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PAGE1 one man

いつも読んでいただきありがとうございます!

 一人の男が荒廃した街を歩いていた。その首には自作の代理声帯機器「ALD(オード)」が装着されいていた。「ALD」とは脳の電気信号を首のあたりでキャッチして、スピーカーから代理音声を流す装置だ。ほとんどの人間が「セフル」によって声帯が焼き切られているので、生活の必需品となっている。しかし、既製品は高価なのでジャンクパーツから自作するのがほとんどである。


彼の名は、ジークリー トバ―レン。大国A出身の技術者である。しかし、つい先日元技術者になったところだ。彼は自身の行いの結果を見るために国籍を捨て、身分を捨て、金を捨て、そうしてここ。大国Bの爆心地に来ていた。乾燥した空気と砂埃が視界をぼんやりさせている。


「やっと着いた」


彼は地球上で反対側の位置にある大国Aからやってきていた。その旅路は既に一年を超えていた。


「覚悟はしていたがここまでとは……」


ジークリーは静かに驚愕していた。

風景はモノクロのように、灰色一色である。その様はまさにセフルの威力を物語っている。


「これが、こうなるのか」


手には写真が握られていた。荒廃する前の爆心地の写真だ。

その時、背中の服を引っ張られる。


「だれだ……?」


叫んで離れようとしたが、そこには幼い少女が立っていた。13歳から14歳くらいだろうか?首にはジャンク品のALDがそのまま巻かれている。これでは声を出せまい。


「……あ”……」


ジークリーは素直に驚いた。全人類の声帯という器官そのものが無くなっているはずなのに彼女は機械音ではない、肉声を発したのだ。しかし、当然ながら声帯に損傷を受けているらしくうまく話せていない。


「どうかしたのか?」


自分で作ったALDから極限まで自分の声に似せた機械音声が流れる。


「タ、、、す、、、、ケ、、、、、、、て」


ジークリーは驚きを隠せなかった。彼女は大国Bの言葉をしゃべったのだ。真っ先に焼け野原になったはずのその失われた言語を。

ジークリーはなにも言わずに手を差し伸べた。彼女はその手をしっかりと握り、風にぼろ雑巾と見分けがつかない服をなびかせている。


こうして、彼らの旅は始まった。



・・・



 旅が始まって二週間が経った。ジークリーが持ってきていた食料と水が底をつき始めた。彼らは近くの小国、エスリニアに立ち寄ることにした。


「うまいか?」


エスリニアの首都リニアでは闇市が広がっていた。ジークリーはすべてがとんでもなく高額で売買されている中で、唯一格安で売っていたホットドックを買って少女に与えた。

少女はうなずき、ジークリーに初めて笑顔を見せた。しかし、どこか弱々しいその笑顔は無理していることを物語っていた。


 宿を見つけた。格安のぼろ屋だが風呂と、トイレがついていてわらで作ったベットがあった。

少女は真っ先にドラム缶風呂に飛び込んだ。ご満悦な表所だった。


「そういえばさ、お前、親御さんは?」


ジークリーはなんとなく、聞いてみた。しかし、答えは分かり切っていた。


「し、、、ん、、だ、、」

「そうか……すまない」

「だ、、い、、、じょ、、ぶ」


その目に涙が浮かぶ。そっと抱きしめてやると、鳴き声のない号泣になった。その後泣きつかれて寝てしまった。


「おやすみ……ん?」


少女はジークリーから一晩中離れなかった。


翌朝、彼女の体調はだいぶ良くなっていた。闇市で服を買い与えると、飛び跳ねて喜べるくらいには。


 「ねぇ、、ねぇ?」


数日後、隣町の市場を見ていると少女が物欲しそうな顔をして指をさしていた。靴屋だった。


「靴欲しいのか?」


こくっ。少女は大きくうなずいた。


「どれがいい?」


少女はジークリーの言葉にパァっと顔を明るくした。


「こ、、、れ、」


駆け寄って指をさした靴は質素だった。とても、とても質素で普通だった。


「これでいいのか?」


満面の笑みでこくっとうなずいた。安物というには闇市価格で少し高いが、ほかに比べればどうということはなかった。


「はい」


会計が終わって靴を渡すと大事に抱えて喜んでいた。


「さてと、これからどうするか……」


今後の方針は必要だがジークリーにはあてがなかった。


「君はこれからどこ行きたい?」


すると思いのほか彼女は即答した。


「に、にほ、、、にほ、、、ん、、、!」


つかえながらも力強く言った。


「日本か……」


遠い。ジークリーは最初にそう思った。我々は今、日本とはほぼ反対の所にいるのだ。

はっきり言って、無茶な話だ。何よりも先に金が尽きる。また、この凄惨な光景を前にジークリーはいつの間にか逃げ出したくなっていた。どこか安全な場所にこのこと住んでいたいと思っていた。


「に、、ほ、、、わ、、たし、、の、、、こ、きょ、、う」


その言葉を聞いて、ジークリーはハッとした。謎の使命感が彼を突き動かした。そして、彼らは翌日から、ほぼ命がけの日本を目指すたびに出たのであった。


続く

次回

PAGE2 one girl


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