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殺人鬼と元魔王候補  作者: 末吉
レシウス王国
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パーティ結成して

「お久し振りです!!」

「まぁ作者が書けなかったのが原因だがな」

 パーティの名前を適当に『混合チーム』としようとして全員に猛反発を受け、結局『自由な旅人』というルノアの案で決定して。


 ひとまずギルドを出た俺達は、日が沈みかけている現状にどうしたものかと話し合った結果。



 当たり前のように宿に泊まることになった。


「で、エレナの御代は俺が払うのか…」

「わしが払っても良かったがの」


 現在部屋にいるのは俺とシュラヌのみ。もう一部屋借りており、そちらは女子。

 ギルドカードのお蔭で差別などされることなくすんなり泊れたので一悶着なくて済んだ。


「しかしギルドカードというのは便利なモノじゃの」

「特にお前みたいな魔族や俺みたいな身分不詳の奴らにとってはな」

「まったくじゃ」


 そう言って互いに笑う。

 夕食はまだ。女子達が先に風呂に入ると言い出したせいである。


「しかしお主の顔が白日の下にさらされるとあんな風になるんじゃな」

「エレナは何ともなかったようだが」

「それは魔王の娘じゃからではないか?」

「ふむ」


 色々と思考ができるが俺にとって興味のない事象なので捨てることにして、ナイフを何本か取り出しす。


「磨くのか?」

「いや、特に意味はない」


 シュラヌの疑問を適当に答えつつ取り出したナイフの刃を一本ずつ見ていく。


 刃の欠けているところはない。切れ味はそれほど落ちていない……か。


 まだ必要ないか。そう思った俺はナイフをマントの中にしまい、不意にルノアの装備を身に着けているエレナを思い出して呟く。


「魔法が使えれば俺に教えを乞う必要もなくなるか」

「どうじゃろうな?」

「?」


 俺の独り言にニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべてそう言ったシュラヌの根拠が気になったが、どう転ぶか分からない現状を議論しても無駄なので首を傾げるだけ。


 ちなみに。

 ルノアは今でこそ小さいが、昔はエレナと同程度だったらしい。ランクオーバーに認定されたころにはあの身長らしいので確認をとれていないが、昔着ていたという服の大きさがエレナにぴったりだったので事実なのだろう。


 本人もうんと昔などと言っていたから確証は得られないが。


 と、ここでかなりどうでもよかったが不意に気になることを思い出したのでシュラヌに訊いてみた。


「なぁシュラヌ」

「なんじゃ?」

「エレナの兄……このまま何もしてこないと思うか?」

「ふむ。あそこまで必死じゃったら何かするじゃろうが……あの時目いっぱい拒絶されたショックで寝込んでいるんじゃないかの」

「だと良いが……他にもいるみたいだし」

「そういえば姉が二人いるみたいじゃの」

「なんで知ってるんだ?」


 そんなこと今まであいつ言っていたかと首を傾げていると、「兄が来た時に言うておったじゃろ」と言われたのでそういえばそうだったなと思い出す。

 ちらっとだったので頭の片隅にあり、興味がなかったのでそれ以上掘り下げなかったが、その二人も連れ戻しに来る可能性が高い。


 まったく面倒だなと思っていると、ノックの音が聞こえた。


「どうぞ」


 俺が何か言う前にシュラヌが入るよう促したので黙っていると、勢いよく扉が開いて興奮気味のエレナが入ってきた。


「お師匠様! お風呂が広かったですよ!!」

「そうか。それは良かったな」

「お師匠様たちも入ってきたらどうです?」

「別にいい」「わしも同じく」


 そう言ってすぐに断ると、俺の方をじっとエレナが見詰めてきたと思ったら顔を近づけて匂いを嗅ぎ、「お師匠様、お風呂入ってませんね?」と鋭い指摘をしてきた。


「ああ。とはいっても、風呂に入る事なんてここまで一回しかないだろ」

「ルノアちゃんのところでも入らなかったんですか!? お師匠様、不潔です!! ちゃんと入ってください!」


 そう言って人差し指を突き付ける。俺はそれを知らんふりする形でフードを深くかぶって立ち上がり、「さっさと夕飯食べるか」と部屋を出ようとしたところ、エレアが立ちふさがった。


「ダメです! お風呂に入ってからにしてください!!」

「別に入らなくてもいいし、俺が入ると風呂場が騒がしくなる」

「それはそうでしょうけど……それでも入らないなんて不潔です!」


 頑として譲らない姿勢のエレナ。

 このまま長引くと面倒な気がした俺はため息をついて「シュラヌ。悪いが来てくれないか」という。


「なんじゃ? 風呂に入るのか?」

「仕方ないだろ。面倒だが、入らないと動かなそうなんだから」

「ちゃんと入るんですね?」


 確認するように顔を覗き込んでくるエレナ。それに対し頷いた俺は「だからさっさとどけ。そして自分の部屋にでも戻れ」と追い出す。


「はい! 上がったら部屋に来てくださいね!」


 あっさり引き下がった。どうやら俺がちゃんと入ると信じているようだ。

 これで入らなかったら泣き出されそうだなと柄にもなくそんなことを思いながら、「さっさと体洗ってはいるか。まだこの時間帯だと人が少ないだろうから」とシュラヌに声をかけた。




ではなるべく間をおかずに更新できたらいいなと

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