2つの魂の覚醒
出来上がった術式の上に私達は座る。
セラフィム様が説明を。
「血と血を混ぜ合わせてから私が言う
詠唱を繰り返しなさい。
サタンがアリスの方の唱えます」
私達は血の契約をする為に深く手の内を切る。
かなり痛みがあったが堪えた。
セラフィム様が契約の呪文を唱え始める。
「我は2人の神の魂の礎。
我は汝、汝は我、世界の礎の源。
2人の神の名の元に、我等の魂の復活を求め
互いの契りを交わそう。
世界の混沌と安らぎを求めて」
人間界で言うならエノク語。
私達の世界で言うなら母国語。
遥か昔、ジョン・ディーと言う人が
私達と接触を試みたときに人間界に
広まってしまった。
唱え終えた私達は気絶をしてしまう。
遠い遠い、昔の夢を見た。
この世界が3つに分かれる前の記憶。
私達の前世となる物。
私とアリスは仲の良い神の双子だった。
混沌となる世界で争いが生まれた。
堕天使となる悪魔の1身がアダムとイヴを
陥れて知恵の樹の実を食べてしまう。
ドミニオン、私達が作った息子達の1人が
それを見つけて、抗争の種にならぬよう
違う世界の地階に堕とした。
その後、私達の世界は大規模な戦争になった。
私達の腹心であり、ミカエラ、ルシファー
双子の兄弟を私達の権限で神の力を与えた。
ミカエラ、ルシファーに私達を隠して貰う
ように指示をして、魂の封印を行った。
そして何も知らない、アダムとイヴの子孫と
してこの世界に生まれた。
私の方は悲劇の環境の中で育ち何回もの
自殺、他殺で生を終え繰り返された。
この世ならざる死者・使者が見えたりした。
今世で衰退死以外は許されなくなった。
何十回目の人生でやっと繋がった魂と記憶。
そして、やっと見つけ出された私達。
今世こそは、魔界と天界の平和を守り
混沌させたくはない。
何度も天界の手から逃れられるのも
これが最後だ、現実から逃げるのは止めて
運命をやり切ろう。