演劇部登場
2話はまだ途中ですが随時更新いたしますのでよろしくお願いします
間違って2部の所に2話をあげてしまいましたw
3話以降もこの2部の所にあげていく予定なので暇があればぜひ見てみてください。
同級生の広隆寺さんに告白されたかと思えば一転、部活の勧誘になってしまった。
「待ってくれよ、今の状況すら飲み込めてないのに部活の勧誘なんか受けられるか!それになんで俺を騙してまでこんなとこに連れてきたんだよ」
「あなたの力をぜひ、演劇部に貸してほしいの」
広隆寺さんが話し始めた。
「広隆寺さん、驚いたよ普段クラスでいる時と全然違うんだな」
俺は今日騙された腹いせに少し皮肉っぽく言った。
「確かにクラスにいる時の私は清楚で完璧だものね。でも目の前で松永くんの印象をぶち壊してる私も本物の私、広隆寺咲だから。そこのところはよろしく」
「よろしくはいいけど何で俺は演劇部の勧誘なんか受けてるんだ?」
自分の過去を思い返して見ても演劇部に勧誘される理由が思いつかない。
「別に誰でも良かったんだけど、たまたまアンタが1番最初に釣れたから、かな」
「最初って、じゃあ他にも同じように下駄箱に手紙をいれてたのか?」
「そうよ」
「じゃあ屋上でもし俺が他の手紙を受け取ったやつと鉢合わせてたら、どうしたんだよ。
嘘だったってばれるんじゃないのか」
「そんなことはどうでもいいの。そもそもあんな手に引っかかるやつなんかいると思わなかったし」
確かにその通りだと思ったが、認めてしまえば自分が惨めになる。心の中だけでは決してそんなことはないと、自分に言い聞かせるしかない。
「まぁ本当はなんの理由もなくあんたを誘ったわけじゃないけどね。あんた、中学時代に自分の学校の掲示板サイトに予言とか言って学校で起こることを書き込んでたんでしょ」
「そんなことをしてた時もあったけど、それはただの暇つぶしだよ。それに俺が書いてたのはちょっと周りを観察してれば誰にでも分かることばっかりだ。そんなことが演劇に何の関係があるんだよ」
掲示板に書き込んでいたことは本当にただの暇つぶしだった。小学生が教科書に落書きするのと同じレベルだ。それをそこまで美化されても困る。
しかし、広隆寺さんは全く俺の言うことなど聞く様子がない。
「いえ関係あるわ、あなたはこの演劇部で脚本家になってもらうんだから」
耳を疑った。たかだか中学校の掲示板の書き込みが目に入っただけでこんなことを頼むだろうか。また俺を騙す算段としか思えない。
「これ以上俺に何をさせたいんだ! もう十分恥をかかせただろ。満足したならそろそろ解放してくれないか」
俺の怒りの感情を察したようで、広隆寺さん以外の部員は少し落ち着かなくなっていた。
「ほら、やっぱりこんなこといけないですよ。一度順を追って説明した方がいいんじゃないかと」
部員の1人のどこかおどおどとしている様子の女子生徒が彼女なりの精一杯で意見を唱えている。赤いフレームの眼鏡をかけ、髪の毛も顔を少し隠す様に下げられている。いかにも自分に自信がないという様子だ。
「まぁでも多少強引に引っ張らないと、こういう周りに無関心を装ってるムッツリさんには効かないんじゃない。
ノートパソコンを膝の上に乗せながら男子生徒が今度は発言してきた。
しかし、初対面で加害者側のくせに人のことをムッツリ呼ばわりとは失礼なやつだな。お前の方がよっぽど無関心野郎に見えるぞ。街灯アンケートをとったら、3:7くらいの割合でお前の方にムッツリ票がいくだろうよ。
「たしかに少し強引すぎたかもしれないわ
ね。まぁ自己紹介くらいはしてあげる」
広隆寺は仕方ないと言いたげな様子で自己紹介を始めた。
「あんたも知ってるけど一応わたしから、広隆寺美帆、この演劇部で部長をしています。以上」
「短いな、おい」
思わずツッコんでしまった。
「うるさいわね、今更わたしのことなんて言う必要もないでしょ」
広隆寺はこれ以上文句を言うなというように睨みつけてきた。
「それでこっちの眼鏡をかけてる子は二年の尾瀬槙野、演劇部のエース役者よ」
尾瀬さんは広隆寺の自己紹介に頬を赤く染めていた。
でもこの自信家っぽい広隆寺にエースと呼ばれてるということは本当に実力がありそうだ。
「それでこっちのパソコンもってるいかにもインテリっ子なのが2年の長嶺 俊、裏方全般をこなしてくれてるわ」
長嶺はパソコンに視線を向けたまま社交辞令というようにいった。
「よろしく」
「という感じで、あと一人と合わせて4人で今は活動してるの、あんたをいれたら5人ね よろしく」
ダメだ、俺が入る前提で話が進んでる、なんとかしないと。
「だから俺は入るなんて一言も言って、」
ガラッ、
「ごめん遅くなりました〜」
俺の言葉を遮って勢いよく1人の女子生徒が入ってきた。 その女子生徒は俺のよく知っている女子であり、こんな椅子に縛られているという最悪のシチュエーションを最も見られたくない女子でもあった。
「あれっ、松永くん。 どうしたの?」
「よぉ、凪」
つまり俺の片想いの相手がそこにはいた。
これを挙げた時は始めてだったので色々間違った投稿の仕方をしたりしていましたが、3話以降も早くあげていきますので少しでも目に止まった方がいれば感想なども書いていただければ幸いです。