PROLOGUE
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最初は些細な紛争だった。世界のどこでも起きるようなそんな宗教的な対立だった。そして、その戦争を大国(大国Aとする)が仲裁しようとした。何も間違ったことじゃない。よくある話だ。そう。誰もが思っていた。
20XX年 12月25日
世に言うクリスマスの日に事件は起きた。違う大国(大国Bとする)がその戦争に介入し、大国Aに宣戦布告したのだ。のちに、ブラッククリスマスと呼ばれるこの日を境に世界は少しずつ姿を変えていった。
数か月後。
一国に一台、レーザー兵器や、ミサイル、戦術ドローンが配備され、世界が一気に戦争ムードになった。世界は大国A派と大国B派に二分された。両者の戦力は互角。ゆえに、戦いは長く続いた。
数年後。
いつものようにドローンがやってきた。何の変哲もない偵察用ドローンだ。住民は皆地下で生活しており政府機関も麻痺していなかった。ここ日本は、小国の中でも特に平和である。内乱や紛争もなく、ただ、青い空と引き換えに平和を手に入れていた。ドローンはすぐに地上のレーザー光線によって撃墜された。
数か月後。
大国Aがとある映像と共に終戦を呼び掛けた。全く突然のことだった。
声明の内容はこうだった。
「我々は戦術核級の新兵器の開発に成功した。これ以上無益な争いをするのなら、この‘‘セフル‘‘の力を思い知ることになるだろう。和睦の意思を期待する」その後、‘‘セフル‘‘と呼ばれた戦術兵器の実験映像が流れた。「これはまだ、試作品に過ぎない。すでに完成したものが数十発用意してある」
数日後
大国Bについていたいくつもの小国が幸福の意思を見せる中でただ一つ、大国Bだけは引かなかった。
「我が国はまだ負けてはいない。武力に屈してはならない」
とのことだった。そして、あの日が来た。
20XX年 8月31日 午前9時00分
一人の男が大国B領の中を歩いていた。
「ん?」
彼が上を見上げると、いつものように、ドローンが飛んでいた。すぐさまレーザー兵器がドローンをとらえて、撃墜する。その刹那地上にいる誰にも予想できなかったことが起きた。
ドローンは墜落寸前、上空で眩い光を放った。誰もが目がくらんだだろう。そうしてその刹那、世界の半分から人と建物、その他の物体と呼ばれるものが姿を消した。
ある者は迫りくる爆風を呆然と見つめ、ある者は熱戦に苦しみ、ある者は家族や友人の死を嘆いた。
世界人口が88億人から44億人に減った瞬間だった。
数分前、
大国Aの作戦司令室にて、ジークリー トバーレンは‘‘とあるスイッチ‘‘の前に立っていた。
「やれ」
上官からの命令は絶対である。そして、彼もまた自分の親の代から続いている戦争の早期終結を望んでいた。だからこそ、彼は押した。
セフルの爆破スイッチを。これでもかというほどの力を込めてカバーを叩きわり、そのまま赤いボタンを押した。
一人の男によって世界人口の半分が消し飛ばされた瞬間だった。
数日後
世界中の人々の声帯の機能ががセフルの影響によって焼き切れた。
世界から声が消えた。
これは、何も伝わらない世界で‘‘ひとりぼっちの‘‘男と‘‘すべてを失った‘‘少女の‘‘未来‘‘を探す物語だ。
続く
nextPAGE one man(一人の男)
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