初めての精霊魔法
「ではお嬢様。まずは周りの空気を意識してみてください。そうすれば魔力の多いお嬢様ならすぐにお友達になれますよ。」
「お友達?」
めっちゃ大雑把だけどまあいっか。やってみよう。周りの空気....うーん..あれ?なんかたくさん喋ってる??
「あれー?」
「聞こえてるー?」
ん?って、え?!?!何このちっちゃいふわふわ!!たまにちっちゃい妖精みたいなのが混じってるけど。
「愛し子きこえるー?」
愛し子?
「う、うん。聞こえるよー。愛し子って?」
「ユラシル様の愛し子ー」
「ユラシル様愛し子好き。だから私たちも好きー」
「へー。」
よく分かんない。
「あ、あのお嬢様?まさか精霊様とお話になっていらっしゃるんですか?」
「シアもお話できるんだね」
「あー、スラシア様の愛し子ー」
ん?お兄ちゃんのこと?私はユラシル様の愛し子で、お兄ちゃんがスラシア様の愛し子??んー難しい...
「ねーミリア。愛し子ってなーに?」
「愛し子?!精霊様方がそうおっしゃられたのですか?!」
「うん。おにーたまとシアは#愛し子__・__#」なんだって」
「アダムス様に次いで、お嬢様まで?!私ちょっとご主人様にお伝えしてきますわ!少し待っていてください!」
「はーい」
なんかやばいのかな?
「シア?僕の肩あたりを見てみてくれない?」
「はーい!うーん、あ!大きいお兄ちゃんがいるー!」
すごーい!!幽霊みたいに浮いてるのにはっきり見える!長髪のイケメン!!
「そうそう。じゃあさっき精霊達に言われた名前を声に出してみて?」
えっと確か-
「ゆあ..ユラシル様?」
「待ちくたびれたぞ。我が愛し子よ。」
「あー!!ボンキュボンのお姉ちゃん出た!!見ておにーたま!!」
すごーー!!乙女ゲーすご!!めっちゃスタイルいい可愛いお姉さん出てきた!
「ボンキュボン?...まあ上手に出来たねー。その人がユラシル様だって」
「いかにも。汝は我の愛し子であるからな。いつでも力を貸そう。」
「ありがとう!ユラシル様!じゃあおっきいお兄ちゃんはスラシアたま?」
「ああ。よろしく頼む。我が愛し子の愛し子よ」
「シアはおにーたまの愛し子!!」
よくわかってないけど!
「そうだよー。僕の天使~」
こんなくさいセリフを言ってもかっこいい。ずるいぞ!お兄ちゃん!
「にしても、めんこいのー!サイネリア?我の事もスア兄ちゃんと読んで良いのだぞ?」
「あ!ダメだよ!お兄ちゃんは僕なんだから!!」
お兄ちゃんかわいいー!!
「なんなんですの!スラシア!サイネリア?私のことはユラお姉さんと呼びなさい?!?!良いわね!!」
「あ、あい。ユラお姉たま」
怖いよ。ユラシル様。キャラ崩れてるし、そんな勢いできたら子供泣くって。
そこから私はミリアとお兄ちゃんから魔法を、お母様から淑女教育を。そしてお父様からは政治を学んで最強チート娘になった。
その過程でわかったことは、この家はシュタウノーゼン公爵家で、国で王の次に勢力があること。お父様は宰相?(多分えらいよね?)でお母様は元王宮魔導師団長だったらしい。ゲームで分かんなかった設定知れて嬉しい!でもなんかお家が強すぎてちょっと怖い...
そしてなんだかんだあって私は6歳となった。とうとう社交界デビューですよ!!(夜会はまだだけどね!)