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私は、彼から【貢ちゃん】と陰で呼ばれているらしい。

作者: 七瀬






私には、大好きな彼がいる。

彼は物凄く優しいし、私の事を大事にしてくれる。


『な~あ、カナコ?』

『うーん? 何?』

『悪いんだけど? 今月も金がなくて! 5万円ほど貸してくれないか?』

『・・・えぇ!? 5万円? 2週間前も5万円貸したよね?』

『なんだ! ないのかよ! 財布貸してみろよ!』

『・・・えぇ!?』

『あるじゃねーえか! さっさと俺に貸してくれればいいものを!』

『・・・ちょ、ちょっと待って! それは、お母さんの入院費で。』

『大丈夫だよ! お前の母さんを、今すぐに退院させれば! 入院費なんか

払わなくていいんだから! 相変わらずお前は、アホだな~!』

『・・・そ、そうなの?』

『あぁ! じゃあー5万円借りていくから!』

『・・・・・・ううん、』





・・・私の母は、病気で入院していたの。

今日、彼と会った後でお母さんの入院費を病院に持って行く

ところだった。

そのお金を、彼は私の財布から抜き取って持っていってしまう。

今までも、彼には何かあるたびにお金を貸しているわ。

貸しているというより、奪い取られているようにも感じる。

彼とは? “半同棲”をしていて。

彼と一緒に居る部屋に、私の財布を置いていると、、、?

気がつけば、財布の中にあったお金は全部なくなっている。

彼は、交友関係も広くてよく友達と飲みに行くの。

その時は、私は一人で家にお留守番。

彼は、彼の友達に1度も私を紹介してくれた事はないわ。

彼が言うには、、、。



『ごめんな、俺の彼女だって言うのが、恥ずかしいだけなんだよ。

別に、お前を俺の友達に隠してる訳じゃない! もう少し待ってくれ!

ちゃんと、お前を友達に紹介してやるから! 俺を信じろ!』

『ううん!』




彼が、そう言ってくれたから私は彼を信じる事にしたわ。

彼と外でデートしてても、彼と並んで歩く事はない。

少し距離を置いて、彼の後ろを歩くように私は彼から言われている。

手も繋げないし、腕も組めない。

彼は、人前でイチャイチャするのが恥ずかしいらしいの。

私だけじゃなく! 今までの彼女ともしていないと言っていたわ。

彼は、私の頼み事は聞いてくれない。

私が、【今月、お金がないから少しでいいからお金を返してくれない?】

というと、彼は私に逆ギレして...。

私に、怒りをぶつけてくるけど、、、?

・・・その後の彼は、とても優しいの。



『・・・わ、悪かった! こんなに怒るのは全てカナコの為だよ!

俺だって、仕事をして接待やいろんなモノにお金を使って! こんなに

困ってる時に、カナコからお金を返してほしいと言われても、俺は金も

ないし 返せるはずがないのを知ってて、カナコは俺に金を返せという

のか? そんなの酷いよ! 酷過ぎるよな! カナコだって俺が可哀想

だって思うだろう? だったら、そんな事、もう言わないでくれ! 

俺はいつだって、カナコの味方だから! いいな、もう言うなよ!』

『・・・・・・で、でも?』

『約束してくれ! 分かったよな、カナコ!』

『・・・ううん、』




彼はその後、、、。

優しく私を抱きしめてくれるの。

その時、彼の本当の優しさに触れるわ。

だから、彼を私は信じているし! 愛しているの。





 *




『お前のさ~あの女! 【貢ちゃん】だったけ? どれぐらい後。

金を引き出せるんだよ!』

『・・・うーん? まだ、底は突いていないと思うけど? まだまだ

金持ってんだと思うよ! アイツ、趣味貯金しかない女だからな~!

そこそこ、金は持ってんじゃねーの!』

『これで! 遊ぶ金には、不自由しないな!』

『まあな~! “イイ女見つけたよ!”』

『おれも! “貢ちゃん”見つけようかな~』

『あぁ! いいぞ! 俺の言いなりだし! 金に不自由しない人生は

最高だ! お前も、イイ女見つけろよ!』





最後までお読みいただきありがとうございます。

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