表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

その日の帰り道に、私はその男と出会った。


男は、道の真ん中に立っていた。


暗闇の中に立っていた。


私の周りには、こうこうと夜道を照らす街灯の光があるというのに。


その男は1人暗闇の中に立っていた。


黒尽くめの、闇に溶け込むようなその姿の中で、ただ1つ。


闇の中でぼんやりと浮かび上がるような白い顔。


その端整な顔立ちの中、ひときわ目立つ真っ赤な瞳。


人間ではありえない、鮮やかな緋色の色彩。


篝火のように燃えさかる紅の輝き。


目を見ては駄目だ。


平和になれきった生存本能が、初めて切なる警告音を発した。


目を見ては駄目だ。


でも、それはもう遅かった。


私はその目を見てしまった。


飢えたその目を見てしまった。


私は自分が、その男の『餌』だということを理解してしまった。


ゆっくりと近づいてくる男の姿をぼんやりと眺めた。


ああ、なんて綺麗な人なのだろう。


その紅く輝く瞳に魅了されて、私の体はもう一歩も動くことができなかった。


喉の渇きを癒せる悦びに満ちた瞳。


私の体は、ゆっくりと男の方へと引き寄せられていった。



―ああ・・・本当に、なんて綺麗な生き物なのだろう―





御覧くださり、ありがとうございます。

こちらは、ゆっくり更新になります。

妖しさとか葛藤とか描けたらいいなぁと思いますので、よろしければお付き合いくださいませ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ