アリスの決意
私はアリスの回答を聞く為にドミニオン様に
結界を部屋に貼ってもらった。
1ヶ月の猶予を上げたので答えは出てる筈。
「私は闇の眷属となります」
「アリスが覚悟を決めたのなら
私達はその意思を尊重する」
セラフィム様がアリスの言葉を聞いて頷く。
「やはり、ルシファーと同じ魂の匂い...」
ボソッとセラフィム様が呟いた。
ルシファーと言えば、神の兄弟。
確か、ルシファーが弟と学んだ。
最初に定まれた神は2人いた。
けれど、ルシファーは反逆をして
弟である、もう1人の神が堕天させて
今の魔王の座に君臨してる。
天界の授業で学んでる。
「天界と魔界に手続きが必要だ。
時間はかかる、けれど確実に君を悪魔に
してあげよう、約束する」
「はい」
アリスは柔らかく微笑んだ。
この1ヶ月、無表情か凍てつく笑顔しか
見た事がなかった。
アリスからの本当こ優しい笑顔を見た気がする。
『アリスは、そこまでして人を辞めたい
その理由はなんで?』
「人は、薄情で愚かで浅はかだ。
人の痛みを知っておきながら
歴史を学んでいる。
それなのに、他人を痛ぶって楽しむ。
私は、人間の悪意を親身に受けた。
ひと握りの中で決まった、玩具の的。
同じ、人間であることに私はイヤだった」
紛れもない憎悪、殺意、敵意。
アリスはどれだけの苦しみを背負って
どれだけの悲しみを背負ったんだろう。
アリスの心に寄り添い、理解したい。
私は、アリスの回答に、強くそう感じた。