鬼教官とトレーニング。
ジュウが背負った篭に、ククの実とアロエやシソを沢山入れて村に帰った。
私たちはイチゴ飴で頬っぺを膨らませて、ご満悦だ。
「モモはスゴい魔力持ちだったんだな。転移の魔力かな?造成の魔力なのかな?」
う~ん。どちらもハズレね。
そんな御大層なモノじゃない。
只のコンビニーズです。
「この飴、本当においしいです」
良かった良かった。
ミーナちゃんが喜んでくれたら私も嬉しいよ。
「モモ、体は大丈夫か?あの魔力は、スゴい体力を使うんじゃあないのか?モモはこっちの世界に来たばかりだろ。魔力に慣れてないよな?アジ婆さんに魔力の訓練をしてもらった方がいいよ」
体力はあるんだよね。
スーパー体力バカーで。
でも魔力については謎だらけだ。
アジ婆さんにトレーニングしてもらうのはいいアイディアかも。
私はその足でアジ婆さんを訪ねた。
「これは、手土産です」
シュークリームと大福を差し出す。
「何だねこれは?」
「私の世界の食べ物です。甘いお菓子です」
「こんなお菓子は始めて見るねぇ」
アジ婆さんが興味深そうに、しげしげとシュークリームを眺めて、一口食べる。
「やわらかくてトロけるね。これは、美味しいよ。お前たちも早くお食べ」
アジ婆さんは、釘付けになっているジュウとミーナを促す。
ミーナちゃんのお膝にいるシロにも一つ渡す。
「魔力の訓練の話だね。魔力は成長する。だがコントロールできなくなると身を滅ぼすこともある。ホホロ国の勇者様は本当にお気の毒だった」
アジ婆さんは、疲れたように溜め息をついた。
「まだ幼くてね。ミーナくらいの年の子でね。召喚されて自分の膨大な魔力と向き合う間もなく戦が始まって、犠牲になられてしまわれた。モモさんの魔力も安定しているように見受けられるが、まだまだじゃろ。シロ、あんたも修行した方がいいね。モモさんのお共をするんだろ?」
「ボクがんばる!モモちゃんのためにガンバル!」
口の周りをカスタードクリームだらけにしたシロが元気よく宣言した。
一緒に頑張ろうね、シロ。
その日の午後から修行が始まった。
精神力を高めて魔力を創造し、高めていく。
座禅を組んで座る。
目を閉じて、ひたすら無の境地で、自分の中にある魔力を感じとる。
「余計な事は考えるな。丹田に気を集めろ。集中するんだ。腹が熱くなってくるだろう。どんどん膨らませて、それを百会まで持っていけ、頭の隅々まで魔力を感じろ。その熱を全身に伝えるんだ」
魔力集中の指導をしてくれているのは、アジ婆さんの息子ダイさんだ。
私の隣では、そのダイさんの息子のキラさんトワくん兄弟とシロが一緒に訓練を受けている。
彼らは造成の魔力持ちだ。
その力で、僅か5年でこの村をつくり上げたのだ。
ちなみに、キラさんは20才ながら一児の父親だ。
つまりアジ婆さんには、若く見えるけど曾孫がいるってこと。
うん。お婆ちゃんって、呼ばれてる理由がわかったよ。
シロが真っ赤な顔で、ウンウン唸っている。
「モモ!集中しろ!オマエは雑念が多すぎる」
ダイさんに怒鳴られる。
スパルタだねぇ。
ダイさんは、鬼教官認定だ。




