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夢兎  作者: 織風 羊
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4


新たに見つけたロープまでたどり着くには、この傾斜を手と足で移動しなければならない。こんな登り方をするのは久しぶりだな、そんな事を思いながら、這いずりながら進むと、眼の前に垂れているロープを素早く掴んだ。

そんな事が二度続いた。


三度目にはロープは無くなっていた。

その代わりに小さな地蔵が立っていた。

高さは膝小僧までくらいだろうか。

まさかこんな小さな地蔵尊の為にロープが結ばれている事はなかろう、と思い少し上を見ると、大きい、大人一人分くらいの大きさだろうか。

この為のロープか、ならば後ほんの少し、手と脚を使って、そこまで行ってみようか。


近くまで登ると、意外と地蔵尊は高い。

地蔵尊が高いのではなく、その地蔵尊は直角に切り立った岩壁の上に居たからだ。

一体誰がこんな所に立てたのだろうか。

人間並みの技では無いな、と感心しながらも足元には確かに山道があった。

ロープを使って登って来た者にとってのその分かれ道は、突き当たりをどちらへ進むか、そんな道だ。


左へ行けば斜面を降りるようになっている。

麓へ降りる道かな?それとも元の来た道に戻るのかな?そうだとしたらこの道は、ロープを使って登らなくてもいい迂回路になっているのかな。

右に続く道は、なだらかではあるが更に登っていこうとしている。

聳え立つ地蔵尊の足元に古びた木製の道標みたいなものがある。

矢印は右へ登る方向にだけ向いていた。

矢印の先に場所が書いてあるのだが既に読める状態ではない。

ここまで来たのだ、この先に何があるのか見極めてやろうじゃないか。

引き返すと言う考えには至らなかった。


流石にしっかりとした山道だけあって両手を使って登らなければならない道は無い。

ただ、進むに連れて道幅は細くなり、よく見ると急な坂を削っただけの道になっていた。

それでも道があるのだから、もう少しだけ歩いてみよう、とひたすら歩いていると倒木があちこちに見られるようになってきた。

数年前にこの村を襲った台風のせいかな、と思ったが。


おかしい、数年前でこの状態はおかしい。

倒木には木漏れ日を浴びて美しく緑に輝く苔がびっしりと生えている。

これは、この状態はほんの数年で出来上がるものじゃない。

間違いなくルートを失っている。引き返そう、そう思った瞬間に足を滑らせた。


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