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宜しくお願いします。
山々をこだましながら聞こえてくる少女の叫びは悲痛であった。
私は、自分でも気づかないうちに、
「そんな馬鹿なことって有っていい訳がないだろ」
と叫んでいた。
「ピー太、これはどういうことなんだ」
「ぼくには、わからないよ」
私は途方に暮れて何を言って良いのか分からず
「ムーは、お前なのか?」
「あれは、ぼくであって、ぼくでない、このじげんのいきものだよ」
「お前は、ああやって、生命の誕生や終わりを見て来たのか」
「そうともいえるよ」
「運命って、一体何なんだ。命ってなんなんだ。教えてくれ」
「それは、わからないよ。わからないから、うんめいかもしれない、ただ・・・。」
「ただ?」
「てんからのしつもん、かもしれないよ。もうだめだ、じゃなくて、どうするのか?」
「どうすれば良いんだ」
「おとうさん、ぼく、もう、いかなくちゃ」
「待ってくれ、一人にしないでくれ」
「もう、じかんがないんだ。ぼくは、このじげんのいきものじゃないから。いかなくちゃ」
「まだ聞きたい事があるんだ」
「さよなら、おとうさん。ぼくは、おとうさんのそばにいるよ、さいごに、だっこしてくれた、そのうでのなかに。おとうさん、さよなら」
ありがとうございました




