ー零ー「少年の心」
友人に見せるという名目で始めた高校時代から始めた処女作です。
温かく見守ってもらえると私としては嬉しい限りです。
友達とは もっと簡単に作れるものだと思っていた
「とっ友達になってください!」
「いいぜ!お前もこっちに来いよ!」
一時の勇気を振り絞って話しかけた僕は とある八人のグループの仲間に入れてもらう事が出来た
ほら 簡単じゃないか
だけど
「あの、あのさ、こ「なぁ聞いてくれよ!昨日さぁ」…」
話も出来ず 其処にいるだけ…
やがてグループは自然と分裂した
仲の良い友達と集まって 四人と 四人と 一人
いや 勿論入れてもらいたいとは思った 思ったさ
初めに話しかけた男の子に縋るように肩に手を掛けた
けど
「なんでお前がいるんだ?」
いじめなんかではない 純粋なる疑問
声に出して言われた訳ではなく
二つではなく八つの不思議そうな視線が僕を貫いた
僕は理解した
あぁ……
僕は最初から此処にはいなかったんだなって
今では思い出せない言葉を飲み込み
僕は彼らから離れた
話は少し変わるけれど
既に出来上がったグループに入るのは難しい
陽気な人や 自由気ままな人は 僕の此の自論に異を唱えるかもしれない
彼らは別だ 周りがそういう人だと知っているのだから
僕はそうではない
無理やりグループの輪に入り込み騒ぎ散らすなど 出来ない
出来る筈がない
勇気を出したとして 声をかけて また あの視線を向けられたら…
僕は堪らず其れが怖い
昼休みは何時も寝たふりをして過ごす
そうすれば 友達がいない って思われないから
視線だとか そういうものを気にしないでいられるから
そう…自分を誤魔化す事が出来るから
昼休み 其処ら彼処で何てことない会話が飛び交う
その時 僕は やはり思ってしまうのだ
「なぁ…数学のあの先生の名前なんだっけ?」
「どの先生だよ。あの先生だけじゃ分かんないっつーの」
「ほらあの先生だよ。えーと……のっぽ!髪芝生!スタイリッシュノンフレーム眼鏡!」
「あー…あぁ。…そういや俺人の名前覚えんの苦手だったわ」
「何だよ其れー俺の聞き損じゃねぇか。折角スタイリッシュノンフレーム噛まずに言えたってのに」
「言えてんじゃん」
「(其れ…多分飯田先生の事だよね)」
友達だったのなら 気軽に教えられたのかな?
「げっ昼休みあと五分かよ」
「午後授業マジ面倒くせぇ…」
「次って何だっけ?」
「現代文じゃね?」
「(惜しい。次は古典。ちなみに宿題有り)」
彼らはちゃんとやってきたのか 他人ながら不安である
思えば 思う程 僕の中に惨めさが募ってゆく
何日も 何か月も 何年も… 何十年はそもそも年齢が足りない
そろそろ 体はこうある自分に慣れてきただろう
それでも僕の心は 何処か望んでいた
友達という 存在を
誤字脱字、文章的におかしな部分はないでしょうか?