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銀鈴の異邦人  作者: 月兎
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第13話

今回は文章の練りが甘いかもしれません……


 夢で悪魔に宣戦布告された翌朝、べっとりと張り付く不快な寝汗を拭いて、身支度をした頃には夢の内容は綺麗さっぱり忘れていた。


 その日以降、Fクラスでの受講スケジュールは以下のようになった。


・1限目:生活魔法の習得

・2限目:属性魔法の習得

・3限目:基礎体力作り

・4限目:武器全般の基本的な使い方の習得


 真人は1限目に参加する意味がない為、一人図書館で過ごす事にした。調べる内容は決まっている。おそらくこの学院のみならず、習得に他人を当てに出来ない魔法…… 無属性魔法についてだ。


 蔵書は数多くあるが、一般公開された魔導書の棚には、無属性について書いた文献が無い。あっさり見つかる訳もないと思っていたので、ひとまず過去にどんな無属性魔法があったのかまとめる事にした。膨大な時間が掛かる事も覚悟していたが、既に先人の手により成されていた。


(古代魔法の研究レポート?)


 蔵書の一角に製本もされていない紙束が置かれており、その中の一つに目が留まった。そのレポートの概要は神代から受け継がれてきた各地の伝承を元に、今は使い手が居なくなった魔法について書かれているようだ。信憑性については御伽噺と変わらないが、御伽噺を延々と読み漁る手間が省けた。


 レポートには世界の時間を止めると言った眉唾なものも含まれているが、無属性魔法を分類すると次のようになる。


・精神制御

・空間制御

・時間制御


 精神制御というのは、幻術や擬装といった認識操作系の魔法として御伽噺に紹介されている物が多いようだ。他には天照(アマテラス)さんが使っていた思考を読む術もそれに当たる。という事は逆に思考を送ったり共有する術もあったのかも知れない。あと文献には登場しないが、【教与】も精神制御に該当するのだろうか。精神じゃなくて記憶野に直接作用するようだが。


 空間制御に関しては、真人が持っている【インベントリ】がそれに当たるのだろう。これを元に魔法は開発できそうだ。原理は解らないが、イメージは出来るだろう。


 時間制御は何をどうイメージすればいいのか見当もつかない。もしかしたら、固有技能にある【衰退停止】はこれに当たるのだろうか。その結果細胞の活動はどうなっているのだろう。代謝はしているが、細胞分裂の限界はどうなったのか、分裂しない脳細胞の寿命はどうなるのか、テロメアは…… 等々、どこかでファンタジー的な辻褄合わせがされているのだと思うが、疑問しか残らない。


 いずれにしても、まずはこのレポートを参考にしながら少しずつ魔法を再現する研究をした方が良さそうだ。真人は1時限目の残りの時間を使って、可能な範囲で書き留める事に専念した。




 それから数日後…… 入学後初めての休日だ。この日から結衣をパーティーに加え、1年後に備えて資金稼ぎをする事にしている。報酬の良い依頼を選べば当然討伐系のものに限られてくるが、初心者の結衣がいるので、最初は安全な依頼を選ぶことにした。とはいえ、結衣も既に冒険者としてやっていけるだけの魔法を身に着けている。



 まだ数日間しか受講していないが、皆既にそれぞれ得るものがあった。


 グランは攻撃よりも守りの方が得意だったようで、盾を持って戦う方が安定していた。これは本人も気付いていなかった……というよりも、盾を持って戦う事を考えた事も無かったそうだ。グランの適正の風属性,土属性共に相性が良く、本格的に戦闘スタイルを変更するか検討しているようだ。


 エナーシャは、斥候部隊員だった頃に培った、体術を活かした格闘スタイルに目覚めたらしい。風属性魔法と【獣化】との相性が良く、状況によっては剣を使うよりも上手く立ち回る程だ。ただ、現状では決め手に欠ける状態で、それを今は攻撃魔法で補っている。長期戦に向かない戦闘スタイルを今後どう改善していくかが検討課題だ。

 装備は既に鉄板仕込みのオープンフィンガーグローブと、アイアンチェインで補強したレザーグリーヴを取り揃えており、本人も公言しているが格闘スタイルに転向している。武器としてナックルダスターは要らないのかと聞いてみたが、咄嗟に投擲武器を使いたい時に邪魔になるのだそうだ。


 カティアは火力の高い攻撃魔法が安定して使えるようになっていたので、弓を持つ必要性がなくなっていた。今後は剣術に絞る事にしたそうだが、難易度の高い弓の技能を捨てる事を躊躇(ためら)っているようだ。


 最も成長が顕著(けんちょ)だったのは結衣だ。【ファイアアロー】を始め、各属性の基本攻撃呪文を概ね習得していた。真人もつい調子に乗って【ファイアランス】と新しく開発した土魔法の【サンダーホイール】を教えたが、【教与】もしていないのに翌日には2つとも使いこなす成長っぷりには流石に驚いた。

 サンダーと言っても THUNDER ではなく、SUNDER の方だ。石材やコンクリートを切断する機材を参考に開発した魔法で、一時的に圧縮・硬質化した砂を環状に纏め、高速回転させながら前方へ放つ魔法だ。回転方向はコントロールできるが、空気を巻き上げるように縦回転させてやや上から当てる事で最も威力を発揮する。この使い方をすると必然的に射程が短くなる。【ファイアランス】に比べて初速が早い為、距離によって使い分けるのが良いだろう。

 ただ生産の方は未だ座学ばかりで技術の習得に至っていない。本人は調理を取るか悩んでいるそうだが……


 真人も成長しなかった訳ではない。【サンダーホイール】の開発も成果の1つだが、無属性魔法の研究が実を結んでいた。新たに習得した魔法は【念話(テレパシー)】。カティアの協力で念話の成立を確認したのだが、念話を使っている間は双方向の会話が可能な物だった。

 真人から念話しなければ会話できないのも不便と思い、試しにカティアに念話を【教与】したところ、これがなんと上手くいった。ギルドカードを確認してもらうと、固有技能の欄に【固有魔法:念話】となっていた。カティアに無属性魔法の適正はないが、教与すれば固有魔法として使えるようだ。

 適正外の魔法の教与は無属性以外でも可能なのか、適正外の属性がどの程度扱えるのか等は今後も検証していかなければならない。ともかく、【念話】は便利な魔法なので、グランとエナーシャ、結衣にも教与しておいた。




「おまたせ致しました」


 真人,カティア,エナーシャ,グラン,結衣の5人は冒険者ギルドに来ていた。時間が掛かる処理をお願いしていたので、カウンターの奥にある待合室で待たせてもらっていた。


「これで結衣さんはEランクに昇格致しました。また、マコト様のパーティーへ正式に所属致しました」


 結衣の呼び方は『さん』付けらしい。元々見知った職員だったからだろうか。それはともかく、これで準備は整った。あとは依頼を見繕ってクエストを受注しようか。


「ところでマコト様、パーティーに名前を付けなくてよろしいのですか?」


 パーティー名か……。有名な冒険者はいずれもパーティーの名前と共に名声が広がるものだ。真人もフォーラで何度か耳にした事はある。だが、幼少時代の傷を掘り起こすようなハズカシイ響きの名前が多く、その気になれなかったのだ。


「マコト! 強そうな名前つけようぜ!」


 グランが早速乗ってきたが……、こいつに任せるのはダメな気がする。直感がそう告げている。


「名前を付ける必要性を感じないけどなぁ」


「グランの言う事はともかく、パーティーに名前は付けた方が良いと思うわ。貴方は個人としての名前が売れ過ぎてるから、他のパーティーからの勧誘がたくさん来ると思うの。パーティーに名を付けて、そこに所属してる話が広まれば、それも少なくなると思うし……付けるべきだと思うわ」


 なるほど、確かにそうかもしれない。まだ勧誘された事は無いが、有名になってからギルドにあまり立ち寄ってないからかもしれない。


「そうだな。それにマコト殿、【念話】でエアリスから聞いたんだが、例の変態冒険者が王都に向かってるそうだ。目的までは知らないが、面倒な事を避ける用意は必要だと思うぞ?」


 フォーラ村に残してきた妹のエアリスさんか。【念話】はフォーラまで届いたんだな。っとそんな事より…… 聞き捨てならない台詞があったような? 変態冒険者ってあの?……


 サーッ と血の気が引く音が聞こえた。


 さすがにまだ会いたくもないし、勧誘されるなんて考えたくもないな。いくら真人の方が強いと言っても、あれは生理的に受け付けない。



「大丈夫よマコト。また私達が守ってあげるよっ」


 動揺も隠せていなかったか。表情から悟られたのか、カティアにも心配をかけてしまっている。エナーシャもカティアの隣で何やら気合を入れている。

 少し弱気になっているな。ここは素直に頼る事にしようか。



「2人ともありがとう」


「「「「……」」」」



 何この空気? カティアとエナーシャ、受付のお姉さんとグランまで頬を染めている。


「お、オメーは迷子の子犬か!」


「マコト殿、今のは破壊力が大きすぎる……」


「その顔は他人に見せて欲しくないわ……」


 またやってしまったか。顔に不安は残してなかったはずだが、耳と尻尾が勝手に心理を表現してしまったようだ。獣人というのは不便なものだな。


「真人さん、ぐっじょぶ」


 結衣は空を仰ぎ、鼻を押さえて……サムズアップ? 出会った当初の悲壮感が無くなったのは結構だが、変な方に性格が変わり過ぎだ。もしかして、これが素だったのだろうか。そこはハングルースで『アロハ~』って言っておいてくれると助かるんだが……。

 ともかく、ここは多少強引にでも話題を元に戻そう。


「えーっと、パーティーの名前だったな。何にしようか」


「おう、そうだった。長年温めた良いのがあるぜ。爆れ「「却下!」」 せめて最後まで聞いてくれよ!」


 長年温めたって、中二宣言してどうするか。


「マコト、『銀の輝きシルバー・トゥインクル』って名前でどう? 真人の【九尾】を見て思い付いたんだけど、真人を中心に集まった私達にはぴったりの名前だと思うのよね」


「なるほど、それはいいな」


「良いと思いばふ」


 エナーシャと結衣も気に入ったようだ。

 結衣、本当に鼻血がでたのか? 年頃の女の子としてもどうかと思うし、魔法で回復しようか。


「じゃあ『銀の輝き』にするか」


「爆れ「「諦めろ」」……ぉぅ」


「では『銀の輝き』で登録させて頂きますね。それと支部長からの伝言で、土属性の魔法を売って欲しいとの事です」


 学院で人目を避けて開発したと言うのに、もう支部長の耳に入っていたのか。あるいは、アルベルトから根回しでもあったのか。


「解りました。前向きに検討しますとお伝えください」


「承知致しました。では失礼致します」



 念の為結衣に【ヒール】を掛けた後、待合室を出て依頼が張り出された掲示板を見に行くことにした。オーガ関連の依頼が綺麗に片付いているのは、討伐が容易になったからだろう。硬くはあるが足が遅い為、【ファイアランス】が流通した今となっては狩り易くなっている。

 条件さえ合えば率先して請ける冒険者が増えたのだろう。その証に、他のBランクの魔物の討伐依頼は、従来通り残される傾向にある。


 『銀の輝き』もエナーシャとグランがCランクなので、パーティーとしてBランクまでの依頼は請ける事ができる。報酬を5等分する事を考えるとそのくらいの稼ぎは必要になるが、結衣の初陣は無理をするべきではない。出来ればゆとりを持って対応できる依頼を選びたい。


「マコト様、少しよろしいでしょうか」


 先ほどの受付のお姉さんだ。支部長の執務室の方から出てきたので、伝言を伝えてくれたのか。


「支部長より1件受けて頂きたい依頼があるそうです」


「どんな依頼でしょうか」


「マコト様はガンコナーという魔物をご存知でしょうか」


 聞いた事も無いな。カティアとグランも聞いた事が無いようだが、エナーシャは知っているようだ。


「常に単独で行動する魔物で、女性に誘惑の魔法をかけて生気を吸うらしい。直接的な危害は加えてこないのだが、ガンコナーの誘惑に耐えられる女性はなかなか居らず、男性の前には姿を現さないので討伐が難しいらしい。確かその討伐難易度のせいでBランクに位置付けられた魔物だったはずだ」


「はい、仰る通りです。何名か冒険者が依頼を請けられたのですが、いずれも成功しておりません。なんとか王都に帰還した方も、今なお生気を吸い続けられている状態です」


(一度接触すれば離れた相手でも生気を吸えるというのか。厄介な相手だな。

 しかし、女性にしか近付かない魔物を僕に相手にしろというのは嫌がらせか? 執務室に乗り込んでどつき回して欲しいのかね)


「街道沿いに出没しては女性の生気を吸っているようで、既に流通に支障が出始めております。なんとか討伐をお願いできないでしょうか」


「マコト殿、この依頼は請けたい。多分私もテアも誘惑にかからないだろうし、直接攻撃をしてこない上に人族並みの身体能力しか持たない相手だ。」


「ふーん、『誘惑にかからない』ねぇ……まあいいか。つーかこの件はマコト名指しなんだろ? 支部長の意図はそっちじゃね?」


 グランに言われるまでもなくそうだろう。男の真人なら誘惑にかからないだろうし、ガンコナーの討伐にはうってつけの人材なのは、理解だけはしてやれる。


「その恰好じゃ女には見えねーよな。体格の近い…… エナーシャと制服を交換したらどうだ?」


 今マコトは男性用の制服を着ている。囮になるなら女装して街道に出ろと言っているのだろう。だがしかし……


「ちょっと待て! 僕にそのミニスカートを履けと言ってるのか?」


「おうよ。似合うと思うぜ!」


「名案です! イケると思います、真人さん!」


 グランと結衣が揃ってサムズアップ。本当に要らんところで気が合うな、この2人は!


「そこらの服よりも頑丈な作りだから、制服を交換するのは賛成だが…… 私の服じゃ嫌か?」


「そういう問題じゃなくて……」


「マコト、依頼を達成する為には何でもやるのが冒険者よ。それに、人の命も掛かっているの。今も生気を吸われ続けている人がいるのよ」


「っ!…… 分かったよ。今回だけだからな!」



 依頼を請け、待合室を借りてエナーシャと2人で入る。衝立を挟んで服を脱ぎ、互いに服を交換して着替える事にした。ブラジャーまでは要らないと言ったんだが、『女性の象徴だから、つけた方が効果的だろう』という事で、エナーシャに無理やりブラジャーを付けられた。フォーラで買っていた布を詰めるサービス付きで。

 エナーシャの方も真人の制服を着こなしていた。ただ、ネクタイは外し、シャツのボタンは下から3つまでしかとまっていない。収まりきらなかったようだ。




 ── 待合室に入って10分後。


 着替えを済ませたエナーシャが、真人を先導するように部屋から出た。



「「完璧(よ♪)(だぜ!)」」


 笑顔でハイタッチするカティアとグランが恨めしい。こいつら完璧に遊んでやがるな!


「真人さん」


 そこには胸の前で拳を作り、真剣な面持ちをした結衣がいた。一人だけでも異を唱えてくれるのかと、淡い期待をしてみたが……


「萌えます♪ ファンクラブ作っていいですか?」


 この娘は一番ダメな子だった。




 ── 逢魔が時(おうまがとき)、王都東の街道。



 『銀の輝き』は真人だけが200m程先行する形でゆっくり歩を進めていた。後方から続く面々は、目立たないようにロープを着込み、身を隠しながら先行する真人を追う形だ。


 王都から1km程離れた林に差し掛かったところで、目の前に1人の老人が現れた。


 老人が手に持つパイプを銜えた途端に姿が歪み、瞬きをする間に美青年の姿に変わってしまう。こいつが対象のガンコナーだろう。どのようにして男から姿隠すのか解らないが、物理的な攻撃手段を持たないのであれば、接近してから仕留めるべきだろう。


 ガンコナーが加えたパイプを真人の方に掲げた時、その目が赤く輝いた。邪眼の一種のようで、対象に軽い性的興奮と神経麻痺を与えるもののようだ。


「うっ…… あ?」


 不覚にもあっさり術に掛かってしまった。その隙にガンコナーは真人に詰め寄り、右腕で腰を抱いて左手で顎を持ち上げた。持ち上げられた真人の眼前には、至近距離に丹精なガンコナーの顔がある。


(まずい……、やばいまずいやばい!)


「お嬢様、今宵は良い風が吹きます。風も我らを祝福して…… もういいや、頂きまー…… ぐぇっ!」


 キスされる寸前に術を脱した真人は、ガンコナーの首を掴んで持ち上げた。


「あぶっ、あぶな、危なかったっ! 台詞くらい最後まで言えよ! もう少しで不幸になるところだったよ!」


「なに!? 我の術を解いたのか!」


 意思疎通のできる相手を手に掛けるのは多少気が引けるが、即座に仕留めるべきか。素早く腕を取って背後に周り、両手を極めた状態でうつ伏せに叩きつけた。

 仲間が邪眼に囚われていないか確認する為背後を振り返ると……


「結衣ちゃんは何してるの?……」


 すっごい近くで鑑賞してた!


「この後は濡れ場が控えてるのかなーって期待なんかしたりして?」


「いくら安全な討伐だからって気を抜き過ぎだよ。君がこいつの術に掛かってたらどうするんだ。

 ……とりあえず、後でお仕置きだな」


 気を抜いたのは自分も同じなので、あまり強くは言えなかった。とはいえ、なんで前線まで出てきたんだ。カティアとエナーシャは止めなかったのか? と思ってみれば、2人とも頬を染めて座り込んだままもじもじしている。もしかしたら術に掛かっているのかもしれない。


「とりあえずこいつ仕留めるから下がっててくれ。それとも結衣ちゃんがやってみる?」


(ふるふるふる)


 全力で否定してカティア達の所まで下がって行った。


(少し意地悪だったか。だがいつかは通る道だから、どこかで慣れてもらう必要があるな。僕も疎通のできる相手を手に掛けるのは初めてだが……)


 真人は意を決し、頭部と胸部,腹部に【アイスブレット】を撃ち込んで絶命させると、特徴のある人差し指を切り取り、皮袋に詰め込んだ。これがガンコナーの証明部位だそうだ。



(それにしても結衣のお仕置きはどうしようか)


 女性にお仕置きは気が引ける。グランに任せると性的なお仕置きになりそうだし、カティアだと甘くなりそうだ。同時に危機管理を刷り込まなければならないから、やはりエナーシャに任せるのが妥当か。



 そんな事を思いながら仲間の元へ引き返そうとした時、背後から強烈な圧迫感が生まれた。慌てて身を翻した時、そこにあった赤黒い光の中から巨大な黒い影が姿を現した。それは分厚い筋肉に覆われた、黒い悪魔の姿をしていた。

 そこで漸く思い出す。夢で見た悪魔の姿を。目の前のそれと同じ姿をしていた事を。



『覚悟は良いか、神の使いよ』



 黒い悪魔は、腹の底に響く不快な声でそう告げた。


エナーシャさんの戦闘スタイル変更は私の趣味ですw


あと、パーティー名の『銀の輝き』を『シルバー・トゥインクル』と書かない事には理由があります。解る人には解ってしまうかもしれませんが、ツッコミやネタバレは無しでお願いしますw


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