後日談
魔王の石像は銀の鎖を何重にも巻いてキーブカ荒野に封印した。
陰陽の陽を王都だとすると陰が完成してしまい、奇しくも陰陽太極図が完成することとなった。
街へ帰ると飲めや歌えやの騒ぎだった。
魔王が倒されたからかみんないつもより上機嫌だった。
冒険者ギルド長「お前ら結婚しちまえよ!!」
警備隊長「そうだそうだ!」
商工会議所長「逆になんで結婚しない?」
建築ギルド長「そうそう、意味がわからない」
「あのですね…!僕はですね…!あわあわ」
シスター「…(顔真っ赤にしてうつむく)」
おじさんたちの強引なノリで僕たちは結婚することになった。
「シスター…綺麗です…」
ウェディングドレス姿のシスターに僕は見とれた。
シスター「シスターはやめて、アリアって呼んで」
「アリアさん…」
結婚式でもみんな飲めや歌えやの大騒ぎだった。
司会「新郎挨拶」
「えー、僕はですね…」
おじさんたち「ギャハハハハ!」
セシル「うるさいんですの!お話してるでしょう!」
ドレスを着たセシルが激怒した。
「ごほん、みなさん、本当にありがとうございました、おかげで魔王も倒せました、こうして平和になったのはみなさんのおかげです、ありがとうございました」
冒険者ギルド長「いよっ!いいぞ!」
警備隊長「いよっ、越後屋!」
商工会議所長「え、玉屋じゃなかった?」
建築ギルド長「それは花火だろ」
クブロ・ヴェイ「お前らこんなときまで漫才しやがって…」
ヤブーシ「平和だねえ」
CEO「本当におめでとう」
ノウェル「よかったな」
キバ・ア「…おめでとう」
王様「これからもよろしくな」
各地のトップが来てくれて、僕は挨拶に回った。
さて、結婚式も終わったらまた忙しい日々が始まるのかな。
そんな気持ちでおじさんたちの馬鹿騒ぎをぼーっと見ていた。
国の特別顧問になった僕は相変わらず忙しかった。
街や学校の運営も街道のメンテナンスもあれもこれも全部僕のところへ案件はやってきた。
僕の仕事は降ってきた案件をいかに人をおだててやってもらうかだった。
「すみません…あなたたちを見込んでやってくれませんか?」
冒険者ギルド長「へっ、カエデさんも出世なさったな!俺たちに仕事お願いするなんてよ!」
警備隊長「水くさいだろ、なんでも言ってくれよ」
商工会議所長「前より儲かるようになったからな」
建築ギルド長「メンテナンスばかりでつまらんぞ」
「はい、人口も増えてきたところで高層住居の建築をですね…」
冒険者ギルド長「任せろよ!そこら辺のやつひっ捕まえてでも人集めてやる!」
警備隊長「警備は任せろ」
商工会議所長「税金もたらふく取ってな」
建築ギルド長「高層住居なんて腕が鳴るぜ」
お金になりそうな話はこの人たちに振れば大丈夫そうだ。
次に僕は教会に顔を出した。
教皇「カエデさん、ご無沙汰しております」
「教皇、アリアと共に祈りに来ました」
教皇「信心深くて何よりです」
僕はアリアと共に時折教会で祈りを捧げた。
シスターことアリアは校長業務が合っているようだった。
セシルは講師にまで出世して生徒たちに攻撃魔法を教えた。
アリア「あの子はシスターなのになんで攻撃魔法しか使えないんでしょう…」
「負けん気すごい強いですもんね…」
覚えられる魔法の系統というのは生まれながらの素質なのかもしれない。
クブロ・ヴェイさん、ヤブーシさん、CEOさん、ノウェルさん、キバ・アさんらの中には商工会議所長と対等にビジネスする人もいたが、傘下に入ることを選ぶ人もいた。
キバ・アさんらは職人肌なのでお金がどうのの話は向いてないようだった。
チャドさんは相変わらず寡黙に魔道具を作っていた。
見張りA「あ、カエデさん」
「こんにちは」
見張りB「なんでこんなところに…」
「たまには会いに来ないと寂しがると思いましてね…」
僕は時折キーブカ荒野に行って魔王の石像に会いに行った。
まあまた夢にでも現れてくれるだろう。
感慨にふけってから僕はキーブカ荒野を去った。
「アリアさん、高層住居が出来たら二人で住みましょう」
アリア「やだわ、もう夫婦なのにお互い敬語だなんて…」
「そうですかね…僕はこの方が…」
アリア「わかりましたわ、ではこのままで」
僕たちは今日も平和です。
fin




