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原作や原案ありの小説

マイとタクミ君とお父さん

作者: 本羽 香那

しいな ここみ様主催の「リライト企画」の参加作品です。

スナタナオキ様の「増える面影 4422」をリライトさせていただきました。

 https://ncode.syosetu.com/n0073im/


 マイはタクミ君と、とても仲が良かったの。

 マイといつも話して、遊んでくれる大切な友達だったの。

 だからね、もうタクミ君とは会えないと知って悲しくて、マイは誰とも話すことが出来なかったんだ。

 でもね、ある日タクミ君が、空の上に現れたの。

 

「あっ、タクミくん」


 するとね、お父さんがこんなことを言ってくれたんだ。


「そうだな。タクミ君はこれからも、こうやって見守ってくれるよ」


 それから、お父さんの言う通りタクミ君は色々なところで見守ってくれたんだ。

 服とか、ベッドとか、壁とか、本当に様々。

 その回数は増えっていって、タクミ君と会えるのが日に日に嬉しくなったんだ。

 

 ある日ね、タクミはテーブルクロスに現れたんだ。

 だから嬉しくて、タクミ君と叫んだら、お父さんがこんなことを言ってきたの。


「もう、タクミ君を探すのはやめなさい」


 マイにはよく分からなかったの。

 だから理由も聞いたり、言おうとしても、お父さんは全然聞いてくれなくて。

 あと、タクミ君が怖いと言われて泣きたくなっちゃった。

 お父さんは、タクミ君が見守ってくれると言ったのに、どうしてそんなことを言うの?

 なんでタクミ君を怖がるの?

 

 そんな時、お父さんの後ろにタクミ君が現れたの。

 マイは嬉しくて思わず指しちゃったんだけど、お父さんが怖がるからすぐに指を下ろしてあげたの。


「また、見つけたのか?」


 お父さんが、後ろを向いてタクミ君を見ようとしたの。

 だからマイは思いっきり「見ちゃダメ」と叫んだの。

 お父さんが怖がるのも嫌だから注意してあげたの。


「……誰かいるのか?」

「……」


 タクミ君と答えて良いのか分からなくて、だまっちゃった。

 するとね、お父さんが思いっきり後ろを振り返ったんだ。

 マイはまた「見ちゃダメ」って言おうと思ったけど、その必要はなかったの。

 だってタクミ君がお父さんの背中にサッと移動したから。


「何を見たんだ?」


 きっと言わないとお父さんは納得しないかなと思って、その名前を言ったの。


「タクミ君」


 それ以降はタクミ君と言う必要はなくなったの。

 だって、タクミ君はいつでもお父さんの後ろで見守ってくれて、探す必要がなくなったからね。


ご覧いただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] リライトしていただきありがとうございます! リライト元の「増える面影」はたくさんの人にリライトしていただきました。おそらく本羽さんが最後にリライトした方となるでしょう。「増える面影」は幸せ…
[一言] ヒェ……!!
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