遠距離恋愛
受話器から聞こえるあなたの声
遠くに聞こえる気がしたの
気のせいだよね?
会いたいと思ったからなのかな。
それなら、近くに聞こえてくれたらよかったのに。
「会いたい」
その言葉は、いつの間にか自分の中でタブーになっていた。
だって、あなたはそっちで頑張っている。
なのに、私一人がわがままを言うわけにはいかないでしょう?
迷惑をかけたくないの。
あなたをはなしたくないの。
あなたのこと、信じているよ。
だけどね、自分に自信がない。
私よりかわいい子なんていっぱいいるでしょう?
私より優しい子もいっぱいいるよね?
だから、怖くなるんだよ。
心配かけないように。
あなたの重荷にならないように。
いつだって明るい声を出して、笑うの。
「大丈夫」だって、声を張るの。
「次、いつ会える?」
「2か月後」
「もうすぐだね」
いつからこんな嘘がすらすら言えるようになったんだろう。