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学校で

 あいやー、お久しぶりですわ。

 梅雨の時期のせいなのか頭痛は酷いし、勉強も難易度は上がる一方だし。辛いったらありゃしません(笑)


 なんて書いてたらもう夏休み!いやはや、時は金なりとはよく言ったもんですなぁ。

 取り敢えずちまちま書いてはいきますが、老い先不安でございます。


「──なので、登下校の際には十分注意を払うように」

「あぁークソッ、思い切りボコりやがってっ………!」


 痛む頬を擦りながら、自分の席に着席した俺。きっと肌色ではなく赤く染まっているだろう。可哀想に。

 ホームルームの先生の報告なんて適当に聞き流しつつ机に突っ伏しながら思い返すのは、生者の門を眼前に控えた場面。









 ~~~~~~~~



『イェーアッハァー!今日は俺の勝ちっ!圧倒的勝利っ!フヒヒヒヒh』


 ガシッ


『『つーかまーえた☆』』

『ヒヒヒ………( ゜д゜)えっ』

『ったく、梃子摺(てこず)らせやがって………』

『はぁ、はぁ………ほーんっと、運動が嫌いな女の子をこんなに走らせるなんて、気が知れないよ………』

『(;´゜д゜)そ、そうだったかなぁ~、あは、あはは』

『笑って済めば警察は何とやら(にっこり)』

『はふぅ………あらよっちゃん、うまい事言うわね(にっこり)』

『(´゜д゜`;)』

『『こっち見んな!!』』


 バキッ!!


『=●)Д(○=』


 ばたっ


『うぅ………暴力反対………』

『ふぅ、すっきりしたね、よっちゃん!』

『ああ、こんなにも清清しい登校は久しぶりだ!!』

『それもこれも、そこで転がってる変態のお陰ね』

『そうだな』

『誰が変態だ、誰g』

『『お前だよ』』

『………』

『それはさて置き、時間が危ないのは確かだ。俺達は先を急ごうか』

『そうね………一ちゃんの屍を越えて行きましょう!』

『『ふふふふh』』

『はいお前等遅刻な。後で職員室までご同行願おうか』

『『………』』

『プッ、ざまぁ』


 プチッ


『誰のせいだと!』

『思ってるのぉぉぉー!』


 ゴシャッ!


『ギギッギエピィーーー!』



 ~~~~~~~~









 ………円はパーだから許す。いやあんまり許したくないけど。だが嘉明、テメーは(グーだったし)ダメだ!

 お前に手加減という言葉の存在意義と存在する理由を小一時間、否、小一日掛けて徹底的に叩き込んでやりたいぜ。


 ボコスカボコスカ殴りやがって………幼馴染ちゃんが可哀想だとは思わんのかね?!


「聞こえてるけどぉ?」


 ガスッ!


「あだっ」


 途端にマイヒップに鋭い衝撃が走ったんだ。

 忘れてたっ………!後ろの席には鬼神


 ガスガスガスガスッ!!


「痛っ、やめっ、嘘ですっ、ごめんなさいっ!」


 ………もとい、淡く可憐な円お嬢様が居たんだったよ。


 ピタッ


「よろしい」


 刃向かう者の血飛沫で赤く染まるその美しい髪は大層恐ろしく、正に狂気の


 ドガッッ!!


 無意識に脳裏に言葉が浮かぶのと、円がそれに反応して椅子を力任せに蹴り上げたのは同時だった。

 俺のデリケートでキュートなヒップは500のダメージを受けた!効果は抜群だった!


「アガッ!」

「おい一ェ、うるせぇぞ!」

「あっいや、これはまどk」

「ほんと一ちゃんうるさーい、先生の話を真面目に聞かないなんて信じらんなーい!」


 あっ、テメ、自分だけイイコ振ろうとしやがって!


「うるせえ鬼z」


 ガスッ!


「うぇぶっ!」

「ねー静かにしてよー」

「ほら、円も迷惑してんだろ。分かったら黙って話を聞け!」


 えちょ、表面だけを見るな愚か者!椅子の下で繰り広げられる一方的な虐待を感じ取れよ!人間は表面だけで判断できるほど単純じゃないって教えてくれたのはアンタだよなぁ?!


「(´゜д゜`;)」


 ………という思いを込めて担任を見つめた。

 だがしかし、現実は儚く無情だった。


「こっち見んなwwwww」


 この担任、生徒に目を合わせるなとか言いやがるぞ………こいつ教師としてどうなの?


「じゃ、じゃぁどうすれb」


 キーンコーンカーンコーン


「はい、ホームルーム終わり!お前等授業に遅れないように気をつけろよー、そこの馬鹿みたいにな。あーダルかったなぁ」


 ガラガラ………


 そう言い残して教室を出て行く担任。おいちょっと待てよ、担任らしく俺を擁護していったらどうだ!


 ププッ………クスクス………


「( ゜д゜ )ちょ………」


 周りから嘲笑の声が聞こえてきた………


 ヒソヒソ………ゴニョゴニョ………


 や………やめ………


 ブツブツブツ………


「止めろぉぉぉおおおおおお!!!!!」

「あーあ、一ちゃん恥ずかしい~(棒読み)」


 グサッ!


 円の“トドメの一撃”!急所を突かれた!効果は抜群だ!!


「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」………』


 ──その後の記憶は、次の授業の「魔術」を受ける所まで飛んでいた。









 ざわ………ざわ………


「ふじこふじこふじこ………はっ、ここは何処だ………」


 気が付いたら窓が一つもなく、とんでもなく巨大な空間にいたんだ。灰色の壁で囲われた空間を照らす電球がうら寂しさを感じさせる。

 耳を澄ますとざわざわという騒音まで聞こえる………


「一ちゃん、ついに頭がおかしくなっちゃったの………?」

「寝ぼけるな円、一の頭がおかしいのは周知の事実、それを知らないという事は万有引力の法則に反して空高く飛び立つ事と同義だ」

「あっ………そうだった、ごめんねよっちゃん」

「分かればよろしい」


 そして耳に飛び込んできたのは明らかに俺を馬鹿にする暴言誹謗中傷の嵐。間違いない、こいつ等は件の幼馴染の二匹だ。


「よろしくねぇよ!お前等どれだけ俺を馬鹿にすれば気が済むんだ!」

「それはもう計り知れないくらいだよ!」

「上に同じ」

「てめえ等wwwwwwwwww」


 ピピッピッピー!!


 ピタッ


 不意に鳴り響く笛の音!この空間の構造上音が反響してウゼエ。一回でいいだろ一回で!

 ………が、音の発信源である教師からすればどっちにしろ効果覿面(こうかてきめん)だったようだけどな。ざわざわが消えてるし。


「はいはいお前等注目ー!」


 チュウモクゥ!モクゥ!クゥ!ゥ………


 そして笛より大音量で部屋を駆け巡る、怒声に近い大声!鳴り止まない木霊ァ!

 止めろォ!頭が割れるゥ!!


 ──が、不意に風が吹いたかと思うと、木霊は掻き消されたかのように鳴り止んだ。

 教師が魔術でも使ったんだろうなぁ。空間の“風”を操って空気の流れを塞き止めたんだろう。つくづく便利な能力だ。


「まぁ分かってんだろうとは思うが、今日の一時間目は“魔術”だ!お前等には二人ペアになって死闘………じゃあなくて、模擬戦闘をしてもらう!」


 ざわ………ざわ………

 コイツ………大丈夫かよ………


「ソコォ!今コイツって言ったヤツゥ!ちょっと面貸せやオルァアアアア!」


 ピタッ


 相変わらず好戦的な教師だな………心の中で望んでる事が声としてあふれ出てんぞ。

 いや、単なる馬鹿なのかも知れないな。というかそうだよね。


「まぁ、後で料理するとして………」


 料理すんのかよ!


「このクラスは生徒の数が奇数だった筈だ!だから………って、今更聞く必要もないみたいだな!」


 俺の心のツッコミなど気にもせず、熱血馬鹿教師はこっちに視線を向ける。

 まぁ、何が言いたいのかは分かってるんだけどな!


「えぇ、まぁ」

「おk」

「………」


 因みに「………」は嘉明の発言な。こいつ、人見知り激しいのかシャイなだけなのか単なるジャリボーイなのか、俺等以外とは堂々と喋れないんだよな。教師側もそれを知ってるからとやかく喚かないんだが。


 ゴスッ!


「えう゛っ」

「お前の考えている事は大体分かるぞ、一」


 コイツ………本当にテレパシー使えるんじゃ………


「ちぇ、ちぇめぇ──」

「んじゃあペアも決まったみたいだし、そろそろ始めっかぁ!」


 だが教師は嘉明の味方だったようだ………俺に反抗の隙すら与えないとは!テメエ等グルだったんだな!クソ!1:3なんて卑怯だぞ!

 ………ぐすん。


「と、いうわけだ。組み分けはいつものでいいんだよな?」

「勝手にしろぃ!!」

「わーい!じゃあ、私とよっちゃんで一ちゃんをいたぶります~」

「サラっと怖い事言うなよ!!」

「えへへ~」

「褒めてねぇよ!」


 あー………こいつ等の相手は異常に疲れるな。朝といい今といい、グルで俺の事ばかりいたぶりやがって………

 だがそれもここまでだ!やっと思い切り身体を動かせるぜェーッ!!


「………そんな事よりさ、」


 身体中を駆け巡る魔力を感じつつ、湧き上がるワクワクを抑えきれない俺は二人に声を掛けた。

 俺も好戦的な教師の事をとやかく言えないかもなぁ。


「始めようぜ?」

「いいだろう、フォローは任せたぞ、円」

「がってん承知でぃ!」


 ダダッ!


 だけどなぁ………こうやって向き合って構えるとさ。


「………行くぜ?」

「かかってこい!」


 やっぱり楽しいんだよな!


「………」


 おっと、嘉明が臨戦態勢に入ったな。いよいよ氷属性の魔術をお披露目するつもりだな?


 そうそう、補足しておくとだな。基本的に魔術に詠唱はいらないんだ。もちろん気分的に詠唱するヤツもいるが、相手に自分が何をするかっていう情報を漏らしてるようなもんだからな、不利にしかならねーんだ。

 発動の仕方は至って簡単!今自分が使いたい魔術を妄想して、それをどの辺りに発生させるかも妄想して、そんでもって発動を強く妄想すりゃあいいんだ。妄想力が大きい変態なんかは魔術の使役に向いてるって事だな!


「………」


 パキパキッ


 聞いてみただけだと絶対無欠の最強攻撃ができるじゃねーか、ってなるんだが………そこまで甘くないのが魔術ってもんだ。人生の教訓だな。

 魔術を発動させるには、身体中を流れる“魔力”っていうモンが必要なんだ。血液とは違うんだけど、どうやら目に見えないらしい。いや、詳しくは知らないだけだがな。で、魔力は魔術の発動に伴って身体の中から消えてって………簡単に言えば、それが尽きたら魔術は使えなくなるって事だな。魔力がスッカラカンになっても死にはしないんだが、使い切った時は物凄く気だるくて動きたくなくなるくらいの疲労に襲われるんだぜ?まぁ、そんなのも数日休めば完全回復するらしいんだけどな………なんで“らしい”かって?そりゃあ、俺が魔力を使い切った事が──


「行くぞっ!」


 っと、雑談?雑念?どっちにしろそんな事考えてる暇なんてなかった。何しろ相手はあの嘉明だ、舐めて掛かったらただじゃ済まねぇかんな!

 嘉明に視線を向けると………おおう、立派な氷の剣を作り上げてこっちに向かってきておる!片手で持てるサイズにしちゃ刀身(リーチ)が長いんだよな、こいつの武器は。避けるにも避けにくいったらありゃしないぜ。


 ま、そうこなくっちゃな。


「上等!」


 ここからは俺の脳内分身達のやり取り。









 ~~~~~~~~



『おい!実体俺からの要望が入ったぞ!』

『仕事か仕事か!戦闘なうなんだな?!』

『正にその通りだ!!気ぃ引き締めろお前等!』

『『『『おおう!』』』』

『まずは剣を生成する事だ!』

『形状は?!』

『片手で持てる範囲にしとけ!!』

『承知!』

『こんなもんでどうよ?』

「ちくわ大明神」

『いいなそれ!それ採用!』

『じゃあ次ィ!発現場所は?!』

『手の中に決まってんだろヴォケ!』

『がああああってん承知ぃぃぃぃい!』

『っしゃああああああああ最後の仕上げじゃお前等ァア!』

『よしきたぁ!』

『んじゃあ………せぇーのぉ………』

『『『『ちくわ大明神って誰だよ!!!』』』』



 ~~~~~~~~









 以後実体俺。


 以上の妄想を終えた俺の右手には、紫色に輝く剣が握られていた。嘉明のそれよりはちと短いが、こっちは扱いやすさで勝負って感じだな。

 流石は脳内分身だ、いい仕事するじゃねーか!


「せいっ!」


 剣をしっかり握るのと同時に、目の前に迫っていた嘉明が氷の剣を振り下ろしてきた。

 だが俺だってされるがままじゃあないんだぜ?


「甘いっ」


 キィン!


 嘉明の斬撃は俺の剣がきっちりと受け止めた。しっかし、相変わらず重い一撃だな!

 だがしかぁし!こんな斬撃はじき返してやる!


「おらよ!」

「くっ」


 カンッ!


 はじき返したのはいいが、綺麗な着地までしやがって………運動神経抜群のイケメンは恐ろしいなちくしょう。

 っと、ぼーっとしてらんないな。


「行けっ!」


 嘉明が叫んだかと思うと、何もない空中から突然氷の(つぶて)が発生し、それが三つ飛んできた。真っ直ぐ俺目掛けて飛んできてるぞ。

 新しい追尾形の魔術でも発明したんだな………だが、まだ威力は弱いみてーだ!


「うぉら!」


 ガキッ、ガィン、キィン!


 それらを叩き落す事はまだ楽だ。

 ──その後、嘉明は必ずアクションを起こす。それの予測が困難なだけだ。


「まだまだ!」


 また嘉明の気合の篭った掛け声が聞こえてきた。

 と、同時に冷気が………あぁ、涼し──


 じゃなくて!


「うぉっとぉ!」


 慌てて地面を蹴ってその場から飛び退いたんだ。そうしなきゃ、俺の足元と地面が氷でくっついてたからな。足元を潰せば負けたも同然………悪くないな。

 しかも、飛び退いた先には既に剣を構えた嘉明がいるじゃねぇか………まぁ、後ろ向いてないから気配しか分かんないけど。


 ………舐めんなよ?


 またまた脳内分身共に指令を下す。今度は剣じゃない、別のイメージを添えておいた。


「終わりだ──」


 後ろから声がした。まぁ、嘉明が剣を振りかぶってるだけだろうが。

 だが甘いな、こんな所で終わる俺じゃねぇ!


「よっちゃん、離れて!」

「──っ?!」


 あ、忘れてた。テレパシーを使う円は嘉明サイドだったっけな。あの魔術は厄介だなァ。


 カァアン!!


 慌てて俺の後ろから移動した嘉明のいた場所を貫いたのは、地面から天井にまで一直線に伸びる雷。

 うん、俺の発動した魔術だ。避けられたけど。


「危ない………円がいなかったら、直撃を受けていたよ」

「そうならないために一緒にいるんでしょ!」


 着地して後ろを振り返ると、案の定剣を構えた嘉明がいたよ。額に薄っすらと汗が滲んでる気がする。ビビったらしいな。

 でもあんなコンビネーションを続けられても面倒だ………どうすれば………


 あーあーあーあー!!


「だったら俺にも是非教えて欲しいもんだな!チクショウが!!」


 もう面倒なのはナシだ!

 嘉明を見つけた俺は地面を蹴る、蹴る!加速に加速を重ねて最速で駆け出す!


「よっちゃん!正面から来るよ!」

「望むところだ!」


 嘉明は今度は“受け”のようだ………剣を構えて俺との交戦に備えている。

 上等だ、その剣、へし折ってやる!


「うぉらぁあああ!」

「っ!」


 そして渾身の力を込めた一撃を──


「はい、そこまで!」


 ゴスゥッ!


「えぶっ?!」


 キン!


「くっ!」


 あ、顎に教師のラリアットが炸裂した………

 嘉明は………な、何も被害を被っていない、だと………?!


「ったくよー、お前等毎回毎回殺し合いにまで発展しかねない勢いで模擬戦闘しやがってよー」

「………すいません」

「っちょ!!!なんで俺だけラリアットなの?!ねえなんで嘉明は優しく止めておいて俺にはラリアットなの?!」

「うるせぇ黙れ!お前みたいな馬鹿と嘉明は違うんだよ!」

「この差別教師がああああああああああああああああ!!!!!!!」

「死ね!!!!!!!!!!!」


 げしげし!


「グェッフェィ?!」

「今日の魔術の授業はここまで!各自、次の授業に遅れないようにな!!お前もだよ馬鹿!!!」


 何なんだよこの学校はよぉぉぉおおおお!差別推奨してんじゃねえええええええええ!


 クスクス………ヒソヒソ………


「止めろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 止めてくださいお願いします………









 こうして魔術の授業は終わったんだが………

 かったるいなぁ………今後の授業。バックレてみっかなぁ?

 久々に小説に手を付けてみたのはいいけど、どうも捗らん。

 その時々の気分って大事ですねぇ………!

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