女の子の叫び
サタンが手荒な真似をした女の子を
ドミニオン様が丁寧に身体を診る。
私はウリエル様から瞳を覆われてる。
『君には少しずつ神の力を加えられてる。
魔の障気を見るのは早いぞ』
昨日、目視した解説と共に言われる。
大人しくミカエルの膝抱っこに促され
顔だけを肩に当て、目視する事を許されず
強制的に会話のみとされた。
この場にいるのはサタン、女の子。
私、ウリエル、ミカエル、ドミニオン。
そしてセラフィム様だ。
魔界の扉を開けてと言うのは重罪だから。
『ん....此処は?』
『亜空間と呼ばれる所だ』
『そうですか、名前を聞いても?』
『大天使14柱の1人、セラフィム』
女の子は聞いた瞬間に立ち上がって
セラフィム様に回し蹴りを喰らわそうと。
するとドミニオン様とミカエル様が
女の子をガッとベッドに押し付けた。
『何をしているんだ、離しなさい。
何故、君は私に手を挙げたのだ?』
『私は天界に救いを求めた。
生きる希望の無い、地獄から。
周りに恵まれずに生きて、大人に
助けを求めた、けれど何もしなかった。
空想だと思っても天界にも助けをずっと
叫んで待っていた。
魔界にも、悪魔が居るならと...
魂を与えてもいい、この世界を滅ぼしてと。
死に物狂いで、知識を漁ってようやく
召喚できたと思ったのに邪魔された』
『それで私を蹴り飛ばそうと?』
『神だとか、天使だとかの存在は
人間では絶対的な救いの存在。
もし居るのならと無限地獄に堕とされる
覚悟で私はぶん殴ろうと決意したんだ』
彼女は凄く怒っていた、そして泣いてた。
それでも周りは身もしない現状に対して
彼女は心を蝕んだらしい。
『天界にもルールがある。
人の人生に干渉しては行けない....』
『人間の私に知る術なんて無いわ』
『確かにな、だが今なら助けられる』
『なら私を悪魔か天使、どっちかにさせて。
人間である事を憎む事のないように』
『了承した、会議に駆けよう。
これは緊急案件としてな。
これは命令だが、ドミニオン、ミカエル。
ウリエル、セリーヌから離れるな以上だ。
監視と見張りだ、頼むぞ3人』
『分かりました』
膝を突いて了承している。
私は神の地位でもあるから平気だが。
私の頭を優しく撫でてから、セラフィム様は
天界にと帰って行った。