ステージ22:vs暗黒賢者&地の大魔導士グラン
いよいよクライマックスですかね
オールドアへ通じる巨大な塔・・ここに、何度も来たかった・・だが、様々な障害があってなかなか来ることができなかった。
しかしようやくとして、俺は今日・・自分の世界へと戻ることができる・・そして、元の世界に戻った暁には、あの研究も完成する・・
そのためには、まず役割を全うしなければならないだろう・・俺の今の役目は、地の大魔導士グランを助け、暗黒魔法教団の暗黒賢者と首領を倒すこと・・それが今の目的だ。
これを達成しなければ、俺は元の世界へは帰れない・・。
そのために俺は前へ進む。
オールドアのある塔・・別名:始まりの塔。俺たちは、決意新たに、前へと進むのである。
そして1階・・早速、お出迎えしてくれたのは地の大魔導士グランと、暗黒賢者ガイルであった。
「ようこそ・・私の名前はグラン。地の属性つかさどる魔導士なり・・」
「そして、俺はもはや自己紹介はいらねえな。」
そういうなり、グランとガイルは俺たちに襲い掛かってくるのであった。
「地の魔法:岩園。」
そういうと、俺以外のみんなは岩の結界に閉じ込められてしまった。
「しまった!」
「ホルブ!リュウ!すぐに解除して!」
「早くても10分はかかる!」
「5分で終わらせるぞ!リュウ!」
そういって、全員結界の解除作業に入った。
「翔琉!気を付けて!」
「翔琉!」
みんなが俺を心配してくれている・・。なら、俺は彼らを助けるために再び、あの魔法を発動させる。
「神魔法:光天神!」
そういうと、俺は光速で移動し、相手をほんろうする。
しかし、ここでグランとガイルが手を合わせて何か呪文を唱える。
「「光を飲み込む漆黒の球体よ・・我らの魔法を合わせ今ここに現れよ・・超重力魔法:黒星」」
そういうと、黒い球体・・ブラックホールが出現したのだ。
ブラックホールの性質は光をも飲みこむという超重力。しかしながらこれはあくまでも魔法。であるならば本物のブラックホールには及ばない。
しかしながらブラックホールはブラックホール。
光を飲み込み逃がさないという特性は健在で、俺の身体は徐々にその黒い球体へと引き込まれていく。
「どうだ!天野翔琉!この魔法は、俺と地の魔導士グランの合わせ技でな、しかもグランがいる限り俺たちは飲み込まれる心配はねえんだよ!」
そういいながらこちらをあざ笑うガイル。地属性の魔法の効果は重力の無効化・・そのため、地属性をこの場で唯一習得していない俺にとっては最悪な魔法である。
「そのまま、飲み込まれて大人しく、封印されろ!」
ガイルは勝利を確信しているようで、かなりの余裕な表情である。
だが1つ忘れていることがある・・俺は将来博士になるために、今まで猛勉強をしてきた・・その中にそういえばあったのだ、ブラックホールを打ち消す理論が。
皆さんは知っているだろうか?ブラックホールは蒸発するということを・・
一般相対性理論に量子論からの観点を加えることによってブラックホールが蒸発する可能性があるという報告がある。対照的な粒子がブラックホールに存在する際に、片方の粒子がブラックホールに飲み込まれたとする・・すると、もう片方の粒子は遠方に逃げることができるというのだ。その際に、ブラックホール内に飲み込まれた粒子はマイナスのエネルギーを持っている。そのエネルギーによってブラックホールは自身の重力のエネルギーを失っていき、最終的にはブラックホールは蒸発し消えるのだ。
だが、現状では机上の理論・・本当にそのようなことができるのかは明かされていない。成功するかもしれないし、失敗するかもしれない・・
しかしながら、やらないでやられるなら、やってやられる方がまだましだ。
後悔だけは絶対したくない・・
その思いが強かった俺はここで、証明するのだ。机上の空論が正しいことを!
「光魔法:正負光。」
そういって俺はブラックホールに向かって巨大な光の光球を投げ入れる。そして、それはブラックホールに飲まれていった。
「何をいまさら・・貴様の攻撃が光属性である限り・・この魔法にはあらがえん!」
「まだまだ!」
俺は、次々と光の光球を投げ入れる。
「はっはっは。無駄無駄。そんなことに意味は・・?」
とガイルが言いかけた時、ようやくその時は訪れた。ブラックホールの重力が弱くなっていったのだ。
「馬鹿な!光属性の魔法で、この魔法を破るなんて・・」
ちょうどその時、ディル達を封じていた結界も解けた。
「お待たせ、翔琉。待たせた。」
そういって、みんな俺の元へと駆け寄る。
「さあて、反撃開始だ!」
ライのこの言葉を合図に、俺は全員に神魔法を貸す。炎天神・水天神・雷天神・闇天神・氷天神・風天神、そして光天神を各自発動させて、俺たちは2人に総攻撃を仕掛けるのであった。
「先ほどのあの、重力を破った方法をあとで教えてくれよ。翔琉。」
そういって、まずはエンが仕掛ける。
「炎の魔法:煉獄炎零式」
そういうと、ガイルとグランの周りを小さな太陽がいくつも現れる。
「これは、炎属性最強魔法・・ならば、地の魔法:夜見之孔」
グランがそういうと、太陽はグラン達の周りにできた黒い穴の中へ飲み込まれていった。
「なるほど・・そう来るなら、氷の魔法:氷河樹」
とヒョウが黒い穴を凍らせてしまう。
「これはしてやられた・・その魔法は凍らせている間、2度と発動できない氷属性最強封印魔法。」
「これじゃあ、終わらないぜ!」
そういってライはトルネと空高く飛ぶ。
「ライ・・お前と技を重ねるのは久しいな。」
「そうだな!昔はよくやってたコンビネーションだからな。あの時の感覚・・忘れてねえだろうな?」
「ああ。だが、昔の技では物足りないだろう。ここは1つ皆にあやかって、俺たちも属性最強魔法を出すのはどうだ?」
「はなからそのつもりだ!行くぞ!」
そういうと、2人は上空で呪文を唱え始める。
「天を切り裂く雷よ・・」「天を舞う伊吹よ・・」
させるか!とガイルは上空に向かうが、それをリュウとホルブが阻む。
「邪魔はさせないよ。水の魔法:水龍波音!」
「その通りじゃ!闇の魔法:暗転闇雲!」
2人の水と闇の波状攻撃により、ガイルは叫びながら地上に落下する。
「轟きとともに、我が願いを受け入れ・・」「更なる風を纏いて、ここに集い・・」
「これはいかん!地の魔法:地過壁画!」
グランとガイルの元に巨大な岩の壁が現れ、彼らをガードする。どうやら、この魔法をグランは受けて立つようだ。
「邪を滅せよ!雷の魔法:雷轟稲妻・滅!」
「悪を討て!風の魔法:疾風怒号巻!」
2人の放った、巨大な雷の槍と風の槍はあわさり、巨大な剣となってガイルとグランを守る壁を突き破り潜んでいた2人にあたった。
ディルとボルはその隙を狙い、彼らを拘束することに成功した。
この勝負・・俺たちの勝ちだ!
その後、いつものように暗黒賢者をホルブによって封印してもらい、リュウにはグランの洗脳を解いてもらった。
「私はいったい・・何をしていたのだ?」
グランはそういう。どうやら洗脳中の事を忘れてしまったようだ。ディルがこれまでのいきさつや、事情を説明するとグランはトルネの時と同様に深々と頭を下げ
「では、翔琉君・・私も、オールドアの封印者の1人として、同行させてもらうよ。」
と言ってくれた。
俺は、もちろん喜んで!、といい、俺たちはオールドアを目指して頂上に向かう。
このまま行くと、頂上に暗黒魔法教団首領のブラッドがいるらしい。いよいよ、最終決戦だ!
7人の大魔導士がそろった今、俺たちはいよいよ伝説の扉:オールドアへ向かい、塔の階段を登っていくのであった。
次回はオールドア編最終回!




