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大阪はすでに異世界  作者: タニコロ
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巨人を小さくする

シャリアに巨人を任せ、愛は日本橋に行った。オタクロードの大介の店だ。隣に大介のプラモ店がある。愛は趣味でよく通っていた。

「大ちゃんどう」

「すごくいい。ホントの猫耳やで。可愛いし。時給4000円出す」

「時給4000円? 私が働く」

「愛ちゃん、警察がアホなこと言わんといてや」

「じゃあニューガンダム半額にして」

「もう、うるさいな。オリジナルカスタム作ってくれたら、1個あげるわ」

「えーっ、大ちゃん可愛い。ありがとう。チュッ」

と愛が投げキッスをした。

「もう、だめだよ。僕はもうロードンのものだよ」

「うわ。出た。のろけ」

「僕まだギリ20代やけど、愛ちゃんはもうおばちゃんやん」

「殺したろか」

「警察がそんなこと言ってええん」

「うるさいなぁ」

「ババアはすぐ怒る」

「キーツ」

後ろから西川警部が来た。

「あのう、もういいですか。遊んでるところ申し訳ないんですが。今から買ってきます。布団とか生活用具」

「ごめんね。どこ行くの」

「あべのキューズモールです」

「ああイトーヨーカドーもあるんか」

「ここからなら高島屋も近いんですが、予算があわないんで」

「ごめんね。警部にそんなことさせて」

「いえ、岡村部長について来てもらうんで大丈夫です」

後ろで可愛い部長が頭を下げて、二人は出ていった。

「何なんあれ。デートやん」

「愛ちゃん、考えすぎ。で、あっちは大丈夫なん。新しくできた義妹さんは」

「あ、シャリアは義妹になったんやわ。生意気な女が。でも、いろいろ命令してやる」

「絵に描いたような小姑や」

「うるさいなぁ」

「ここはスキーに任せといてプラモ屋行こ」

「あっ、忘れてた。ニューガンダム。あっちょっと待って。あそこの子に打ち合わせしてくるって言ってくる」

なんて警視正だ、と大介は思った。愛はさぼりを打ち合わせだと警察官に伝えている。しかも、偉そうなスタイルで。

「愛ちゃん、警視正失格やね」

「うん、よく言われる。あはははは」

大介は誠があははは女に囲まれて大変だなと同情した。


一方、同情されている誠はシャリアの掌に握られていた。

シャリアが巨人と話しやすくするために魔法で大きくなったのだ。

「あはははは。誠、小さい」

と真を握りしめた。

「ほんでどうするの」

「お客様によっては口の中にくわえて入れてあげます」

「こう?」

シャリアは誠を口の中に入れた。フガフガフーとやってるとファンが帰ってきた。

ファンはすぐ側の湾岸工事をしている。まさに100人力だ。

「ファンさん、こんにちわ。あ、今気づいたんだけど、私の魔法で小さくなれないかなぁ。かけ続けないといけないけど」

縮小魔法が使えるのはシャリアとポンだけだった。

「小さくなれるなら会社の人に言わないと。じゃああっちに付いて来て」

ファンはプレハブの事務所までみんなを連れて行った。6人の巨人に囲まれる現場監督。

シャリアが

「この子ら魔法で小さくできるねん。仕事、今日でやめさせるわ。大丈夫?」

現場監督は「はい」と言うしかなかった。

「あ、ファンさん、ちょっと誠、持ってて。いくよ」

シュババババと光が出てみんな小さくなった。といっても2メートルぐらいの大きさだ。細かい調整はできない。

「誠? どこ? これでいいよね。はっ。ファンさんに持ってもらってた。ということは、誠も小さくなっている。ファン、ダンナ見せて。あ、やっぱり。もういいや。もうちょっと縮めて、胃液をガードする魔法をかけて食べちゃおう」

大きな巨人を小さくする魔法はシャリアも元の大きさにした。

素っ裸なので現場監督たちはその場をさっと離れてバスタオルを投げてくれた。

「小さくなった誠は見られてないわね。早く隠そう」

と言ってシャリアは口の中に入れた。

誠はまた食べられる一週間が始まったのである。

「監督さん、バスでみんなを運んでくださる」

とシャリアがバレないように誠の服をリュックに隠していると誠のスマホが鳴った。愛だ。

「あ、誠大丈夫?」

「愛、おつかれ」

「何でシャリア。誠は」

「私のお腹の中」

「何で」

「ファンを小さくする時に、ファンに持ってもらってたことを忘れて小さくしてもうて、現場監督にばれないようにお腹の中に隠したの」

「車はどうするの」

「私らバスに載せてもらう時に一緒に運んでもらう」

「じゃあ私も帝塚山行くわ」

「あ、2メートルの人が入る服を持ってきて」

「あるかなぁ。あ、日本橋の端っこに大サイズの店あったわ。オタク用の」

シャリアは帝塚山の家に走ってもらった。

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