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大阪はすでに異世界  作者: タニコロ
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大阪人、巨大化する

誠とマンダイとポンの3人は美々の会社のビルに着いた。受付には女性が2人座っている。

「あのう、社長の弟なんですけど、姉をお願いします」

と、女性をジロジロ見ながら問いかける誠。

「アポイントメントはおとりでしょうか」

と女性。怪しいものを見る眼付きだ。

「アポイントメントなんて。美々と」

女性はどこかに電話を入れた。

警備員2人が走ってこちらにやって来る。

「お客さんすみません、あやしい方はお入れしてないんです。お帰りください」

「何ぃ。しゃあない、ケータイで呼ぼう」

誠はケータイをかける。ケータイの声は美々の声じゃなかった。

「お客様、そちらでズボンを脱いでお待ちください」

「あれ、これ、シャリアだろう」

「あ、バレちゃった。あははははは」

「すぐわかるわ。美々出せ」

美々が変わって出てきた。

「ちょっと、受付の直美ちゃんに変わって」

と誠がケータイを受付に渡すと受付の表情が一変。

「どうも、申し訳ありませんでした」

「いいよ。いいよ。この後、森山愛って女が来るけど、年齢チェックでアウトって言っといてくれる」

「はあぁ」

誠ら3人はエレベーターで30階まで行った。そこに社長室がある。

「いらっしゃいませー」

とシャリア。

「お前もう社長秘書やってるのか」

「えへへへへ。ここの2階のカフェのランチおいしいのよ」

「そっちかい」

美々がポンに向かって

「ケイ、いや三原さんと一緒に住んでるのね」

「はい」

「きれいな人ね。何やってるの」

「特に何もしてません」

「じゃあウチ来る? あ、三原さんの家に住んで大丈夫よ。ケイを見ててあげて」

「はい。桂子さん、すぐウソつきますし」

「あはははは。あの子はもう」

「で、私は何をしたらいいんですか」

「社長秘書その2とあとモデル」

と美々がパンフレットを指さす。

「ちょちょっとモデルって。大丈夫なん」

と誠はあせった表情で話した。

「大丈夫よ。美人なんだし。身長高いし。誠よりも高いもんね」

と笑いながら話す美々。美々がしゃべり終わった後、いきなり地響きがビルに響く。

ドスン,ドシン。

「何これ。地震?」

美々が静かに焦りだす。

「あ、わーっつ、巨人だ」

と、ガラスの壁を指さすシャリア。

「わ、本当だ。あれ、よく見たら、大迫やん。なんで、どうなったん。素っ裸やし」

と誠が壁に張り付いて言った。その後、愛が普通に部屋に入ってくる。

「おつかれー、どうしたん。えっ、あれぇ。巨人、えっ、大迫やん」

「魔力を暴走させたみたいね。たまに巨大化する人がいるの」

と外を見つめるシャリア。

「わ、大阪府警を壊した。良かった。こっち来てて。あそこにおったら踏みつぶされてるわ」

と愛。

「どれくらい大きいんやろう。100メートルくらい」

と誠はシャリアに訪ねる。

「そうね。それくらいね。30分くらいでもとに戻るわ。あっ、食べた」

大きくなった大迫は逃げる人をつかんで口の中へ入れていった。

「今、食べられたの、偉いさんの集団だ。警務部長、食べられないかな」

「愛、何バカなこと言ってるの。あなた本当に警察官」

「あはははは。ウエオはフツーのおばさんよ」

「ボケシャリア、逮捕するわよ」

「あっ、城の方に行った」

と誠。

ズバン、ズバン。大迫が城にチョップのようなことをしている。

「あれ、だいぶ、人を踏んでるわよ。食べるわ踏むわ大量虐殺。多分、死刑ね」

と愛。

「あっ、お城が。ジョーシュがお城を壊しちゃった」

とシャリアが笑いながら言う。

「あ、元に戻ったら食べた人どうなるの」

「大きさ変わらないわね。だからジョーシュの胃袋破って外に出る」

「嚙み切られた人が」

「そう。たぶん、現場は大惨事ね」

「うそー、こわー、行かんとこ」

と愛。

「あんたそれでも刑事か。税金返せ。50億以上払ってるねんで。会社で」

と美々。

「うわー、むっちゃ儲けてるやん」

誠は恨めしそうに美々を見た。

「あっ、消えた。というか、元の大きさに戻った。どの辺だろう。多分、100人近くは食べてるから、肉の山ね。ジョーシュも」

シャリアはガラスに顔を当てて見ていた。

美々が

「どうする愛。完全に知らんぷりする?」

「うん。ビルから見てただけ」

「いい加減な警察官だなぁ」

「説明したらもっとややこしくなるじゃない。魔法を使える一般人がいなくなったのよ。でも、職場潰れたわ。仕事、どうなるんだろう。NHKも潰されたわ。もう、大阪版の朝ドラ見れない」

「そっちの心配か。でも、ニュースどうなるんだろう。裸だから全部モザイク? 一部、モザイク?」

と誠が首をひねる。

「何を詰まんないこといってるのよ。とりあえず、ポンちゃん、明日から来て。うーん、まだ道わからないか。誠、迎えに行って」

「ええ」

「明日、お店を売りに行くんでしょ」

「ああ、うん」

「ならいいじゃない。ついでよ。ついで。あと、ケイにも説明しといてくれる。送っていくんでしょ。今から。そうね、明日は10時に来て」

「うう、わかった」

マンダイが首をかしげながら聞く。

「私はどうすれば」

誠が上を向きながら話す。

「あ、忘れてた。どうしよ。暇やね」

別にどうでもいいや、と思っていたのだ。

美々が言う。

「ケイに任せましょう。花屋。花屋。給料は私が持つわ」


誠がポンを送って行くついでにマンダイを店で預かってほしいと三原に話した。

三原は

「え、給料は美々が払ってくれるの。あ、今、隣のたこ焼き屋、人おれへんねん。そっちやってもらおかな」

「とりあえず、どっちでもいいんでお願いします。明日は8時半ぐらいでいいですか。チャリンコ乗れるんで。送ってきます。ポンさんと交換で」

と誠は言って車に乗って帰っていった。

誠の家から三原の家は踏切を渡って5分かからない。

家に帰ってテレビをつけると大迫のニュースが大体的に取り上げられていた。

「ありゃ、マスコミ、困ってますわ。天変地異やもんな。女性が大きくなるって。964人か。だいぶ、やられたな。誰も責任問われへんけど。大迫さん、成仏して。でも、あんたが悪いねんで」

誠に電話がかかってきた。オグリだ。ニュースを見てびっくりしたらしい。

「大迫さん、やっちゃったのね」

「うん。だから、松本さんにも言っといて」

「言ったわ。今、震えてる」

「たぶん、それぐらいでいいんだ。なんかあったら教えてな」

「うん。わかった。元気でね」

なんてこの子はいい子なんだろう。

一方、マンダイは何も言わずもう寝てる。何の愛想もない。そりゃシャリアも怒るわ。

翌日、誠はマンダイと自転車で三原の家に向かった。

「この人、客商売に向いてないけど言われたことはするから。例えば腹筋してって言ったらずっと腹筋してる」

「ほんまに。ま、ええわ。じっくり教える。元英語教師よ」

「意味ないと思うけど、頑張って。ほなポンさん連れて行くで」

ポンは誠と歩いて誠の家に行く。誠は自転車を押しながらマンダイの方を不安に見ていた。

「大丈夫かな」

「桂子さんなら大丈夫じゃないですか」

「あ、化粧してもらったん?」

「はい。桂子さんに」

「やっぱ、モデルやな」

「モデルって何ですか」

「見本になる人。きれいな人」

「そんなー」

ズバンとポンは照れて誠の背中をはたいた。

「痛つ。何、この攻撃力。素手やんな」

「あはは、もうやめてくださいよ」

誠は自分より身長が高い女性には絶対に歯向かわないと誓った。

誠が車を出してチン電通りを走り出す。

「明日から一人で通える。って無理やんな。しばらく、電車で送るわ」

「ありがとうございます。電車って何ですか」

「今、前を走ってるやつ。ほら、人いっぱい乗ってるやろ。あれに乗るねん。ま、あの電車はちょっと変わってるけど」

「は、はぁ」

車は阿倍野筋を真っ直ぐ北上して谷町筋に。天満橋を右折して、ビジネスパークだ。昨日の事件があったため、森ノ宮を通らずにこちらから来た。

ビルに着くと受付嬢が手厚く歓迎する。

「おはようございます」

「いらっしぃませ、森山様。こちらへどうぞ」

昨日とはえらい違いだ。

そそくさと最上階の社長室へ。

「何で社長室が最上階なん。美々、高所恐怖症やん」

「何、いきなり。まわりが決めるから仕方ないでしょ」

美々がスーツを持ちながらこちらに来た。

「ポンさん、これ入る? 合いそうなサイズを探させたんだけど。あ、こっちの部屋に入って。シャリア、手伝ったげて」

「はいな」

シャリアとポンは隣の部屋に着替えに入っていった。

「あ、シャリア。このメジャー。足の長さ測っといて」

「なぁ、あの美人さん、叩いたらめっちゃ痛い。骨身に染みるって言うか」

「何で叩かれたん」

「照れ隠しに。最悪や」

「で、これから叩きに行くんでしょ。値上げのために」

「あ、うん、淀屋橋やんな。向井さんの会社」

「そうよ。あそこだいぶ儲かってるから値引きはないわよ。がんばって」

「俺、基本的にライターやで」

「でも、この売上で遊んで暮らせるやん」

「半分は税金やけどな。あ、愛の給料になるんや」

「あはは。愛のチョコ代」

「あのババア」

その時、バタンと扉が開いた。

「誰がババアって」

愛が笑いながら入ってきた。

「あかんわ。むちゃくちゃや。今、府警死んでる。上のもんから100人近く食べられたからわやくちゃや。仕事もどうなるかわかれへん。することもないし、どうしたらええかわからんから、ここに来たわ」

「この税金泥棒」

「あ、ポンちゃん、どうなったん」

奥の扉が開いて、スーツ姿のポンが出てきた。

「うわ、むっちゃ似合ってるやん。やっぱり美人」

「そうやんな。女優さんみたい」

「あ、今日、ついてきて。向井さんとこに。資料持ってるだけでいいから」

「うーん。ええわ。行っといで」

と美々が答えた。

誠とポンは京阪の天満橋までタクシーで行って、そこから練習がてらに電車に乗って淀屋橋に向かった。


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