六話 図書館にいざ参る
この時の俺は謎の自信にあふれていただろう。
効果がわからないスキルを相手に使うなんていうリスクの高いことはしないはずなのにな。
ザクッ!
大鎌は魔法使いを縦に真っ二つにした。
「なん...だと?」
「おらぁ!」
そして門田はその勢いのまま両手剣の盗賊を横に真っ二つする。
「ふぅ~」
門田は息を吐く。人を殺したのに罪悪感がないのだ。
それは盗賊だからではないと心の中でわかっていた。
すぐに霧がはれる。そう『囲いの濃霧』が解けたのだ。
そして俺はすぐの家に走って帰った。
その子に聞きたいことは山々だがそれ以上に門田であることはバレると面倒なことになるとわかったので逃げることにした。
~~
「どこかに行ってしまった、逃げたか.....」
逃げた学生の姿を思う。顔をしっかりとみることはできなかったが転がっている死体を見ると...『シールド』が壊されていた。普通はありえない。スキルとしての『シールド』壊して貫通して殺されることはありえない!
とりあいず戻るとしよう。
彼女は森の奥深くへと姿をくらました..
~~
「んっ」
起きる。
この世界に転生して二日目が始まった。
昨日みたいにまたダンジョンに潜るのではなく、今回は学園に行ってみようと思う。
そして主人公はこの時期になるとヒロインに無理やり連れられて避寒地の別荘に行くから学園にはいない。このことにより学内戦が起きる危険性がなくなる。つまり安全に学園に行けるのだ。
学園に行くからには制服に着替えて徒歩で向かうことになった。正直面倒だが移動手段が発達していないため、諦めることにした。
といって学園の校舎や時計台は他の建物よりも大きいためすぐわかり、徒歩十分ぐらいの近さにあったのだ。
学園の門を通る。そこにはゲームで見た時と同じ光景が見うる。
少し止まって自分がゲームの世界に転生したことを実感する。
そして図書館に向かって足を進めた。
ゲームの図書館はただ単に本があるだけじゃない。そう都合良く物語に関する閲覧禁止の本だってあるし、謎の秘密の空間だってある。
まずは閲覧禁止の本を読むことにしよう。でも司書にバレると困るがその司書すらどこに閲覧禁止の本があるのか知らないので堂々と読んでも気付かれる可能性はないだろう。
そう思いながら図書館に入る。
「…」
え?こんなにも広かったっけ?
思っていたよりも図書館は広くてきれいでついつい見惚れてしまった。
しばらく見惚れていると司書から
「大丈夫ですか?」
と聞かれてしまった。
「いえ、久しぶり来たのでこんなにもきれいだったけ?と思ってしまいまして」
「ああ、なるほど。最近、改装したんですよ、私だってきれいだと思いますよ」
「そうなんですか」
俺は閲覧禁止の本があるところまで歩いていく。
しかし改装したなんて話、覚えがないのだがな。
そんな不安要素を抱えながら、隠し部屋に向かうことにした。