 この面白魔力を極めてみるよ。


「宜しくお願いします。師匠!」

 私は深々と頭を下げた。


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