表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MW元   作者: ただっち
ファントムソウル編
48/69

セカンドステージ25:会談

 ”主らの言うところの、敵と言うことになるが、まあ、今は大人しく話を聞け。黙って聞く気がないのなら、我はこの場で主らを殺さねばならんからな。

 ん? 殺す理由?

 暇つぶしと言うことじゃあ、ダメかのう?

 まあ、大人しく話を聞いてくれるんなら、何もしないで帰ろうと思っているよ。

 我がここに来た理由はな、我のあるじであるロギウスの敵であるおぬしに興味を抱いたのでな、実はここ最近監視させて貰っていたんじゃ。と言っても、雷の大魔導士の神殿からじゃがな。

 なぜそんなことをしたのかと言われてものう……

 言ったじゃろ? 我はぬしに興味を抱いたからじゃと。

 神魔法を1度奪われながらも、使用しているその身体……

 どんな状況でも、臆しないその強き精神力……

 ああ……解剖したい……

 ? まあ、そうおびえる出ない。

 今日は我慢するからのう……今日は……

 おっと、いかん、鼻血が……

 さて、話を戻そうか。

 おいおい、そこの虎ども、いくら楽しそうな話だからと言って、そんな人外を見るような目で見る出ない。

 いくら、我でも、怒って目玉くりぬくぞ。

 ん? 本気にせんでもいいぞ。だから、目を隠すのはやめて、こっちを見なされ。

 ふう……えっと、どこまで話したのかのう?

 ……

 そうじゃそうじゃ! お主に興味を抱いたという話をしていたのじゃったのう。

 いや、ここ何百年ぶりに地上に出たもんでな、時差ボケならぬ、時間ボケと言うやつかのう。

 さて、だいぶと言うか、かなり話がそれてしまって申し訳ないのう。

 話し好きなじじいの戯言だと思って永遠に脳に焼き付けておけ。

 ふむ、では本題に入ろうかのう。

 我はな、本当はお主に興味を持っている。

 お主の過去……お主の実力……お主の夢……そのすべてが知りたくなった。

 お主は何を求めているのか、何になりたいのか、何を目指しているのか……それらを解明したい……

 そして、そのためには、お主を洗脳するのが1番いいじゃろう?

 そうすれば、お主は洗いざらい何もかも、吐き散らしてくれるしのう。

 まあ、吐き散らしたついでに、主の血も吐き散らしてくれると、最高かのう……

 そう構えることはない。

 今のも冗談じゃからのう……

 ん……話が見えてこんのう……

 我は主に、何を話したいんじゃったかのう?

 ああ、そうじゃそうじゃ! ……”


 そういって、話を再び始めようとするのを、俺は遮り


「ああ! もう! 結局何が言いたいんですか? 全然話が見えてこないんですけど!」


 と言う。

 無限ループのような話がこのまま続くくらいなら、戦闘になってでも止める。

 このまま、無駄話を聞き続けても、何にもメリットないし―――

 すると、シャドウはニコリと笑い立ちあがると


「ふう……満足したわい。いや、誰かに話を聞いてもらうのは久方ぶりじゃった」


 ん? 帰るのか? 帰ってくれるのか? 助かった……のか?

 俺の考え的には、このまま帰ってくれるのが、一番理想的だった。

 しかしながら、そんなことは当然うまくいかなかった。

 シャドウは俺ではなく、ジンライを見つめ


「そやつ……もらっていくぞ!」


 そういって、ジンライの元へとゆっくり近づく。

 ジンライは俺の後ろにしがみついて


「嫌だ! 俺はどこにもいかない!」


 そういって、シャドウを睨めつける。

 シャドウはその光景に笑いながら


「これは、驚いた。ここまで、感情がしっかりしているなんて……」


 そういった。

 感情があるだって?

 まるで、元々何もなかったようなもの言い方に、俺は憤りを感じた。

 何故この男は、そんな言い方をするんだ?


「それはどういう意味だ? お前は何を知っているんだ?」


 そう言ったのは、今まで全然顔を出さなかったアマデウスだった。

 寝癖で髪が乱れているところ、また寝てやがったな……

 アマデウスの姿を見たシャドウは、先ほどまでの笑みを浮かべていたのと変わって、今は真剣な表情であった。

 そして、シャドウは次の瞬間、アマデウスに向かって


「おいおい、何を言ってるんだ? アマデウス。ボケてるつもりか? 笑えねーぞ」


 そういってジンライを指さし、シャドウは語る。


「そこの子供は、天野翔琉と雷の小僧の血から生まれた子供……つまりは天野翔琉の血族という貴重な素体にして、我の毒が効かない個体であるぞ……」


 毒? 毒なんていつ仕掛けたんだ?

 そう思ってジンライを見るが、ジンライは特に目立った外傷は……!

 そういえばあった。

 奴からの攻撃を受けたあの時、かすり傷ができてたんだっけ?

 あれ? そういえば、攻撃を受けたのはもう1人……!

 とボルの方を見ると、泡を吐きながら倒れているボル。


「え? おい! ボル! どうしたんだ? しっかりしろ!」


 と俺は駆け寄るが、返事がない。

 それどころか、痙攣して同行が開きかかっている。

 その様子を見たアマデウスが、ボルに手をかざすと、ボルの口から黒い液体が飛び出て、地面に飛び散った。

 アマデウスは俺の方を見て


「もう大丈夫!」


 と言う。

 やっぱり、ボルにも毒の攻撃をしていたのか……

 シャドウはこちらを無表情で眺めていた。

 まるで虫を殺すかのような目でボルを見ていた。

 そして、口を開くと


「あーあ、残念。また冥界に魂を誘うことができると思ったのに……残念じゃったのう……」


 とボルを指をさして言う。

 人の命を軽く見ている、冥界の王は只々、無表情に眺めている。

 そんな光景に一番腹立たしく思っていたのは、意外にもアマデウスであった。

 アマデウスの表情がこれまで見たことないような姿に変わっていた。


「あのさ……」


 とその表情のまま、アマデウスはシャドウを睨めつけながら話し始める。


「お前さ……昔っから、思ってたんだけど……命をなんだと思ってるわけ? なあ……」

 

 そう怒鳴るアマデウスに対して、シャドウはニコリと笑い


「おもちゃ」


 と答える。

 その瞬間、アマデウスの怒りは頂点に達したようで、突然シャドウに向かって攻撃するアマデウス。

 あの魔法は……光の魔法最強クラスの神之憤怒!?


「まずい!」


 俺は急いでボルとジンライの前と自分の前に、光の盾を出現させる。

 光属性の攻撃を完全ガードするには、光属性で行わなければならない。

 しかもよりによって、最強クラスの光属性の攻撃系魔法である。

 盾が1枚じゃあ、足りない!

 そう思って、とっさに100枚ほど盾を作ったのだが、シャドウに神之憤怒が当たった瞬間に、森は樹を残して、全てが吹き飛び、俺の張っていた盾も、残り1枚となっていた……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ