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MW元   作者: ただっち
オールドア編
8/69

ステージ8:vs暗黒賢者ボル

暗黒賢者との初めての戦闘です。

果たして翔琉はどうするか・・

 ライには兄がいた。

 兄は悪魔みたいな男と前にライは言っていた。

 ライは兄からDVを定期的に受けていた。

 奴隷になっていた普段のストレスを解消するためといい、実は痛めつける行為にこそ快楽を覚えていった。

 奴隷では無くなり、ライは魔法の修業を受けるためディルの父:ディンに弟子入りしたころ、ボルは行方をくらました。

 普段からDVをくらっていたので特に兄については何も探す気にもならなかったが、ライがディンの弟子になり7人の大魔導士の1人までになるほどに成長したあと、ライは世界を守る戦争へと出撃することになった。

 そこで出会ったのは暗黒賢者と呼ばれ、人々を斬殺する兄:ボルの姿だった。

ライは他の大魔導士と協力し、ボルを撃退することに成功する。その後ボルは捕まり、死刑になった……そう聞いていた。

 だが現実は生きながらえていた。こうして、目の前にいるのだ。あの悪魔のような兄が。


「よお、ライ。それに魔導士ども。まさか俺様の顔を忘れたわけじゃねえだろうな……」


 ライの顔はひきつっている。彼にとっては、会いたくなかった人物であり、そして何より、この世界には既に存在しない人物なのである。

 この反応は当然だろう。


「ボル……何故生きている! お前は死んだはずだ!」


 ライの声には震えがあった。おそらく、頑張って声を振り絞って出せた声であるのだと思う。


「公式記録では……な。いや、危なかったんだぜ実際。あの時、仲間が助けてくれなきゃな」


 仲間……その単語に皆、反応はできても理解はすることはできなかったと思う。

 いや、すでに考えはまとまっているのかもしれない……。

 でも、その答えの意味するのは、裏切り者がいるという事実であるのだ。


「まあ、なんにせよ。俺は生きている。お前を痛めつけ弄り殺しにして、世界を再び俺らの思うがままに……」


 ボルが最後まで言いかけたが、それを遮るようにライが怒号をボルに浴びせる。


「なんだと!」


 ライの声が気に入らなかったようで、ボルは耳に指栓をする。


「そういちいち、大声出すな。耳がキンキンするぜ。」


 怒りに身を任せてボルに向かっていこうとしたライを、ディルは抑え、ボルの方を見る。


「お前の目的は俺……なんだろ?他の連中は関係ないはずだ。」


 するとボルは指栓を外して、怒りにも満ちた表情でディルに言う。


「いいや、大魔導士と、ディル……お前には恨みがある。まず大魔導士どもは俺を邪魔した罰を与える。そしてディル……お前にはお前の父:ディンに傷つけられ失明したこの目の責任を取ってお前の命をもらう。」


 ディルはそんなボルの発言に動じることなく


「あらあら。過去を気にする男は嫌われるわよ」


 と笑いながら言うのであった。


「その前に、一番後ろのお前・・いったい誰だ?あの戦争の時には見なかったが……」


 ボルは殺気を出しながら、俺を指さす。

 俺はその殺気に、ビビッて後ろに後退りしたが勇気を持ち、踏みとどまった。 そして口を開く。


「俺の名前は翔琉だ。今はディル達と旅をする、ただの見習い魔導士さ。」

「ほう……の割には……大魔導士たちに比べて、劣らず高い能力値だが……」


 といい、虫眼鏡を取り出し俺に向けた。

 すかさず、ディルとエンが俺の前に立ちボルの視界から俺を遮った。


「おっと、ボル。うちらがいる限り、翔琉には手出しさせないよ。なあ、ディル」

「その通りよ」


 俺には何が起ころうとしたのか分からなかったがすぐさまライとリュウが俺の背後に回り状況を説明してくれた。


「ボルの使う魔法は主に、闇と雷属性の魔法で、状態異常や洗脳といった事をしてくるわ。今のだと、虫眼鏡でとらえた相手を洗脳する闇の魔法:奴隷宣言かごのなかのとりを発動しようとしたのよ。」


 じゃあ、さっき見られていたら、俺は今頃……


「この魔法はガード方法を知らないと絶対によけることができない技なんだ。俺たちは前の戦闘で知っていたが、翔琉は知らないだろ?」


 そういうライに俺はうなずき


「うん。どうやって防ぐんだ?」


 と聞く。

 ライは真剣な面持ちで答える。


「光属性の盾を自分の前に張ればいい。そうすればガードできる」

「分かった。あと、気を付けておくことは?」

「状態異常魔法のガードは光属性、それ以外は今回は翔琉ちゃんは自分を守ることを考えていて。今回はあたしたちでなんとかするわ。」

「分かった。だけど、回復とかの援護くらいはさせてくれ」

「分かった。気を付けろよ翔琉!」

「ライもな。もちろんリュウも。みんなも!」

「だてに修羅場くぐってないよ。私たちは」

「その通り。うちらの戦い見ておきな!」


 そういって、ライ・ディル・リュウ・エンはボルに向かっていった。


 (気を付けてくれよ・・みんな・・)

 

 ライとボルは近接攻撃、リュウとディルは遠距離攻撃、そして俺は援護に回った。

 ライは雷をまとい、エンは炎をまとっている。素早さで翻弄して、隙ができたら重い一撃を食らわせるヒット&アウェー戦法。アウェーの間は、水の柱と時間の魔法によりボルの動きを鈍くしているようだ。


「中々やるな・・だが今の俺の敵ではないな・・ふん!」


 ボルは身体から闇の衝撃波を出してライとエンを吹き飛ばした。

 2人は左右の壁に思いっきりぶつかった。

 それを見た俺は、すかさず2人を回復をする。

 すぐに2人は起き上がり、再びボルに向かっていくがボルは余裕の顔をして


「お前ら・・俺の魔法・・忘れたわけじゃないだろな・・。」


 といい、再び闇の衝撃波で2人を吹き飛ばす。今度はうまく2人は受け身を取れたようだ。


「あいつの魔法はなんなんだ?」


 そう聞くとここでは普通味方が答えるものなのだが、何故かボル自身が答えた。


「俺様の魔法に興味を持つとはお前なかなかだな。俺様の魔法は太古魔法:空間魔法くうかんまほう。自分の周り1kmに対し、闇属性の魔法で攻撃することができる。まさに人の上に立つ者の魔法だ。」


 そう答え俺に攻撃してきたが、盾が俺を守ってくれた。


 (びっくりした・・)


「光属性の盾・・ディルか?それともこいつが・・」

「よそ見してんじゃねえよ!」


 とエンが重い一撃を食らわせた。ボルは俺に完全に意識をして油断していたため、見事にヒットした。

 が・・エンの足をボルは即座に掴み、ライの方に投げた。

 ライはスピードを上げていたため、エン・ライともに大ダメージのようだ。

そのためすぐに回復しようとしたが、何故か回復することができない。


「どうなっているんだ?」


 俺が言うと、ライが口から出た血を吐きながら答えた。


「おそらく・・ボルの魔法の効果だろ。空間魔法によって遠距離からの回復を邪魔しているんだ。」

「なら、直接近づけば・・」

「ならん!」


 そう答えたのはエンだった。


「おそらく、奴の目的はそれだ。うちとライを回復させるために翔琉君を前線に引っ張り出すきだ。」

「ああ、だから翔琉・・来るな!回復なら・・リュウに任せろ・・。」

「あたしに任せな!翔琉ちゃん。あいつらはあたしが回復させる。ディル援護を!」

「任せて!」


 と時間を遅らせる。その隙に、リュウはライとエンを回復させようと近づくが・・その瞬間、空間に亀裂が走り時間魔法が解けてしまう。


「俺様の前でそうそうやらせねえよ。」

「時間に干渉! 馬鹿な! 戦争の時にはそんなことできなかったはず!」

「いつまでも昔のままの俺じゃねえんだよ!」


 そういってボルはリュウを闇の球体の中に閉じ込めた。


「しまった!やられた!」


 リュウは中から打ち破ろうと蹴ったりするが、一向に破れない。


「平和ボケしたなお前ら。昔はこんなんじゃなかったのにな・・。」


 俺以外の全員の何かが切れた音がした。


「・・・。」

「どうした?言い返せないか?」


 いまだに挑発を続けるボルに対して、ディルが真顔で答える。 


「はあ・・こんなところで開放するなんてね・・みんな。」


 そういって、その声に反応してそれぞれが答える。


「ああ。」

「そうね。」

「だな。」


 ボルは余裕の笑みを見せながら


「苦し紛れのいいわけか? がっはっはっは」


 とボルは嘲笑うがディルは続けた。


「あんたたちの組織を倒した後、世界に平和が戻ったため私たちは戦いの力を封印することにした・・ほぼ完全にね・・。そのあと修業したおかげで戦争時と同等の力は出せるけど、本当の力はずっと封印されていたの・・。この意味・・分かる?」

「解放すれば、倍の力が出るって言いたいんだろ?」

「その通り。」

「だがな、所詮ドーピング程度。それじゃあ俺にはかなわねーよ。」

「封印解除!鍵破壊かいじょう!」


 そういって、全員の能力が向上した・・。


 (みんな、こんなに力が・・これが、かつて世界を救った人たちの本当の姿か!)


「行くぞ!」


 みんなの動きが先ほどとは全然動きが違う。ライは光速、エンは圧倒的な破壊力。ディルは時間のひずみによっておこる時間の衝撃波でボルに総攻撃した。

流石にボルは攻撃に耐えきれず、大ダメージを受けた。


「貴様らあああああ・・こんな力を・・隠しやがって・・。俺を・・なめるなああああああああああああああ!」


 そういって、全員に対して全方位攻撃の闇の槍で攻撃してきた・・がもはや相手にならない。

 全員攻撃を余裕でかわし、ボルにとどめをさせるかと言うところまで来たのだが・・ここで誤算が起きた。

 ライ・エンの周りを闇の球体が覆った。


「これは!」


 どうやらリュウを閉じ込めているものと同種のものである。


「ふん!ようやく発動したか。お前らには直接触れる機会があったからな・・直接仕込みができたぜ。これで、お前らは何もできまい。その球体は内側の攻撃はすべて反射する特別な球体だ。大人しく見ているがいい。」


 球体の壁は割れず、エンとライは悔しそうな顔でボルを睨めつけた。


「くそ!やられた。」

「ディル頼む! 翔琉を!」


 とライはディルに向かい叫ぶ


「分かっているわ」


 とディルは眼光を鋭くして答える。


「ディルと見習い魔導士か・・まあ、ライを殺す前にいい前菜だな。さあ、行くぞ!」


 とボルが舌なめずりをした後、襲い掛かってきた。

 その時、全ての時間が止まった。俺とディル以外の時間が。

 どうやら、無詠唱でディルが時魔法を発動させたようだ。


「翔琉!あの魔法を使うよ! 私が3つ数えたらこの魔法を解く。そしたらすぐ奴を攻撃しろ!」


 そういうディルの目はいつもの優しいディルではなく、戦闘時の怖くて強い目をしていた。


「分かった!神魔法・・」


 そういって俺とディルは各々の役割を遂行する。


「3・・2・・1・・」

「光天神!!」

「0!」


 刹那の瞬間であった、全ての力を一点に集中し俺はボルに向かって光の槍を刺した。光速で刺さった槍は、光の柱となりそのままボルを拘束した。


「これは・・光属性の上級魔法:聖封輝せいふうき!お前・・その魔法は・・神魔法だな・・」


 そういってボルは意識を失った。

 ここで説明すると聖封輝は拘束した相手の動きと意識を奪う魔法である。そのためボルは意識を失ったのだ。


「みんな!今開放するからな!」


 と俺は光速で球状に光の針を刺して、風船を割るがごとく割った。

 闇の大魔導士ホルブの拘束も解いた。ホルブの格好はボロボロの黒いマントに水晶のついた杖を突いている。ホルブは


「助かった、光の子よ。我の名はホルブ。闇の魔法を得意とするものじゃ。」


 と、言った後倒れてしまった。どうやらボルにだいぶ痛めつけられていたようだ。

 取りあえず俺はホルブをリュウとともに回復させた。回復させた後、俺の神魔法は解けて気絶はしなかったが、少し休憩が必要だ。

 ボルは気を失ったまま光の柱に磔にしているので心配はいらない。


「ホルブ!あなた大丈夫?」


 ディルがホルブに歩み寄ったが、大丈夫、と言い


「皆に話すことがある。ブラッドの復活の件じゃ・・」


 そういって俺たちに話し始めた。

次回、魔大戦の話に触れます。

そして、ボルが・・

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