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太陽系外へ~ビヨンド・ザ・ソーラーシステムシリーズ

乾杯~遥かなる君へ~その3

作者:中條真行
最新エピソード掲載日:2026/03/30
西暦4710年。地球のテラ帝国と、火星戦争後に太陽系を脱出した人類国家ノストラパディアは、第三の居住惑星を探すため合同探査船アルゴナウタイを出航させる。ノストラ側の歴史分析官マルコフ・クリスは、地球人ジョージ・キサヌキ、精神感応能力を持つリン・ズーハン、調整官サビーナとともに、船内に広がる食欲不振や悪夢、精神崩壊といった異常事態の調査にあたる。

やがて異常は外部からの強力なマインド干渉であり、船を統括する量子知能マスターの中核人格イヴ、さらにその正体であるハンナ・ヤコブと、虚数空間に堕ち反物質化したミュータントたちの共鳴が原因だと判明する。彼らは憎悪と絶望のまま存在し続け、船を巻き込み対消滅を引き起こそうとしていた。

事態が軍事衝突に発展する中、クリスは自身が人類創設者ヘンリー・ヤコブの意識を継ぐ特異な存在であることを受け入れ、マスターの人格を停止させ、船を放棄して動力棟のみでの脱出を決断する。その最中、ジョージとズーハンはミュータントたちを食い止めるため船に残り、互いの愛を確かめ合いながら、自らを犠牲にして対消滅を引き受ける道を選ぶ。

二人は「神」とも言える宇宙意識となり、憎しみに囚われたミュータントたちを抱きとめ、脅威を消滅させた。生還したクリスとサビーナは、ジョージとズーハンの遺した子どもたちを育て、やがて地球とノストラパディアの架け橋となる存在へと成長していく。

数年後、夜空に届いた大爆発の光を見上げながら、クリスとサビーナ、そして子どもたちは、犠牲となった仲間たちに「乾杯」を捧げる。それは別れであり、再生であり、人類が初めて一つになった証だった。
ラスト
2026/03/30 16:11
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