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夢兎  作者: 織風 羊
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よろしくお願いします!


そんな数日前の出来事を思い出しながら、林道を歩いている。

もっと麓の方にベースキャンプを張って、そこから必要な道具だけを背負って、今は綺麗な林道を歩いている。


夜明け前に出発して、今は朝日が道を照らし出し始めている。

更に先の方からは沢の音が聞こえてくる。

歩き進んでいくと、それは沢の音ではなく小さな瀧の音だった。見上げると、瀧の横には小さな祠があった。

お参りしてみよう、と思った。


手を合わせた後、祠から離れようとすると祠から少し離れた斜面に一本の紐がぶら下がっているのを見つける。

そこへ行って下から見上げると、かなりきつい傾斜だなぁ、と思った。

白いロープ。黄色と黒のロープでもなく、鎖でもない。大丈夫か?と思いながら白のロープを引っ張ってみる。

緩んでいたロープが弾性を含んで伸びた。

もう一度、力を込めて引っ張ってみた。

ロープはピンと張った。そんなに古くなく劣化しているようには思えない。

よし、登ってみよう。

今度はロープに体重を預けて、まず一歩を、斜面に、靴の爪先で斜面に穴を開けるように蹴り込んだ。


どれくらい登ったのだろうか?いや、たいしたことは無い、ほんの数分くらいだろう。

改めてロープの先を見ると、大きな木にしっかりとロープの結び目を見ることが出来た。

幾分傾斜はなだらかなようにも見えた。

やっと山道に出たか?と思い登っていくと、何のことは無い、そこだけが平な場所になっているだけだった。


大木を斜面側にして体重を預け、上を見上げると木々に遮られている青空が微かに見える。周りを見渡すと?有った、更に白いロープが延々と続く傾斜の向こうから風の無い山の中で微動だにせず垂れている。

行ってみよう。

地図もない、コンパスもない。

普段なら引き返すであろう山道を、行ってみようと思った。


お読みくださりありがとうございます。


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