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解説君

ホルストの組曲惑星の木星を聞きながら

作者: 星野☆明美
掲載日:2020/10/22

「なになにー?この曲」

お風呂上がりの亜紅がリビングにきて言いました。

ぴこぴこぴん。

「グスターブ・ホルスト作曲の組曲惑星から木星の部分です」

解説君が言いました。

「大江戸捜査網のオープニングかと思った」

「あなた、年はいくつですか?」

「永遠の16才よ」

「○○はまだ16だから〜♪」

正太郎が調子っぱずれに歌いました。

「しぃー!静かに」

暁が両親をたしなめました。

「どうしたの?」

「明日、杏ちゃんと博物館主催の天文学教室に行くらしいんだ」

亜紅と正太郎はこそこそ話しました。

「……本来、恒星は2つあって、二重連星となり、ぐるぐるお互いを回ります。そして惑星はその周囲を回り、惑星の周りを衛星がまわっているのです。太陽系は、なんらかの原因で恒星の一つが冷えてしまい、木星になりました。そのため、木星は惑星の一つに数えられますが、その大気成分はガスの分厚い層でできています」

解説君が流暢に解説します。

「それから?まだ音楽は続いているよ」

暁がせかしました。

「木星の大赤斑は高気圧の部分だと言われていますが、一時期に比べ、大きさが縮小してきています」

解説君のアンテナがくるくる回ります。

「不思議ねぇ」

亜紅がため息をつきました。


翌日。意気揚々と出かけた暁は、しょんぼりして帰ってきました。

「どうしたの?」

「杏ちゃんのほうが詳しかったらしい」

「ありゃりゃ」

「まぁ、付け焼き刃の知識じゃ、専門家にはかなわんからなぁ」

「私が至らないばかりに……」

解説君もしょんぼりして言いました。

「そんなことないさ。情報はいくらでもあって、その中から選択するのは至難の業だからね。それより新しいことを楽しもう」

望遠鏡を2階のテラスに出して暁を呼びましたが、拗ねているのか、なかなかやって来ません。亜紅と正太郎は降り注ぎそうな星空にうっとりしていました。

「あなた」

「なんだい?亜紅ちゃん」

「星の数ほど人がいるのに、私達はなぜ出会ったの?」

「永遠の謎だね!」

正太郎が亜紅の肩を抱くと、真後ろで咳払いがしました。暁です。両親は一人息子を間に挟んではしゃいでいました。

「1+1が2とは限らないとはこのことかな?」

解説君は正太郎たちを見て考えていました。

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