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夢兎  作者: 織風 羊
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宜しくお願いします。


ミュウを乗せた馬車が雪に埋もれた小屋よりも前で止まった。


「まぁ、なんてことなの。雪かき、されていないじゃない」


それでも、この程度の積雪で済んだのは奇跡としか言いようがない。

若しくは、小屋を囲む大木達が力を振り絞って雪から守ってくれたのか?


御者が先頭に立ち、持ってきたシャベルで雪をかき分けながら小屋を目指して進んだ。

ミュウも両手で手伝いながら急いだ。

しかし、三日間降り続けた雪をかき分けるには大人一人と子供一人では捗らない。やっとのことで近くまでたどり着いた時、ミュウは小さな声で叫んだ。


「嘘でしょ」


小屋の窓が吹雪に破られ、部屋の中に雪が入り込んでいる。

御者が馬車に戻りシャベルをもうひとつ持って来て、今度は二人で玄関と思しき前を、息を切らしながら雪を掘っていった。

散々雪かきをして小屋の中に入ったが、そこも一面の雪であった。御者が大きく左右に首を振った。


「ばかな仕草はしないで!」


ミュウは御者を嗜めると周りを見回した。

いつも来て見知っている暖炉らしきものを見つけたが、とっくに火は消えていたらしく、そこもあたりと変わらない雪であった。


すると雪が少し動いたように見えた。


その途端、ミュウは御者よりも先に暖炉の前に飛び出して雪をかき分け始めた。最初に出て来たのはムーだった。


「あなた 死んでるの?」


そんなはずはない、と思いながら雪をかき分けてムーを救い出すが、既に固くなっている身体はピクリとも動きはしない。


「まさか、お願い」


声にならないような声を発してミュウはその周りの雪をかき分け始めた。ミュウの目からは止めどなく涙が流れている。


「お願い、神様お願い!」


そう言いながら、かき分けって行った先にアミーの手が現れた。まるでさっきまでムーを抱いていたかのような形で。


「こんな事って、ある筈ないわ」


ミュウは狂ったように雪をかき分け始めた。


「お嬢様!お嬢様!」


御者が声を掛けるがミュウを止めることはできなかった。


ありがとうございました。

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