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part1
正義を掲げた革命は終わりを告げようとしていた。
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ヘリの中から下の惨状を見下ろす。
かつて経済を担っていたビル群は砲撃と空爆、地上部隊の血みどろな接近戦で崩壊、炎上している。無数に煙が上がり、その中を通るたびにテイルローターが煙を巻き上げる。
無数の部隊が瓦礫の合間を行進している。ここらは既に制圧しているようだ。
小銃に取り付けたスコープ越しに光景を眺める。後続の部隊では着剣した小銃で原形を留めている死体を突いていた。延々と続く生死判断作業。
一人、死体に隠れていた生き残りが飛び出した。全身黒く汚れて見えた。突然だった。
反射的に一個分隊分の銃撃がおこる。止まれ、もなしに。突然で警告という概念がなかったのかな。それとも
「逃げたから、撃った。」
だけかな。
過ぎ去る瞬間、詰め寄る集団の隙間から死体が見えた。他人の血と自分の血で黒く汚れていた。