表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

前へ

作者: 七夜月

夕方一本の電話が鳴った

「助けて」と

弱音なんか吐いた事が無い彼女が

苦しそうに紡いだ言葉


寒々とした病院の診察室

静まり返る待合室

戸惑う彼女の頬に伝う涙


時の流れと共に変わりゆく彼女の姿を

見ていられなくて

病室へと向かう足も止まってしまう


締め付けられる気持ちを笑顔に変えて

重い扉を開ける

「おはよう」


ちゃんと笑えてるかな?

「おはよう」が震えてないかな?

当たり前のように交わしていた言葉も

初めて交わす言葉のように硬くなる


「ありがとう」

別れ際に彼女が発した言葉

もう二度と見ることが出来ない彼女の笑顔

今彼女は白い服を着て横たわっている


立ち止まってしまった心

彼女と共に止まってしまった時間

そんな私に

差し出された小さな手

止まった時間が再び動き出す


前へ

その暖かい小さな手を取って

前へ

その真っ直ぐな子供の見つめる先に

前へ

彼女の笑顔を胸に

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ