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小説家になろうラジオ大賞7

彼女の年賀状が挑戦状なわけ

作者: 夜狩仁志
掲載日:2025/12/04

なろうラジオ大賞7 参加作品。

テーマは「年賀状」

 今年も一通の年賀状が届いていた。

 この時代、こんなの送ってくるのは一人しかいない。


 同級生のあやかだ。


 小学校で同じクラスになった以来、今の高校まで同じだ。

 小一の時、担任教師から年賀状を送るようにと言われ、毎年欠かずに送ってくる。

 どうせ家も近くだし学校も同じなのだから、そんな必要ないのに……



『明けましておめでとう


 今年もよろしく


 今回はマンカラで勝負だ!!』


 いつからか、年賀状に対決するゲームを指定し、冬休み二人で遊ぶという事が恒例化していた。


 内容は彩が決め年賀状で告げる。

 俺はこの短期間でゲームのルールを覚えなくてはならない。



 ところで、マンカラってなに?



 翌日、


「明けおめ! さあやるよ!」


 慣れた足取りで勝手に部屋に上がり込んでくる彩。


「お前も懲りないな。どうせ負けるのに」

「今年こそは絶〜〜対に、勝つんだから!」


 いつになくヤル気の彩。

 ちなみに戦績は俺の全勝。


 彩は頭は良いが、スポーツとかゲームは全然弱い。ジャンケンでも負け続けるくらいなのだ。



 ……結果



「ま……負けました」


 涙目で頭を下げる彼女。


 何回もやり直し諦めないので、コテンパンに叩きのめしたら、ようやく降参しやがった。


 時刻はとっくに真夜中。


 しかし、なんでこんなお遊びに、彩は毎回必死なのか?


「なあ、なんでそんなに勝ちたいんだ?」


「それは……」

「それは?」


「負けたら勝った人の言う事を聞くって」

「そうなの?」


「初めて負けた時、私、お菓子買わされた!!」

「あー あったなそんな事も。

 でも、そんなのまだ本気にしてんの? 子ども同士の遊びだろ?」


「私は真剣に!」

「ちなみにお前が勝ったら、どうしたいんだ?」


「そ……それは」

「それは?」



「私の彼氏になってよ!!」



「……はあ?」

「私が今までどんなにアピールしてきても、全然興味なさそうだし、そんな素振りみせないし!

 だからこれで言う事聞かせようと思って」


 そうだったのか。

 俺が煮え切らない態度でいたのが、彩を傷つけていたのか。


「じゃあ、今回も俺が勝ったから言うこと聞けよ」

「な、なによ?」


「もう、年賀状は送るな」

「え?」


「勝負もこれが最後」

「わ、私……ふられちゃった?の?」


 大粒の涙が彩の瞳から溢れ出す。


「違う! 年賀状は自分の家族には出さないだろ?」

「それって……」



 こうして長年続いた新年対決は今回が最後となった。


 ……数年後、


 俺たちの連名で出された年賀状にはこう書かれていた。



『明けまして おめでとうございます


 私たち 結婚しました』

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