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プロローグ

新しく考えた作品になります!

楽しめるかどうかはわかりませんが、是非見ていってください!

夢を見ていた。


何処か分からない所で火事が起きた。


俺は辛うじて逃げだすことに成功し、激しく燃えている建物の前からその光景を見ているだけだった。


周囲には野次馬たち……消防車や救急車のサイレンが響きわたる。


その時、燃えさかる炎の中に一人の少女の姿があった。


「ーーー?!」


俺は誰かの名を叫んだ、そしてそこで夢は終わりを迎える。




「……にーちゃん!……おにーちゃんってば!」


妹の声によって目を覚まさせられる


「……あー、わかってる、もう朝だろ?」

「そうだよー。今日で夏休み終わりでしょ?学校の準備しないと駄目だよー!」


そう、今日で楽しかった夏休みが終わりを迎える……と言ってもその代わりに始まるのが学校だ。


「暑いよね…夏だから当たり前だけど」


この猛暑の中学校に行くのは気が滅入る、しかし悲しいことに俺は学生だ……義務教育には逆らえない。


「よーし、支度できたぞー」

「ひょっふぉふぁっふぇー……っ!」


ちょっと待ってー、と言いたかったらしいが朝ご飯を口に含んでいたため上手く言えなかったようだ。


「おいおい…俺より早く起きていたのに食べてなかったんだ」


苦笑しながら妹が来るのを待つ。

玄関の鏡で衣服の乱れなどを直しながら髪の毛が少し伸びていることに気づいた、少し長い前髪が鬱陶しいが妹から『切ったらカッコ悪くなるから切っちゃ駄目ー!』


と言われた為、渋々切るのを諦めた。


「正直あんまりそういった実感がわかない…」


一人言のように呟いたところで妹がドタドタと玄関に走ってきた。


「急げおにーちゃん!遅刻するぞ!」

「はいはい、じゃ行くぞー」


扉を開くと眩しいほどに太陽の光が降り注いだ。

それはもう、今日一日が素晴らしい一日になるようなほどに……。


「ねーねー、翔にーちゃん!」

「んー?どうかしたか?」

「翔にーちゃんのクラスってどんな女の子がいるのー?」


妹の唐突すぎる質問に、俺、こと三上翔輝は何か冷たいものを背中に感じた。

理由は簡単だった、その質問をした妹の顔がいやにニコニコしていたからだ。


「…そんなこと訊いて、どうするつもりだ?」

「べつにー!ただ、ちょっと気になっただけー」


それだけ言うと妹はスキップしながら先へ行ってしまった。


「…なんもないのかよ…なら訊くなよ…」


先ほどの妹の顔を思い浮かべ、歩きながらぼやく。

学校は家からちょっとの距離にある私立高校だ、と言っても、家から近いという単純な理由で受験したのだが……。


「アクセスが良いことに越したことはないからな…と、急がないと遅刻だ」


少し歩く速度を速めながら歩いていると、目の前に俺が通う高校指定(勿論女子用)の制服を着た少女が現れた。


「~~~♪」


綺麗な朱色のロングヘアーを靡かせながら歌のようなものを口ずさんでいるようだった。


「……ーーー!?」


その後ろ姿を見た俺は今朝見た夢を思い出した。

あのとき叫んだ名を、俺は無意識に叫んでいた。


「……っ!?」


俺の声が聞こえたのだろう、少女はビクっと反応した。

そして、俺の方にゆっくり顔を向けてきた。


「……君…は……?」


無意識に、そんな問いを少女に投げかける。


それを聞いていた少女は首を傾げ、しばらく考え込むような素振りを見せ。


「…私はーーー…だよ……?」


なにを言った……?

今、俺の目の前にいる少女はなんと言ったんだ……?


「すまん…よく聞こえなかったんだが…もう一回言って」


言ってくれないか、と言おうとし、少女の方を見たが、既に少女の姿はそこにはなかった。

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