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銀鈴の異邦人  作者: 月兎
9/13

第9話

攻撃魔法の取引を終えて資金調達を済ませたマコトは、夕食後はパーティーメンバーの3人を待つ為、食堂に残っていた。しばらく待つと、グラン、カティアの順に宿を訪れた。食堂の手伝いをしていたエナーシャは、残りのメンバーが揃った事を確認すると、マコトに声を掛けた。


「全員揃った様だな。」


「ああ、それじゃ僕の部屋に行こうか。」


4人でマコトが寝泊まりする部屋に向かった。宿の部屋には1脚しか椅子がない為、エナーシャが気を効かせて1脚借りてきてくれた。男性陣はベッドに並んで座り、目の前にテーブルを置く。テーブルを挟んだ向かい側に女性陣がそれぞれ椅子に腰を下ろす形となった。

ベッドの方が低いため少し不恰好に収まったが、座高の低い女性がベッドに座るよりはマシなので諦める事にした。


「予定通り資金調達できたから、まずはその報告からしようか。」


エナーシャがニヤニヤしていた。その様子だと、既にエアリスから話を聞いていたようだ。


「僕の予想よりもずっと高評価だった。査定額も高かったが、ギルドマスターからの代理交渉があって更に値が吊り上ったよ。」


「ギルドマスターからの交渉!?」


流石(さすが)にそれは知らなかったようで、エナーシャが聞き返してきた。


「ああ、異例の事だと支部長も言ってたね。」


「それで、いくらになったんだ? いい加減教えてくれよ!」


焦らされたグランがしびれを切らしたようだ。


「うん、なんと金貨8000枚だ。」


「「8000枚!?」」


「これで学費の他にも当面の生活費は十分確保できた。あとは・・・」


「ちょっと待って。マコトは全員分の学費を全額負担するつもりになってない?」


「学院で学べばパーティーの戦力を底上げできるだろうし、直ぐにでも入学したかったのは僕の我儘(わがまま)でもあるからね。資金が足りなければ依頼でも手伝って貰おうかと思ってたけど、そうでないなら出すつもりだよ?」


「学費を出してくれるのは良いのだが、その分私達はマコト殿に返すつもりがあるという事を忘れないでくれよ?(やしな)ってもらうつもりはまだ無いのだからね。」


・・・しれっと不穏な事を言われた気がしたが、あえて触れない事にした。


「それはそうかもしれないが、メンバー全体の活動資金を上回るような取り組みに、個人的な我儘で付き合わせるんだよ? そんな事に付き合わせておいて、経費も出せだなんて僕には言えないよ。」


「そう言われりゃそうかもしれねーが、俺達の利益にもなってんだぜ? 資金面を丸投げじゃ肩身狭いっつーの。」


双方・・・と言っても真人とその他だが、どちらも譲らないまま1時間も話し込んでしまった。結局、学院1年目で必要な費用を真人が全員分支払い、2年目からは各自で負担。2年目以降の費用が不足したら真人が利息なしで貸し出すという事で全員の合意を得る形となった。



「次に入学できるのは4月1日だったか?」


「ええ、今日が3月17日だから、少し急いだ方が良いわね。」


こちらの世界に来たのは、あちらの世界の暦で1月2日だったはずだ。こちらの世界に来て7日経った今日が3月17日って事は、森に着いた日はこちらの暦で3月10日だった事になる。暦法の違いや世界間の時間の誤差、移動に時間が掛かった可能性もあるが・・・実際のところは判らない。本来接点のない世界なのだから、日付が一致してしまう方がおかしいか。


こちらの世界の暦は元の世界とほとんど変わらない。1月から12月までで1年と数え、毎月30日まで数える。グレゴリオ暦のような複雑な調整は必要なかったようだ。天体まで魔法で制御しているとは思えないし、そこは考えない方が良いだろうな。


「そうだな。明日1日全員で準備を整えて、明後日王都へ出発しようか。王都までの移動はどのくらいかかる?」


「徒歩で5日くらいね。入学の手続きに必要な時間が判らないから早めに到着したいところだけど・・・。馬車を調達しようにも、村で調達は難しいわね。」


「常時【ウィンドウォーク】かけて歩けば3日目には着けるかな?」


「そうね。馬車が調達できなければそうした方が良いかもしれないわ。」


「マコト殿、魔力込めすぎないようにしてくれないか。君の場合、手加減なしで使われると石に(つまづ)いただけで大惨事だ。先日エレンを背負ってた時は、森を抜けるまで魔物の気配に注意して進む余裕すら無かったぞ。」


「マコトの【ウィンドウォーク】はそんなに早くなるのか? 一度かけてくれよ。」


(たしな)められた事をあえてやってほしいとか・・・お前も被虐趣味(マゾヒスト)か?」


「ちげーよ。あの変態共と一緒にするんじゃねぇ!」


「そうか、全力で【ウィンドウォーク】をかければ、荷車を引っ張ってくれるのか。」


「馬になる気はねーよ!」


「大丈夫だ、(むち)だけは使わない。(くつわ)|(馬の口に噛ませる手綱を結ぶ馬具) は噛ませるがな。」


「お前本当に恐ろしい奴だな!」


「もう! グランが余計な事言うから話が進まないじゃない。」


「俺のせいだって言うのか?」


「「「お前のせいだ!(という事にしておこう)」」」


興味本位だろうが遊び心だろうが、ネタがあればボケないと失礼だろ?多少悪乗りし過ぎたようだが。


「まあ冗談はここまでにして、王都に行くまでの予定は大丈夫だな。王都に着いてからは、宿の確保をして直ぐに入学の受付を済ませる。その後の予定はその時に検討すればいいか?」


「そうね。入学に必要な手続きや必要な物が判らない以上、今焦って予定を組む必要は無いわね。」


「そうだな。それで良いと思うぞ。」


「・・・ああ。」


グランは窓の外を見たまま曖昧に頷いただけだった。


(いかん、グランがやさぐれてる。弄り過ぎたか。)


「まあ時間が余れば王都散策とかグランの修行にでも付き合うか。」


「おう!」


グランが呆気(あっけ)なく覇気を取り戻したところで、その日はお開きとなった。




この日は真人が就寝すると、夢に巴ちゃんが姿を見せた。特に何かする訳でもなく話をする程度だったが、以前よりスキンシップが過剰になったような気がする。どうやら真人の事はずっと見ていたようで、エナーシャからのアプローチに嫉妬してくれていたらしい。

とはいえ、巴ちゃんは見た目幼女な神様だ。真人は無意識の内に可愛い妹と思っているし、嫉妬と言われても『可愛いやつだなー』としか思っていなかった。これが後に大きな勘違いだと身を持って知る事になるが、それはまだ先の話。


「もう時間か~。お話だけでも楽しいけど、やっぱり一緒に居たいな~」


「対人恐怖症を直さないと難しいだろうね。見込みはあるの?」


「真人さんと一緒に居れば頑張れるかも?」


「なかなか前途多難だねえ。」


巴ちゃんが夢に居られる時間も終わり、真人は再び意識を落とした。




翌日、真人が朝食を済ませた頃に全員が宿に揃った。この日は旅の準備の為に、全員1日予定を開けてある。準備だけではなく、お世話になった人達に挨拶して回る時間も考慮しての事だ。各店舗はまだ開店準備に追われている為、まずは宿の隣・・・もっとも近い冒険者ギルドへ挨拶に行く事にした。


「マコトさん、おはようございます」


「おはようございます。」


昨日堕胎手術の技術提供をした、女性のギルド職員たちだった。彼女たち10人のうち、この村に残る1人を除いて各支部に戻るそうだ。魔法査定の為に訪れた職員と話し合い、王都から技術指導を受けにきた2人の女性と同道する事にして馬車を1台空けてくれたそうだ。


「私たちはこれから王都に帰る事にします。馬車はこちらのギルドに置いて参りますので、ご遠慮なくお使いください。王都のギルドには話を通しておきますので、馬車はギルドへお届けくだされば結構です。」


「ありがとうございます。助かります。」


軽く挨拶を済ませたところで、受付に居たエアリスから声が掛かった。エアリスとの挨拶は今朝食事前に済ませてある。呼び掛けられたのは、支部長の所へ寄るようにという伝言だった。

何か用があるのかと思いきや、悪い輩に気を付けろだとか、体に気を付けろだとか、まったくギルドに無関係なご高説を頂いた。そんなに頼りなくみえるのかと言ってみれば、全員この村に住む孫娘のようなものだから心配してしまうんだとか。この時ばかりは、僕だけでなくグランも微妙な顔をしていた。


その後、昼食を挟んで雑貨屋、服屋、防具屋、武器屋と周り、2人用の天幕(テント)2つと大き目の帆布4枚、食糧を5日分を仕入れた。

旅に持ち歩く携帯食料は、一般的に堅パン2枚とハードチーズ、干し肉が1枚で1食分だ。これらは雑貨屋で1食分ずつセット販売している。1か月以上長持ちする上嵩張(かさば)らない為、旅で持ち歩くには都合が良いそうだ。

最後に、エレンのお宅と西門にいるヨーク、エルドア(村長)に挨拶をして全ての準備が整った。


準備を終えた一行は、翌朝ギルドに集合する事にして解散した。その日の夕食は、初めて宿に泊まった時よりも豪勢だった。食事時にはエアリスとエナーシャ以外に、ケイトとヨーク、エルドアとエレンの一家も集まって別れを惜しんでくれた。


(たま)にはフォーラに帰っておいで。いつでも歓迎するからね。」


エルドアが嬉しいことを言ってくれた。『フォーラ』って何だ?と思ったが、恐らくこの村の名前だろう。村の中にいる限り、日常生活で村の名前を口に出す事など殆どない。ギルドといえばこの村にあるギルドの事だし、村長といえばこの村の村長以外にありえないからだ。

また、ここを訪れる者は目的地の名前を知らないはずない。真人のように迷い込むケースでない限り、村の名前等知っていて当たり前なのだ。


(村を出る前日まで村の名前を聞いてなかったとかマヌケ過ぎる・・・。)


自嘲気味な笑みを隠し、エルドアに返事を返す。食事を終えて一頻(ひとしき)り挨拶をして早めに休む事にした。明日からは慣れない旅をしなければならない。

真人は旅行好きではあるが、安全の保障されない土地で野宿しながら移動するというのは初めての事だ。現役の冒険者が居るとはいえ、警戒を任せきりにする事もできないだろう。


部屋に持ち込んだ荷物を一通りチェックし、天幕と帆布をインベントリに放り込んでからベッドに横になった。




翌朝、示し合わせた通り4人はギルドで合流し、馬車を借り受けた。誰も確認してなかったが、真人以外の3人は馬車を扱えるそうだ。


馬車は2頭立てのタイプで、荷車の四隅には木製の支柱が立っている。支柱同士は低い位置で斜めに支える筋交(すじかい)が入っており、上端を(はり)で固定してあった。梁の上には雨を凌ぐ帆布を被せてあり、前後左右に下ろされた帆布の幕はロープで固定する事も出来るようになっている。想像したよりもずっと上等な作りだ。


(これなら1組は車内で寝泊まりできるな。)


荷車には馬の食事を賄う為の飼葉と水樽、水桶が既に積んであった。そこに昨日購入した天幕を1つと、各自の荷物を積み込んで出発した。王都へは、村の東門を出てまっすぐ進み、街道に出たら道なりに北へ進むらしい。早朝にも(かかわ)らず、見知った顔が何人も見送りに来てくれていた。




フォーラ村を出発した一行は、馬車で東を目指して1時間程で街道に出た。予定ではそのままもう少し先に進むはずだったが、真人(まこと)の一言で休息となった。


「すまない、こんなに痛いものだとは思わなかった・・・っ。」


街道に出るまでの1時間で臀部(でんぶ)が限界に達した真人は、患部を抑えて一人涙を(こら)えていた。土を踏み固めただけの道は意外な程無数に(わだち)が刻まれており、車輪がそれを踏み外す度に強烈な衝撃が響くのだ。

御者台(ぎょしゃだい)のエナーシャとグランは慣れたように澄ました顔をしており、テアは紐で(くく)られた飼葉の上に腰を下ろしていたので問題なかったようだ。

剣術の稽古(けいこ)で多少の痛みには慣れている心算(つもり)だったが、思えば尻に打ち込まれた事など1度もない。臀部は痛みに慣れている訳がなかった。


「慣れるまでは辛いよね。私もまだ慣れてる方じゃないし。」


この痛みには慣れる必要があるかもしれないが、このままでは馬の休息よりも頻繁(ひんぱん)に休憩しなくてはならない。いっそ自分だけ【ウィンドウォーク】をかけて馬車と並んで走ろうかと思ったが、第3者に見られた時の事を考えるとそれはマズイような気がした。

そこで真人はインベントリから2枚の帆布を取り出し、飼葉の紐を解いて帆布で包んだ。即席のクッションだ。余った飼葉は元の紐で括り直し、片方のクッションをテアに渡した。


そこからの行程は順調で、3回目の昼食を兼ねた休憩を取る頃には(おおむ)ね痛みは引いていた。腫れた為か、歩くと多少違和感があったが・・・。



「飯にするぞー」


水を満たした水桶と飼葉を持ち、馬に与えていたところにグランからお呼びが掛かった。昼食の用意ができたようだ。

メニューは堅パン2枚とハードチーズが1つ、干し肉が1枚である。準備と言っても1食分ずつに分けられた食糧袋を人数分取り出しただけだ。堅パンはどうやって食べるのかと思っていたら、グランは口を大きく開けて奥歯で噛み砕いていた。エナーシャは束頭で一口大に砕き、ナイフで削ったチーズと一緒に口に放り込んでいる。カティアは自前の木碗に水を張り、堅パンを水で戻しながら干し肉をかじっていた。

堅パン一つでここまで食べ方に差があると思っておらず、誰に(なら)って食べるか迷ってしまった。


「テア、水で戻すと味が落ちたりしない?」


「うーん、落ちるほど味は無いじゃない。少し匂いが強くなるから、苦手な人は居るよね・・・。マコトは堅パン食べるの初めて?」


「うん、硬そうだからそのままかじりついて良いものか迷っちゃってね。」


「そういう事かぁ。」


「マコト殿。私のように小さく砕いて、ナイフで削ったチーズと共に食べるのが最も一般的だと思うぞ。それに次いでテアのように水かお茶に浸して柔らかくする方法だ。グランのようにかじりつくのは問題外だな、真似すると歯の方が折れてしまうぞ。」


「何言ってんだエナーシャさん。こいつは男らしく丸かじりするもんだろ?」


「私に同意を求めるな!」


商人や貴族を護衛している場合はともかく、冒険者だけで旅する場合は昼も夜も携帯食料だけでやり過ごすのが一般的だそうだ。

焚き火を囲んで焼いた肉やスープに舌鼓(したづつみ)を打つ・・・そういった事もあるにはあるが、移動中に運良く獲物を見つける事ができた時だけのようだ。現実は堅パン入りの麻袋を剣やナイフで無言で叩く食事風景が普通だそうだ。


(なんてシュールな・・・)


いっそグランに倣って噛り付いた方がマシとも思ったが、10cm四方のパンは手で折ろうとしてもなかなか折れる気配がない。全力で挑めば可能だが、食事を終える頃には疲れ果てているか、下手をすると怪我をしている可能性すらある。

仕方なく諦めて、エナーシャに倣って新調したミスリル製のファルシオンで砕く事にした。高価な武器の扱いが残念過ぎる。


あっち(元の世界)のレーションも、真空パックやフリーズドライ加工がない時代は堅パンが主流だっただろうし、行軍中は似たような感じだったのかもしれない。


「それにしても、これだけ硬かったら防具にでも出来そうじゃないか?」


「ああ、実際にやろうとした人が居たらしい。素材は安価で手に入るし、加工も容易だからな。ただ、水に濡れると使い物にならないし、直ぐに腐るようになるらしい。他にも食べ物を粗末にするなといった声に負けて諦めたそうだ。」


「そんなの腐る前に食っちまえば良いだろうによ。」


「グランはゴブリンの返り血を浴びた堅パンに噛り付く気があるか?拠点に持ち帰る頃には血で程よく(ほぐ)れてると思うが。」


「ぐあ・・・。ひでぇ想像しちまったぞ。」


グランでも血の染み込んだパンは無理らしい。


だが、グランを(いじ)るつもりで発言した真人の言葉は、意外な事にカティアが最も被害を受けていた。

丁度水に浸したパンを口に運ぼうとしていたところで想像してしまったらしい。無言でパンを木碗に戻して、もう食べようとする気配が無い。


「あ・・・テア、ごめん。」


お詫びにインベントリからカップ麺とフォークを1組取り出し、熱湯を注いでカティアに渡した。

カティアはカップ麺を気に入っていたようで、礼を言って受け取ると嬉々として食べていた。麺の啜り方は完全にマスターしているようだ。

それを見ていたエナーシャとグランが何か言いたそうにしていたが、夜は全員分用意する約束をして我慢してもらった。



昼食を終えた一行は黄昏時(たそがれどき)まで移動を続け、野営の準備に取り掛かった。と言っても大してやる事は無い。

グランとエナーシャは小石を取り除いた上に1組天幕を張る。カティアは荷車に輪留めを噛ませ、丁度良い木に馬を繋いで飼葉と水を与える。真人は薪を集めて火を焚く。これで終わりだ。

料理の必要があるともっと早い時間から準備が必要になるが、今回はその必要も無い為 準備時間は短く手間も少ない。


全員が準備できたところで火を囲んで座り、携帯食料を取り出した。これに続いて真人がカップ麺を取り出し、熱湯を注いで配る。

カティアに教えたように一通り説明し、エナーシャにはカティアが、グランには真人が食べ方を教えながら食べた。食べる途中マコトの提案で全員が堅パンをカップの中に投入し、ラーメンのスープでパンを解して食べる事にした。


「ところでマコト。ギルドカード見せあわないか?」


「そうだな。私はマコト殿には見せたが、まだ見せてもらってはいなかったな。」


グランとエナーシャにはまだギルドカードを見せていない。ギルドカードを見せる事で真人の秘密が露見(ろけん)してしまう事が原因だったが、2人の為人(ひととなり)も信頼に足る事は理解できている。開示してしまっても良いだろう。

そこで改めてメンバー全員がギルドカードを開示する事になった。



 ───────────────────────────────

 氏名:神楽(かぐら)真人(まこと)

 

 種族:銀狐

 性別:男

 年齢:17

 

 ギルドランク:D

 

 HP:12015 / 2192 (+10000)

 MP:121648 / 71648 (+50000)

 ST:7316 / 2835 (+5000)

 

 状態:正常

 

 STR:196 (+500)

 VIT:169 (+2000)

 DEX:375 (+1000)

 INT:775

 MND:164

 AGI:443 (+500)

 CHR:830 (+1000)

 LUK:12

 

 金 貨:8000

 銀 貨:0

 銅 貨:0

 半銅貨:0

 

 ▼習得技能

 【新明無限流免許皆伝】【魔法医術】

 【属性魔法:Lv.2】

 

 ▼固有技能

 【九尾】【衰退停止】【固有魔法:教与】

 【インベントリ】【魔法開発】【夢見】

 

 ▼適正属性

 火,水,風,土,光,闇,無

 

 ▼備考

 【大神:天照の加護】

 【神獣:銀狐の加護】

 

 ───────────────────────────────

 氏名:カティア

 

 種族:エルフ

 性別:女

 年齢:16

 

 ギルドランク:D

 

 HP:351 / 351

 MP:411 / 418

 ST:326 / 398

 

 状態:正常

 

 STR:41

 VIT:38

 DEX:54

 INT:69

 MND:49

 AGI:51

 CHR:75

 LUK:23

 

 金 貨:22

 銀 貨:0

 銅 貨:0

 半銅貨:0

 

 ▼習得技能

 【魔法医術見習い】【調合:初級】【属性魔法:Lv.5】

 

 ▼固有技能

 

 ▼適正属性

 水,風

 

 ▼備考

 

 ───────────────────────────────

 氏名:エナーシャ

 

 種族:白猫

 性別:女

 年齢:21

 

 ギルドランク:C

 

 HP:540 / 540

 MP:230 / 230

 ST:414 / 436

 

 状態:正常

 

 STR:58

 VIT:51

 DEX:63

 INT:23

 MND:27

 AGI:69

 CHR:54

 LUK:26

 

 金 貨:20

 銀 貨:0

 銅 貨:0

 半銅貨:0

 

 ▼習得技能

 【魔法医術見習い】【属性魔法:Lv.4】

 

 ▼固有技能

 【獣化】

 

 ▼適正属性

 風,闇

 

 ▼備考

 

 ───────────────────────────────

 氏名:グラン

 

 種族:狼

 性別:男

 年齢:17

 

 ギルドランク:C

 

 HP:581 / 581

 MP:198 / 198

 ST:695 / 717

 

 状態:正常

 

 STR:71

 VIT:64

 DEX:56

 INT:19

 MND:33

 AGI:72

 CHR:46

 LUK:20

 

 金 貨:4

 銀 貨:5

 銅 貨:0

 半銅貨:0

 

 ▼習得技能

 【属性魔法:Lv.1】

 

 ▼固有技能

 【獣化】【荒れ狂う魂(ハウリングソウル)

 

 ▼適正属性

 風,土

 

 ▼備考

 

 ───────────────────────────────



予想通りグランとエナーシャが騒ぎ出したので、それを収めてから真人がフォーラ村に来た経緯を話した。


神様の(くだり)・・・つまりほぼ最初からだが、2人は難しい顔をしていた。話を信用していいのか迷っていたようだが、ギルドカードにある2つの加護を改めて見せて納得してもらった。



「異界の神と神獣銀狐様に(いざな)われて、異世界からわざわざ連れてこられたとは・・・。」


「そう言うのやめてくれない? 何か大事件が起きそうで怖いんだけど・・・。」


「起きないのか?」


「起きないはずだよ。偶々(たまたま)巴ちゃんが加護をくれて、それが原因でこっちに移住しただけだからね。これ以上何かあってもらっても困る。」


頼むよ巴ちゃん。その辺あえて聞いてないけど、無いはずだよね?・・・


「それにしてもマコト。凄まじい体力(HP)にも驚いたが、尻のダメージがでか過ぎだぞ。常人なら半死半生(はんしはんしょう)レベルだ。」


「「「ぷっ」」」


「うっさいよ!」


グランが茶化したおかげで空気が和んでいた。真人は罵倒で返したが、内心は感謝していた。以前にも感じたが、元の世界で親友だった高木(たかぎ)(とおる)と似ている所がある。このやり取りをしているだけで、どこか懐かしい気持になってくるのだ。


全員が食事を終えて一息ついたあと、夜間の見張りを決めて休む事にした。初日は男性陣で、翌日は女性陣。2人1組で交代しながら見張りをする事にした。寝床は女性陣ば荷車で、男性陣が天幕だ。荷車は帆布を下ろし、荷台に飼葉を敷き詰めた上に帆布を敷く。その上に横になり、もう一枚帆布とマントを被って寝てもらった。


真人は馬車の中でカティアに教えてもらった【警鐘(ワーニンベル)】(約20m以内に生物が近付くと、術者に警告を告げる風魔法)を唱えておき、見張りに立つ時は【反響定位(エコーロケーション)】(コウモリ等の感受法を音波ではなく魔法で再現したもの。暗闇の中でも、大凡(おおよそ)の方向に何があるのか探る事ができる。)を定期的に使って警戒した。


結局王都までの道中は何かに襲われるような事はなく、3日目の昼過ぎには王都に到着した。


次回はいよいよ王都に到着です。意外なお風呂事情が明らかに・・・。


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2012/09/19 誤字修正:「弧」「孤」⇒「狐」

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