五話 最強の復活と決死の理解。
カキンッ!
金属同士がぶつかる音がする。
両手剣を持った男と大鎌を持った学生が対峙している。
「うおぉ!」
門田は横跳びをする。後ろからファイヤーボールがきていた。
その瞬間両手剣が目の前に来る。
門田はなんとか勢いよく後退して避ける。
近接と遠距離攻撃に役割がきっちりと分けられている。なので近接しかもたない門田にはとっては最悪だと言えるだろう。
魔法使いの方に行こうとしても剣士が間に入ってくる。
なんでこんなやつらが盗賊なんてしてるの?
そういった疑問を思いつつ、目の前の敵に集中する。
今、攻撃を避けれているが体力的にしんどくなっていく。そしたら当たるだろう。
つまり今の門田は防御・回避集中しているので攻撃なんてできない。
そうなると結果は見え見えだ。
どうするべきだ?
これでは自分がやられてしまう。
幸い『鎌召喚』の大鎌はまだ壊れるような様子はない。
それなら防ぐことはできるが背後を見せると片方に攻撃されてしまう。
これ自分だいぶ詰んでね?
そんなことを思いながら盗賊たちの攻撃を防ぐのだった。
~~
あの人が二人分引き付けてくれて助かった。
もし四人相手することになったらどうなるかわからなかったが...
「戦闘中に考え事か?!」
盗賊の一人が双剣を振り回してくる。しかもその双剣は魔法で作られた『魔法剣』というもの、こんなものをなぜ盗賊が持っているんだ?
そんなことよりも厄介なのは森の木々に隠れて私のことを狙ってくる弓士だ。
『魔法剣』なんて避けれるのは簡単だが、その避ける隙を狙ってくるのだ。目障りだ。
それにしても衰弱のポーションか、これは盗賊が入手できるものではない。『魔法剣』といいいこのポーションといい、裏にこうやって誘拐する者がいるか...そう考えた方が辻褄が合う。
今のところ、まだポーションの効果が抜けていないので避けることに専念するしかないが、効果がなくなった瞬間に殺れるな。
そう思いながら避けていた。
私は罠だと知りながらわざと引っかかることにした。
それが私の任務だから。
~~
「はぁはぁ」
俺はすでに息が上がっていた。防戦一方なのだから仕方ないか。
そう思っていると、
ドカンッ!!
爆発音が森中に響く。それに合われて鳥たちが飛んでいく。
あの子か...ポーションの効果が終わったみたいだな。
そう確認するが自分が劣勢であることはわかっているし、これにより盗賊はより一層俺のことを攻撃してくるだろう。だって俺を人質にすればその子から逃げることはできるのだから。
そしてわかったことがある。それは魔法使いには『シールド』が使われており、攻撃を防がれてしまう。この『シールド』を破るためには魔法使いに対して膨大なダメージが必要になる。そんな威力は今の俺に無理だ。
だから俺は賭けにでることにした。
俺の大鎌が魔法使いに当たるほどにはお互いに体力を減らしているということだ。
そして何もせずしたら絶対に自分がやられてしまう。
さすがに転生初日に死ぬのはごめんだな。
悲報だが遅かれ早かれ俺は死ぬということだ。なら賭けに希望を託す。
そう『確死』を使うのだ。
というかこれしかない。
あと自分の体力を考えてみる限り、チャンスは一回だけだ。
そして俺は両手剣の盗賊の攻撃を避けて魔法使いに向けて大鎌を振りながら、
「『確死』!!」