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よろしくお願いします。
二人と1匹の朝は早い。
毎朝ではない。
注文された品を届けにいく日だけ。
その時に新しい注文を受け取る。
今日はそんな朝だ。
「ムー、行くよ。少し狭いけど辛抱してね」
おじいさんに作って貰った木製の籠に小さな生き物を入れると、4組の椅子を積んだ荷車の上に載せた。
「おじいさん、今日は荷物よりも荷車の方が重いね」
「あはははは、そうだな」
「今度はもっと注文が多く来るといいのになぁ」
「そうかい?」
「だって最近、荷車を押してもあんまり重くないもの」
アミーは、おじいさんが引く荷車の後ろから答えた。
「アミーが手伝ってくれるようになってから、仕事が楽になってきたのにな」
「うん、僕、3本足の椅子なら一人で作れるような気がするよ」
「ああ、そうだとも」
「本気でそう思っているの?」
「思っているとも」
二人はそんな会話をしながら、時々は休んで、おじいさんが引く荷車を押して、町までたどり着いた。
ありがとうございました。