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夢兎  作者: 織風 羊
16/21

16

宜しくお願いします。


ミュウは寄宿舎の冬休みで家に帰っていた。窓の外を眺めながら、


「お父様、やっと雪がやんだわね」


「そうだな、三日間降り続いてくれたな」


窓の外では、屋敷の使用人達が雪かきを終えて休憩している。

一日目にしんしんとと降り続いた雪は、二日目には吹雪となり、三日目でやっとその勢いは衰えたが、尚も降り続けた。


村人達は3日目の晴れ間が見え始めた雪の中で除雪作業を初めだした。今では村の家々の前も、町へ続く一本道もなんとか歩くことができるようになった。


そんな初日の雪から四日目のことである。

まだ雪が所々に残る道の向こうから一台の馬車が屋敷に向かって走ってきた。


「お父様、郵便馬車よ」


「雪がやんだとはいえ、この雪道を大変だな」


「私、受け取りに行ってみるわ」


ミュウは広い階段を駆け降りていった。


正面玄関で立っていると、郵便馬車は門を通り抜けてミュウの前で止まった。郵便配達人が小さな馬車から降りてきて、小包をミュウに渡しながら言った。


「これはお嬢様にですよ、後はお父様に届いているものばかりですね」


「私に?ありがとう!」


そう言ってミュウは屋敷に入ると、また広い階段を駆け上がり、今度は自分の部屋に入っていった。

父親はその姿を見て、相変わらずバタバタと忙しない子だと思い、そして頭を振りながら両

手を広げた。


と殆ど続け様に、と思えるほどの勢いで、ミュウが部屋から出てきて二階の客間で寛いでいる父親に向かって走って来た。

流石に父親から声を掛けた。


「どうしたというんだい。えらく忙しそうじゃないか」


「お父様、凄いわ、びっくりしないでね、アミーが、アミーが優勝したわ」


「アミーがどうしたっていうんだい」


「コンテストよ!秋の音楽会、アミーの優勝よ。小包の中に賞金も入ってるのよ」


「あのアミーがかい、信じられん」


「私は最初から優勝するって分かってたわ、何よりの証拠に小包の中には賞状とお金の入った封筒よ」


「どれ、見せてごらん」


そう言われてミュウは賞状と封筒を父親に手渡した。


「うん、間違いないが、優勝と書いてあるけど、これは賞状じゃないよ。しかもこの封筒は現金じゃなく目録だよ」


そしてもう一通の封筒を取り出し、


「読んでもいいかな」


と声を掛けてから、中の手紙を取り出した。

手紙には、改めて賞を取った演奏者を集めて春に演奏会を開く旨云々と書かれていた。


「お父様、もう見たんなら返してちょうだい。今からアミーに届けに行ってくるわ」


「おい、今からって、何も・・・、明日でもいいじゃないか」


「こういうことは早い方がいいのよ。お父様、馬車を出させてよ」


「分かった、分かったよ」


ありがとうございました。


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