帰宅命令
舞踏会の会議の終盤に差し掛かる。
飾り付け、司会の内容、プログラム。
そのとき、サタンが持っている
水晶玉から、透明に光り輝く。
「サタン、居るか?」
「セラフィム、どうしたんだ?」
どうやら、セラフィム様からの連絡だ。
「ウリエルの式術で、ミカエルが
目を覚ましたことを知らせようと」
『本当ですか、セラフィム様!?』
「本当だよ、セリーヌ。
その声は元気そうだね、安心した。
とりあえず、天界に戻ってきなさい。
サタン、済まないが、地上まで
セリーヌを送ってくれると、助かる」
「了承した、迎えはどうする?」
「ガブリエルに任す」
「セラフィム、ちょっといいか」
「済まないが、呼ばれてしまった」
プツッと水晶玉の通話が切れる。
いつもの優しい声色だけど
どこか、焦りというのが、混じっていた。
「セリーヌ、地上に行こうか」
『アリスは行かないの?』
「彼女は、悪魔に成り立てだ。
空間移動は難しいし、身体に負荷がある。
それに、彼女は地上に降り立つ
権限はないし、無謀なことだ。
悪魔の地位は上だが、赤子さ」
悲しい表情をしながら、私を見送る。
一瞬で透明な光に覆われて
学園の中にある、教会の裏側に降り立つ。
瞬時に、殺意が浴びせられて
何かの刃物が、私の首へ。
「セリーヌか、悪魔の気配もあったから
よく分からず、申し訳ない」
『ううん、平気よ。
サタンが地上まで、送ってくれたの』
「そうか、サタンよ心配り、感謝する。
セリーヌが無事であることにな」
「溺愛されてんな」
優しい笑みで、私の頭を撫でる。
ガブリエルがパシッと祓ってしまう。
「気安く、触るでない」
「セリーヌ、また舞踏会で」
『うん』
サタンは手を振り、別れを告げる。
私も頷いて、ガブリエルと一緒に
我が家の天界に帰る。




