憎いアイツに★1を
俺は小説投稿サイト『小説家になりお』に小説を投稿している。
俺には目障りなやつがいた。
『エンターテイメント太郎』というペンネームの、結構な人気作者だ。
俺はコイツの作品を評価しない。正直、面白さがちっともわからないのだ。
色んなジャンルで書いているが、どれもこれも似たようなやり方で書いていて、オチが読める。構成もいつも同じで、どんでん返しで終わるのもいつも同じだ。
はっきり言って、面白くない。
ぶっちゃけ言うと、俺の作品のほうが絶対面白い。
それなのに俺の小説は100ptを超えたことがなく、ヤツの小説は投稿するたびに1,000ptを超えるのだ。
読者よ! 貴様ら、意外な展開よりも予定調和を好むというのかッ!
俺の小説のほうが面白いのにッ! なぜだッ! なぜ、エンターテインメント太郎ばかりがもてはやされるのだッ!
憎いッ!
エンターテイメント太郎が憎いッ!
どうにかして嫌がらせをしてやりたかった。
俺は新規投稿されたエンターテインメント太郎の小説に、★1をつけてやった。
ひひひ! 悔しがれ!
ショックに筆を折りやがれ!
= ★ = ★ =
エンターテイメント太郎はやきもきしていた。
日間ランキングを見ると、自分の作品と、椎名心美とかいうふざけたものしか書かないバカ作者の作品が、1,386ptで同点1位になっていたのだ。
こんなバカ丸出しの作品と同点なんて、嫌だ。
誰か、2ptでいいから、くんねーかな──
= ★ = ★ =
俺はエンターテインメント太郎への憎しみを込めて、★1を投下した。
「貶めてやる!」
= ★ = ★ =
★1は2ptだった。
それを貰って、エンターテイメント太郎の作品は1,388ptとなり、単独1位に躍りでた。
「ありがとう! 誰だか知らないけど!」