表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大阪はすでに異世界  作者: タニコロ
31/35

姫、ゆりかもめに乗る

東京の京橋。やや八重洲寄りに有名お菓子メーカーがあった。そのビルのⅰ階にチョコレートカフェがあるのだ。

「姫ちゃん、ここのチョコとチョコドリンクおいしいんだよ」

「ホントだ。あまーい」

「そうでしょう。甘いでしょう」

「何でこの辺は高い建物が多いの。朝乗った飛行機はぶつからないの」

「ぶつからないわよ。でも、私も飛行機怖かった」

「そうなんだ。怖いんだ、あはははは」

「ところで姫ちゃん、いくつ」

「30」

「えっ、そんなにいってるの」

「公子は」

「21」

「若いわね」

「姫ちゃんじゃなくて姫さんっていうわ」

姫は初めて年齢を証した。何も言わなくてもみんな20歳ぐらいだと思ってたのだ。

公子が誠にメールを送ると『うそーん』って返ってきた。

「じゃあ年齢らしいとこ行こう」

と公子は新橋まで行き、ゆりかもめに乗った。お台場から観光船で浅草に行くのだ。

「公子、公子。あれが海っていうの」

「初めてだとびっくりするでしょう。あとであの上を走るのよ」

「うえええ。おもしろそう」

ゆりかもめがレインボーブリッジを渡る。

「ここも海の上だ。すごい」

姫は大はしゃぎだ。

観光に連れてきた人がこれだけはしゃぐと公子も嬉しい。

「さぁ着くわよ。砂浜を歩くわよ」

お台場海浜公園駅で降りた。そこから一度砂浜に向かう。

「ほら、ここが砂浜。水に浸からないでね」

と言った瞬間、姫は走って膝まで浸かってる。

「あちゃあ。どうするのよ。バカ姫」

と頭を抱えてたら

「長谷川さん。おつかれさまです。何してるんですか」

とテレビ局の北がカメラを持って話しかけてきた。

「観光です。知人を連れて。でも、調子乗っちゃって。びしょびしょです。連れて買いに行くか、置いて買いに行くか悩んでたんです」

北はポンのドラマを撮ってくれたスタッフだ。

「買わんでもいいじゃないですか。うちの衣装部に服も靴もありますよ」

「甘えちゃおうかな」

「どうぞ。どうぞ。なんか品のある方ですね」

「バカですけどお姫さんなんです」

「えええええ」

ポンが異世界人ということは内緒にしていたが、異世界人が大量に来ているということは受け入れられていた。

愛が作ったバレーボールチームも全国的に人気である。

「向こうの世界のお姫様なんです」

「へえ。インタビューできへんかな」

「いいんじゃないですか。姫さんちょっと」

公子はインタビューの事情を説明した。甘いものが食べれるならと姫はオッケーした。

「良かった。ニュースのネタが寂しくて」

「移動したんですか。ニュースに」

「うん。でも、これはこれで面白いよ」

テレビ局に入り、姫は服を着替えさせてもらった。ちょっとリクルートスーツである。

スタジオでインタビューが始まった。相手は30歳くらいの中堅女性アナウンサーだ。

「今日は最近話題になってる異世界の方に来ていただきました。よろしくお願いします。どちらから来られたのですか」

「デジックの首都ヤギ」

「ヤギでは何をされていたのですか」

「よくわからない。あ、王族でした。父親が王様でした」

「ということはお姫様ですね」

「でも、こちらの女性があっちの世界で魔王になって巨大になって、父を食べたんです。私も食べられそうになった瞬間、移動しました」

「こちらの女性が魔王ですか。怖いですね」

「ええ、幸福の国なのに信じられないです」

1時間に渡って話が進められた。

異世界の文化、教育制度、政治など、姫が語れることは全部語った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ