ステージ18:神話の物語
神話の物語は永遠に語り継がれるものである。
太古の魔導士:フルート
彼女の現在行る場所はと言うと、実は炎の大魔導士エンがいた、温暖帝の近くにある秘境:夢幻峡谷という場所にいると、ディルは話す。
しかしながら、そこまでの距離があまりにも遠く、現在いる風の城からでは今日中にたどり着くことが困難であるため、本日は温泉帝にて一晩を過ごすことになったのであった。
温暖帝は前に、俺・ディル・ライ・リュウの4人で泊まった経験のある場所ではあるものの、俺には監禁された場所であるのでもう遠慮したいものである。
さて、今夜はエンの家に泊まることになった。
太古の魔導士を探すのは明日になる 。
エンの家にたどり着くとそうそう一悶着があった。
それは、温泉に入ることと、今夜誰がどこで寝るかということである。
もちろん、これはあの4人が駄々をこねたからである。
「翔瑠と一緒じゃなきゃ、いやだ!」
「翔瑠ちゃんとあんな事やこんな事をするのよ!あたしは!」
「なんだよ…あんな事やこんな事って…俺は翔瑠を守らねば!」
「翔瑠さんと、ワタクシは結ばれるためにも色々と知ることがあるのよ!」
まあ、色々言ってるけど、リュウの言ったあんな事やこんな事って俺に何する気だよ…と俺は内心びくびくしている。
それを見て、ディルは笑ってる。
あの野郎・・他人事だと思って・・
結果として言わせてもらうと、せっかくの温泉だし男女分かれてはいることになった。(当然だ。)
しかし、リュウとヒョウならば男湯にも入ってきそうなものなのだがここでディルが
「おしとやかな女性ほど男はひかれるものよ」
と言ったのが効果的だったのだろう。その後は、ぐいぐい来るようなことが少なくなった。また何故か、ライまでもがおしとやかになのか?あまり抱き付いて来なかった。
本当にディルさん、ありがとう(さっきあの野郎とか言ってごめんなさい。)
そして風呂場、ライとホルブは露天風呂に入りに行っている。そしてエンはサウナ。
そして、ボルはと言うと・・俺の近くで泳いでいる(風呂場の中で泳いじゃダメだよ。)
「翔琉殿・・少しよいか?」
とトルネが近づき俺に言う。
「翔琉殿はご存じであろうか?かの有名なオールドアの真実と言うものを・・」
「真実?」
そういうと、ボルに向かって、知ってる?と聞くが、ボルは、知らないと答える。
「真実って、いったい何ですか?」
そう聞くと、トルネは答えた。
「オールドア・・開くためには7人の大魔導士が必要、魔獣が生息する、様々な仕掛けがある難攻不落の天然の要塞。」
そういうと、トルネはオールドアについての歴史を語りだすのであった。
”オールドア・・それは太古の昔に、この世にまだ神がいた頃、当時の神が創り出した異世界への架け橋・・そして神は、その扉をくぐり様々な世界へ渡ることができた。神は様々な世界の話を人々に聞かせる。魔法のない世界・・神の世界・・楽園のような世界・・。そして神は、人々にそれを授け、神は違う世界へと旅立っていった。人々はそのドアを用いて、平和に暮らしていた。
しかしながら、とある欲望にまみれた1人の人間とその仲間たちのせいで、世は混沌とかし、世界どころか違う世界においても混沌へといざなっていった。その時、神に仕えた3人の偉大なる魔導士と7人の弟子がそれを阻止する。
3人の偉大なる魔導士は弟子の7人の魔導士とともに、その者たちを打ち破った。仲間たちは降伏したが、その主導者と思われる男は、あまりに危険だと判断したためその場で即座に処刑にした。そして存在を世に伝えるため、書物に書き残した。これがかつての神話である。”
と、トルネの話が終わる。
「3人と7人ってもしかして?」
「そうだ。後の3人の太古の魔導士と7人の大魔導士のことだ。」
「その処刑された男っていったい・・」
「その男の名は・・ロギウス。しかし、安心しなさい。この男は過去にすでに死んでいる。しかし、ロギウスの呪いなのか・・塔には魔物が徘徊するようになった。そして今や、オールドアには誰も寄り付かなくなった・・と言うわけだ。」
「魔物がいて、オールドアは大丈夫なんですか?」
その点は心配ないよ、とエンが言う。いつの間にいたんだ?
「オールドアには、かつての偉大な魔導士たちによって強力な聖なる魔法がかけられている。まず、悪しき魂の持ち主は通ることができないのさ。その魔法は彼らが死んだ今でも、発動し続けている。そして、その上からうちらの封印も重ねてるから魔物は絶対に通れないさ。」
そうなんだ・・
「オールドアを通るために何故俺たちが必要か・・分かったか?」
「その封印を解くためだね。」
「その通り。だから、神魔法を持っているとはいえあの場所で、扉を開く以上はうちらの力が必要なんだよ。」
そういい、エンは風呂からあがって行った。何しに来たの?あの人・・
「よし、我々もそろそろ上がろうか・・」
そういってトルネはざばっと上がって行った。
「ボル。あがろっか」
とボルの方を見ると、のぼせたようでふらふらになりながら
「翔琉・・くらくらする。」
と、俺に寄りかかってきた。
仕方がないなと、抱っこして風呂から上がった。
そして、脱衣所でどうやら待ち構えていたライが牛乳2本片手に
「翔琉!飲もうぜ!」
そういって俺に渡そうとしたのだが、俺に抱きかかえられていたボルがその牛乳を奪い取って勢いよく飲んでしまった。
まあ、のぼせたから水分が欲しかったんだろうな。
その後、ライがボルと喧嘩しそうな雰囲気になったのだが、エンが新しい牛乳を買ってきてくれたおかげで阻止できた。エン、ナイスタイミング!
そして、俺たちはエンの家へと戻ってきた。
「お帰りなさい、あなた」
「おかえり、翔琉ちゃん!」
と、リュウとヒョウが勢いよく飛びついてきた。
がそれをトルネが俺を押し、トルネに2人は抱き付いてしまう。
「おいおい、花魁ども。そんなにも俺が好きなのか?」
そういった、トルネに対してリュウとヒョウは口をそろえて言う。
「お呼びじゃねえ!」
そういって、トルネを殴り飛ばすのであった。
俺はその間にエンの家に入る。
「あれ?翔琉。2人は?」
そういうと、ディルが奥の部屋から出てきた。
「トルネをぼこぼこにしておるぞ。」
と、俺の後ろにいたホルブが答えた。
「ああ・・やっぱりね~」
そうディルが答える。
「翔琉。あいつね、大魔導士の中で1番のお調子者だから、気を付けてね。」
とディルは2人を止めに、外へ行く。おっと、会話が聞こえる。
「ほらほら、2人共その辺にしてあげなさい。」
「あ!ディル!だって、こいつ・・」
「ワタクシたちの邪魔をしたのよ。」
「お!ディル!」
「きゃあ!どこ触ってんのよ!」
そのあとに何やらすごい痛そうな音が響いた後、ディルが怒りながら入ってきた。
そして、リュウとヒョウが何事もなかったように入ってきて、その直後にほっぺたに手の後がはっきり残っている。
何したんだよ、トルネ・・
さっきの神話を語っている時の若干かっこよかったトルネは何処に行ってしまったんだろ。
そうして、夜も更け俺たちは眠りにつく。
トルネが俺の隣で寝ているので、女性陣は別の部屋で今日は寝ている。
そして、ライとボルは俺の両隣で寝ている。今日は腕をつかんでいないのだが、俺のお腹を枕にして寝るのはやめてほしい。結構苦しい。
次の日俺たちは鎖国国家に行くために、太古の魔導士:フルートを訪ねるべく夢幻峡谷へと向かうのであった。
次回は夢幻峡谷へ




