表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

01話 プロローグ

「蓮にぃ援護」


 巨大な敵へ果敢に立ち向かっていく。桃色の髪をしたツインテールの少女。


 華奢な体つきの彼女の手には、二丁の短銃が握られている。


「じゃあ射撃職で前出ないでもらえます?」


「れんれんこっちも」


 ツインテール少女のさらに前方には、これまた華奢な体格の青髪ロングの少女。


 その細い体に見合わぬ、巨大な大剣を振り回し敵を切り裂く。


「そんな近接でダメージ出しまくっていたら、狙われるのも当然ですよ? 二人とも少しはヘイト管理気遣ってもらえませんかね? 盾持ちに走らせないでください?」


 そしてそんな二人に文句を並べるのは、黒髪ショートカットで細身な体つきの青年。


 右手には長銃、左手には盾と、少し違和感のある組み合わせが特徴といったところだろうか。


「蓮にぃ範囲物理きた。キャンセルしないとあたし死んじゃう」


「あー、もう」


 死んじゃうと言っておきながら、回避する様子もない少女に、青年は溜め息混じりで敵の持つ巨大斧を食い止める。


「少しは自分で動いて下さいよ。何で重い盾持って走り回らなきゃいけないんですか」


 斧を盾で弾き飛ばしながら呟く青年。


「もうすぐね。れんれん、まやちゃん、そろそろお願い」


「天姉、りょーかい」


「はいはい。行けばいいんですよね、行けば。じゃあ先行するので後はよろしくお願いしますよ」


 敵の残り体力を確認してから、一斉に動き出す彼等。


「蓮にぃ、一応スタンも入れといて」


「確率次第だから絶対とは言えないですけど」


「一応でいいわよ? 入らなくても押し切れるだろうから」


「人使いの荒い事で」


 先ずは青年が、軽装備の防具以外の装備を外し、素手で敵へと近づく。


 盾を持っている時よりも動きが俊敏になっており、その速さを生かして敵の背後へ回る。


 そして移動時に生じた慣性を利用し、敵の膝裏に回し蹴りをいれた。


「転倒」


 いわば膝かっくんされた敵は、自身の重さに耐えきれずそのまま地面にひれ伏す。


 青年はそれに合わせて敵の頭の近くに移動し、左手に再び装備した盾で、思いっきり頭を殴る。


 すると、敵の頭の上にライトエフェクトが発生し、状態異常にかかった事を示した。


「スタンも入りました」


「流石、蓮にぃ。無駄にいい仕事するね。天姉。額、喉、心臓の順で」


「じゃあ合わせて打ち上げるわね。れんれんもお願い」


「はいはい」


 そして追撃するように、今度は狙撃銃を構えた桃髪ツインテールの少女が、敵の額を撃ち抜く。


「まずは────額」


「天姉、顎蹴り上げからその次打ち上げで」


「分かったわ。その代わりタイミング合わせてね?」


「了解」


 残った青髪ロングの少女と黒髪の青年は、素手、素足となり同時に敵の顔を蹴り上げた。


 その威力に耐えかねて、巨大な顔だけが地面から離れる。


「喉」


 蹴り上げたおかげで、上を向いた顔と地面との間に喉が見える。


 その隙間を縫うように狙撃銃の弾丸が飛び、喉を貫通。


 青年は次に備え、自分だけに魔法で攻撃力上昇のバフをかけ、青髪の少女と同時に左右胸部を蹴り上げる。


 だがわずかに力が足りず、打ち上がり方に差ができてしまった。


「すいません力不足です」


「問題ないよ。あとは心臓っと」


 だが、桃色の髪の少女は何も問題ないと、構えていた狙撃銃の狙いを、即座にずれた分を修正し、撃ち抜く。


 その銃撃がとどめとなったようで、打ち上げられた巨体は地面につく事なく、宙で光となり霧散する。


「終わったー。蓮にぃ、天姉お疲れ」


「ナイス狙撃ね。まやちゃんもお疲れ様」


「お疲れ様です。いくら敵が弱いといっても、初見じゃこんなものですかね」


「そうだね。急所っぽいところ狙ったけど、喉と心臓は急所じゃなかったし。ちゃんと把握していれば、もっと効率よく倒せたんだけど」


「まぁしょうがないわよ。私だって属性の相性が悪くて、そんなにダメージ出せなかったもの」


「それでも僕の数倍はダメージ入ってますがね。そういえば天姉、また攻撃にステ振りしてません?」


「あら、何か問題があったかしら?」


「いや、問題ではないんですけど。前まではバフかけてやっと打ち上げ飛距離同じだったというのに、今回差が出ましたので」


「蓮にぃがもっとバフすればいい」


「あれ結構ハイリスクなんですからね? 盾装備なのに防御下がるしヘイト稼ぐし」


「じゃあれんれんも、ステ振り攻撃重視にしていきましょうか?」


「いや、多分もう遅いと思いますよ? お二人のおかげでサポート特化の器用貧乏ですから」


 他愛もない会話を続ける三人組。


 そんな三人が、このVRMMOで連携プレーに関しては右に出るものはいないとまで言われる、名の知れたパーティーである事は、本人達はまだ知らない。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ