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始まりの始まり
ウエスリア大陸は混沌としていた。
四つの国は焦土となり、囲む森と砂漠と海に阻まれて、大陸から先へ行こう者も訪れる者もいなかった。
また逝ってしまったか
アンジェリーヌは鏡に映された、かつて美しかった国たちの荒れる様をみては、小さな肩を落としていた。
もうダメなのかしら?
いずれ私もこの森を捨てなければならないのだろうか?
いえ、まだ希望はある。
ほら、闇の中にも輝いている星がある。
息づいて立ち上がる人たちがある。
私に繋がる強い力がある。
あの遠い地球にも。
ウエスリア大陸へようこそ!