ステージ6:炎の大魔導士エン
温泉とかいいなあ・・
混浴はロマンがありますね・・
でも監禁は勘弁。
温泉にて体力を回復した。
疲れは取れなかったが、楽しい思い出はできただろう。
「さて、炎の大魔導士エンを探しましょうか。」
ディルはそういった。
「エンは確か・・温泉の中に家があるんだったよな・・」
とライは辺りを見回す。リュウはクスりと笑い
「あたしが案内してあげるわ。」
とついてきてと先導してくれる。
「炎の大魔導士エンってどんな人?」
と俺は周りに聞いた。全員バラバラな回答であったが、1つだけ分かったのは
”2重人格”であるということだった。
「2重人格のエン。根暗な時と熱血野郎の時があるのよね」
とリュウは言う。
「昔それが分からなくてな~日によって全然違うからな。」
とライは続けて言った。
「ほら、着いたわよ。」
そういった目の前には、この辺の温泉の源泉と思われる場所だった。
「流石に硫黄の臭いがきついな・・」
俺はそういったが他の人は全員同時に
「「硫黄?何それ」」
と声を揃えて言った。
「硫黄ってのはね・・」
と全員に説明した。
「翔琉ちゃんはものしりなんだね。」
とリュウは言った。
「前いた世界では博士になるのが夢で勉強していたからね。」
「「へえ~。」」
と一同。
「まあ、取りあえず行こうか。」
と言うと源泉から人が出てきた。
片腕に龍の入れ墨を入れた、眼鏡をかけた男が。そしてその男は言った。
「騒々しくて眠れないじゃないか・・誰だよ・・」
そういうとディルは一歩前に出て
「私だよ。エン。」
と言った。
「ディル・・ライに・・リュウも・・んで?そこの小僧は?」
「小僧?」
「だと・・。」
ライとリュウがやけに反応した。
「ああ、初めまして俺の名前は翔琉だ。」
「ふうーん・・。翔琉ね・・。雑魚そうな名前だね」
「な!」
と俺が言い返そうとしたとき空からは雷、地上からは大量の水がエンに襲い掛かった。
おそらくライとリュウの攻撃であろう。俺のために起こってくれているのには感謝なのだが災害レベルの喧嘩が始まってしまった。
エンは攻撃をかわしつつ話を続けた。
「翔琉君。君はこんなにも慕われているようだね。その才能はうらやま・・!!!」
雷が10本束になってエンに向かって降り注ぐが炎を足から放ち軌道を変えてかわす。しかし直後、地上から噴き出る大量の水によって足の水はかき消されてしまう。
「炎系の技はあたしがかき消してやるわ!ついでにあんたもね!」
「おいおい、お前らこの辺の温泉ダメにするきか?」
「俺の翔琉の悪口言ったんなら・・お前ごと消してやるぜ!!」
「ちょっと、翔琉ちゃんはあたしのよ!」
さらに2人の攻撃は激しくなる。
「そろそろやばいわね・・翔琉!あの2人も、完全にスイッチ入ってるから・・仕方ない!」
とディルが俺に近づきあることを言う。
「今のあいつらを止めるにはあの魔法の使用しかない。だけど、それをするためには、誰にも見られないようにする空間を作る必要があるの。だけど、あの魔法が発動中だともって精々、5分が限界なの。その前にけりをつけてね。あとそうだ。喧嘩始めちゃったあの2人ごとでいいわ。ああ、なったら止まらないんだもん。もしもの時は回復させればいいから。」
といい、じゃあ始めるわと言う。
「空間の魔法:絶間拾式」
そういうと、ディルの手のひらから球状に別の空間が広がっていく。
「今よ!」
といい俺はあの魔法・・神魔法を発動させる。
「神魔法:光天神!」
俺の身体が輝き背中から翼が生えた。
そしてライ・リュウ・エンはこちらを向いて唖然とする。
「これが話に聞いていた、翔琉の神魔法か・・!」
「翔琉ちゃん・・なんて神々しいの・・」
「これが神魔法・・あの小僧が・・」
そういったのもつかの間、いや言い終わると同時にが正しいだろう。
俺はライ・リュウ・エンをまさしく光速で倒した。
「っく・・翔琉ちゃん・・こんな切り札隠してたなんて・・あたしとの戦いのときは出さなかったじゃないの・・。」
「さすが・・俺の翔琉だ・・。」
「小僧・・貴様・・この魔法を使えるとは・・大したものだ・・」
結構みんな瀕死状態。やりすぎてしまったようだ。光速はやはり早すぎた。せめて音速にしとけば・・
「翔琉!全員回復させて!」
とディルは言う。
「光の魔法:光治。」
といい、光を瀕死の3人に当てた。
すると、5秒で全回復した。
「さすが光魔法ね・・。あたしも回復には自信あるけど、光属性はレベルが違うわ。」
「ディル!あの小僧は何者なんだ?」
「異世界から来た、ただの少年よ。」
そういってディルは笑顔でエンに答えた。
「ライ・・すまない・・あとは頼む・・。」
そういって、俺は神魔法を解くと地面に落下していった。
「翔琉!」
とライは雷の魔法の効果でスピードを上げて、落ちてきた俺をキャッチした。
そして俺は意識を失った。
「翔琉!翔琉!」
とライは叫ぶ。
そこに空間魔法を解いたディルとリュウ、エンが駆け付けた。俺が気を失っているのを見てリュウはディルにつかみかかった。
「ディル!これはどういうことなの?なんで翔琉ちゃんが気を失ってんのよ!」
「・・。」
「なんとか言いなさいよ!」
と言うリュウを振りほどきディルは神魔法についての説明を始める。
「神魔法はね・・諸刃の剣なの。対象者に絶大な力を与える代わりに、使用者の精神を極限まで削る魔法なの。だから、使用者には強い精神力が必要なんだけど・・」
「なるほど・・。この小僧はこの世界に来たばかりで、まだ精神の修業は行っていなかったため小僧は耐えきれなかったというわけか・・。」
とエンは言った。
「命には別状ないわ。今の状態だと、あと30分は眠ってるけど。」
とディルは言う。
「しかし、何故こんな小僧があの伝説の神魔法を使えるのだ?」
「翔琉がこの世界に来て始めて魔法を教えたのは私なんだけど・・その時一番初心の魔法を教えようとしたらいきなりこの魔法を発動させたのよ。だから驚いたわ・・。伝説の神魔法を使う人なんて始めてみたから。」
「そのあと、あなたは翔琉ちゃんに別の魔法を教えたんでしょ?それはやはり・・」
「そう。この魔法を多用させないため。人に見せないのも目的の1つだったけど、一番は翔琉の身体に負担をかけないようにするため。」
「そうか・・俺完全にスイッチ入ってて・・翔琉に迷惑かけたな・・」
「ライ・・それはあたしもよ・・」
「とにかく、取りあえずお前らその小僧を連れて、家まで来い。話はそこでしよう。」
そういうとエンは源泉の中の家に全員を招いたのであった。
「小僧は、その辺にあるソファーに寝かせておけ。」
とエンは言った。ライは俺をソファーに寝かせ、近くに座り
「じゃあ、続きの話をしようぜ。」
といった。
「ディル。では聞かせてくれ。あの小僧は異世界から来たと言っておったな。と言うことは、おぬしたちは、オールドアに行くと言うことか?」
「ええ。翔琉が元の世界に帰りたがっているからね。そのためには君たち7人の大魔導士の力が必要になるでしょ?」
「なるほど・・だからうちを訪ねてきたんだな。」
「それだけじゃないわ。」
「どうした?リュウ。」
「大魔導士がここにいるメンバー以外全員の所在地が分からくなっているの。それで、あたしの魔法で調べた結果、闇の大魔導士ホルブがいるのが地獄炎瑠なんだ・・。」
「なるほど・・あの場所に行くにはうちの力が必要だからな・・。分かった協力しよう。」
「ありがとう。エン・・。」
「ただし、条件がある。」
とエンは言った。
「条件?」
とライは言う。
「翔琉とか言ったか。その小僧の持っている異世界の情報と交換だな。」
「「な!」」
と全員はエンをにらみつける。
「良いだろ?別に。記憶を抜き取るんじゃないんだし。それに先ほど聞いた硫黄の話は興味深かったのでな、他の話しもぜひ聞きたいのだ。それだけでうちの力を借りれるというのなら安いものだろ?」
全員が再び戦闘態勢になりかけた時に、俺は目が覚めた。
「その条件で・・構わない。」
「翔琉!」
とライは抱き付いてきた。今ごつい状態だから苦しい。
「翔琉ちゃん!よかった・・。」
とリュウは安心した表情を浮かべた。
「翔琉・・目覚めたわね。」
ディルも同様な表情を浮かべている。
「ライ。受け止めてくれてありがとな。リュウはさりげなく回復させてくれたな。ありがと。」
そういって俺はソファーから立ち上がり、エンの元へ行く。
「始めまして。翔琉君。うちの名前はエン。炎の大魔導士だ。まあ、兼任として様々な情報を集める情報屋としてもたまーに動いている。以後よろしく。」
「ああ。よろしく。」
と握手を交わす。
「じゃあ、まず闇の大魔導士ホルブのいる地獄炎瑠へ行きましょう。」
そういって、ディルは行くわよ!と空間移動魔法を発動させた。
「せっかちなところは昔から変わんねえな。ディル」
「まあね、エン。」
次の目的地、地獄炎瑠へ。
次回は今作の敵が登場。
実はライの・・