一話 転生
『死と隣で』と言うゲームをしていた。
だから驚くことになった。
「もう朝か」
俺はいつも置いている時計の場所に手を伸ばすが空を切った。
「え?」
おもわず見るが時計がなかった。しかたないので起き上がってスマホを取るが見たこともないのだ。
「ん?」
どうなってるの?そうなった瞬間、頭痛が来てしまった。
記憶が混ざっていく。
「はぁはぁ」
思い出した。俺の名前は門田将。そして『死と隣で』に登場して死んでいくモブだ。
『死と隣で』はアクションアドベンチャーゲームの一つで、主人公は学園をリア充として堪能して、だんだんとチートになっていって、最後には邪神と戦うことになる。
俺こと門田はゲームの強制イベント学園襲撃で死んでしまうのだ。
なぜわかるのかというとイベントの説明の際に死んでいくモブの一覧がスクロール状になって流れてくるからである。しかもその説明はスキップできないから暇になってきてコントローラーのボタンを連打ながら見ていた。さらに説明を終えてイベントで死ぬとまた説明からリスタートというクソなことになっていた。
門田は主人公と同じ学年で学園襲撃は5月だから、今は冬休みで時間はある。
これからするのはもちろん学園襲撃で死なないために強くなること。できればゲーム内で登場するヒロインの一人に会ってみたいが、主人公には会いたくない。だって主人公には学園内にいるモブキャラと戦って経験値を稼ぐ学内戦というものがあり、主人公は負けても損はないがモブは負ければ退学になるのだ。
『死と隣で』はタイトル名からわかるように人がバタバタと死んでいく。主人公は死んでもリスタートだが他のキャラは死んだら終わりで、ヒロインにもそうなっており、俺が何回ヒロインが死ぬ度に最初からしたのか。
といったことがあるのだ。
さてと、まずは種族を変えるか。
『死と隣で』は初期ステータスが種族によって変わってくる。主人公は最初はランダムで始めることになるがモブは人間だ。人間は知能においては一番高いが知能はステータスの中では一番成長しやすい。だから人間はハズレである。
種族を変える方法はアイテムであるがどこにあるかは知らない。だって学園襲撃の後の謎の質屋で売られているからだ。
それ以前は不明なので諦めたいが諦められない。
俺は自宅に何かないか探すことにした。
30分後~
「なにこれ?」
明かにやばい液体があった。瓶のふたから煙が少しでてるし怖い。でも遅かれ早かれ死ぬだけならこの液体を飲んでみるか。
おそるおそる瓶のふたを開け、口に流し込み飲み込む。
「えっ」
飲み込んだ瞬間、俺の意識は暗転した。
久しぶりの投稿です。温かい目で見ていただけると大変嬉しいです。