数年後の怪物は…
1年ぶりの投稿…
『堕胎〜欠点だらけの私たち〜』
火曜21:02 - 22:54(112分)
主演: 赤坂リコ,海沼 博樹
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助演: 道野はな
⭐︎
別に好きでもない男だった。
大学生の時に、一目惚れだといわれ告白されて気づけば付き合っていたくらいの仲…。
真面目そうで誠実そうで、たぶんこの人と結婚するんだろうなって思いながら過ごしていた
案の定、社会人5年目くらいで妊娠をしたのを機に婚姻届を提出して、晴れて夫婦に…
プロポーズは大学卒業してからすぐにされたけど、仕事をしたかったから一度は断り、彼の方は結婚したいと常に言っていた印象が強く、今回の妊娠も彼が『何か』しているような気もしなくもない
彼は嬉しそうに結婚式のことを決めている
私もドレスや式場を一緒に話し合いながら決めて、側から見たら幸せな夫婦だろう。
お腹が大きくなる前に結婚式をしようと、結構バタバタしていたが、彼は何故か準備が万端で…すぐにトントン拍子で決まっていた
ある日、小学校からの幼馴染が連絡をくれた
結婚おめでとうと祝福してくれて、喜んでくれているようだ…結婚式にぜひ参加したいのだけど、と申し出てくれたから快く了承した
彼と私と2人で、幼馴染はランチにでも行かないかと誘われて、連絡が来た週の土曜日に一緒にランチをした時から少し空気がおかしくなったんだ
幼馴染は、彼にたくさんの質問をして私にはあまり話しかけずにあからさまに彼に媚びていた
小学生時代の私たちの話をしたかと思えば、いかに私が冷たく幼馴染が苦労してきたかと冗談混じりで話していた
彼は鈍いところがあるから、幼馴染の悪意のある言葉には気づかない
私も特に気にしない
そして、その日は美味しいランチを食べて幼馴染とは別れた
私と彼はそのあとベビー服を見に行った
結婚式まで、私は普通に仕事をしていた
そこそこ有名な大手の企業の受付をしている
顔採用重視と陰で言われている、うちの会社の窓口である受付は確かに整っている顔しかいない
私も昔から顔は整っていると言われているから謙遜はしないし、実際に仕事中でもよく声をかけられるが既に彼という存在が入社前からお付き合いをしているから、特に嬉しいとも思わず、私は側からみれば嫌な女に見えただろう
けれど、職場の同僚はみんなして親切で優しかったから、素直に居心地がよく職場が好きだった
私はとても幸せだった
そう、結婚式当日までは
「は?」
目の前には、絡み合っていた2つの裸体
見知った2人の顔は、彼と幼馴染
私についてきてくれたすぐ後ろにいたスタッフが悲鳴を上げる
「あ、ぇ、いや、違うんだ…これは、本当に違うんだ」
彼は情け無い声をあげて顔を真っ青にしている
「あ、ごめんね〜、旦那さんのこと奪っちゃった」
幼馴染はニタニタとこちらを見て誇らしげに笑っている
あー、そういう系ね?なんて、私はいつもながらに他人事のようにその光景を眺めていた
その日、私は式直前に堂々と浮気されて可哀想な被害者になった
彼はずっと謝りっぱなしで、幼馴染は早々に服を着ると逃げ去っていった
彼は言い訳を並べて、支離滅裂な言葉を並べている
弱いくせにお酒を飲んで、幼馴染に丸め込まれて、そのままヤッたらしい…しかも生で
まだ薄いお腹を見下ろした
子供は別に欲しくもなかったし、結婚も特にしたくなかった
あれ?これは良いタイミングなのでは?
そう思うと早かった
「とりあえずこの子、…堕してくるね…それが貴方がやった事の対価」
ウェディングドレスの上からお腹を撫でて彼を見る
残酷なようだけど、私の思いを言い放つと、いつのまにか集まっていた親族からも目の前の彼からも止められた
悲鳴のような声で止められたけど、私はもう決めた
「もちろん、離婚もするし…子供も堕ろすよ?当たり前でしょ?
こんな事してしまう人の子供なんて、気持ち悪くて嫌よ」
顔を歪めてそう言ったら、彼の顔は凄いことになっていた
大号泣通り越して病的なくらい絶望し切っていた
両親からも、離婚は賛成されたが子供は堕さないで欲しいと言われ、彼の両親からも離婚も堕ろすのも待ってほしいと土下座された。
それでも私は無理だった
「じゃあ、決めて?
今から貴方の子供堕して、前に紹介してくれた貴方の大親友と浮気してくる…その人と子供作ってから、あなたと夫婦に戻ってあげるし離婚しないであげるけど…どうする?
あなたは、自分の子じゃ無い人のパパになれる?
子供は産んでもいいけど、貴方の子を産むのは死んでも嫌よ」
ニコッと、彼の好きな笑顔を向けると彼は放心したようで、ガクッと座り込んでしまった
彼に対する愛?
…そういえば、あったかしら?
あんまり愛ってわからないのよね…
目の前でずっと土下座する彼と、彼の両親
泣き崩れる私の両親
その日は、いつにも増して時間が流れるのが鉛のように遅かった
でも、それから次の日はあっという間に過ぎていったの
結局、彼とは離婚しなかった
でも子供は堕して、彼の大親友とヤッた
彼の大親友は、むしろ大歓迎とでもいうように彼のことを一切気にせず、私と一晩過ごした
まぁ、その人とは子供が出来なかったけど彼に対する気は晴れた
まあ原因である彼はストレス障害を患い、鼻血や吐血をし始めたけど興味はもうない
彼との新婚生活は、全てが狂っていたけれどそれで良かった
彼は私に対して、すごい醜い感情を抱いているみたい
職場への送り迎えはもちろん、空き時間さえあれば私の職場まで来て私を監視している
夫婦の営みも結婚してから一度もしていないが、彼は眠っている私の横で済ませているようだ
破綻した夫婦の生活だっけど、私は好きな仕事をしていられるし職場の同僚は私に同情的だった
子供を堕したのも、自然に流れたと言えば私には何の落ち度もなく、ただの被害者とみんなして心配してくれていた
居心地がとても良い、ずっとこのままでいいと思っていたんだ
ある日、幼馴染が訪れた
幼馴染は、私の不幸な顔を見に来たと言っていたが別に不幸では無かったから家へ招き入れた
「久しぶりね、元気だった??」
そういえば、何故か顔を歪めて悔しそうな顔をする幼馴染
「あら、その子は貴方の子?可愛いわね」
幼馴染の腕には赤ん坊がいた、まだ生まれて間もないのだろうか?とても小さい
「…えぇ、そうよ!」
途端に勝ち誇った顔をする幼馴染
「ねぇ、これ誰の子だと思う??」
ニタニタと気色の悪い笑顔
鈍くない私は気付いた
「あー、この子は彼の子ね?」
飄々と言うものだから、幼馴染は驚いたみたい
「…なん、で平気そうなのよ」
「え?別に平気よ?私の子じゃないもの」
幼馴染の驚いた顔はどんどんと赤くなっていく
「この子も可哀想ね、浮気者の彼と強欲な貴方の血を引いているなんて…私なら耐えられなくて産まないわ」
実際そうしたし
「なんで…何で、不幸そうじゃないのよっ!!
なんで、全部壊されたくせに幸せそうにしてんの!?」
「だって幸せだもの、いま」
好きな仕事をして、人にも恵まれて、好きなもの食べて好きなことをする生活に何の不満があるの?
「あなたは幸せじゃないの?かわいそう」
そう言った時の幼馴染の顔は、今まで見た事のない憎悪の顔をしていた
腕の中の赤ん坊を見つめ、もう会う事はないんだなと思ってそのあどけない寝顔を目に焼き付ける
8年後、その赤ん坊は大きくなり
何故か、また目の前にいた
「はぁじめ、ましぃてっ!かりん!でぇ!す!」
呂律がおかしい8歳児
私と同じ名前の子供
「…どういうこと?この子…誰?」
連れてきた彼に問い詰めると、彼は地面を見つめて口を開けた
「…あいつの子だよ…あの日、結婚式の日にヤッた時出来た子だって…DNA鑑定もして俺の子だって…」
「あっそ、で、なんでいるの?」
黙り込む彼に、私はため息をついた
「わかった、じゃあ勝手にしてね…離婚届は私が出すから書いたら私の実家まで送ってね」
「待ってくれ!!離婚は嫌だ!!ちゃんと話すから!」
情けなく縋り付く彼に冷たく視線を送ると彼は萎縮した
「…あいつ、死んだんだって…」
唐突に言われた言葉に思わず固まる
「夜の店で働いてたらしいんだけど、店の金を持ち出そうとして揉めたらしくてさ…逃げた先で車に撥ねられたって」
私を見つめて話す彼
「連絡を受けた大家が、あいつの部屋に行ってみたら…この子がいたらしい」
彼に指を刺された子供はきょとんとしている
「…出生届もだされてなくて、大家も気づかなかったらしい
ネグレクトのせいなのか発達障害なのか…喋り方変だし
まともな子供じゃないよ…あいつみたいに」
「あら、まともじゃないのは貴方の血も入ってるからじゃない?」
「…」
黙り込む彼を他所に、私と同じ名前の子供の前まで行き、目線を合わせるためにしゃがむ
「ねぇ、貴方」
「ぅ、ぅうん?」
「しょうがないから、うちには置いてあげるけど、私は貴方の家族じゃないからね、そこはちゃんとわかっておいて」
そう言って目の前の子供を見ると、子供は目をキラキラさせてこちらに手を伸ばした
「き、れぇぇえー、ぇ!」
小さな紅葉の手のひらが私の両頬に添えられ顔を覗き込まれる
「…さわらないで」
柔らかい手のひらを離そうと上から添える
「きゃっ、きゃ」
耳に心地の良い笑い声が、なぜか胸をくすぐった
その日から、私はこの子供のことが何故か目から離せなかった
「リン、プリンあるから食べなさい」
「リン、お風呂入る時はパパじゃなくて私に言いなさい」
「リン、寝る前は仕上げ磨きしないと虫歯になるわよ」
カリンと言う同じ名前では、少し不便だから勝手にリンと呼ぶことにした
リンも名前を呼ばれると嬉しそうにしていたから問題はないだろう
「リン、今週は有給取ったから一緒に温泉旅行に行きましょう」
「ぅん!いきたーー、い」
発達障害だと疑われた呂律の異変も、気にならないくらいには治り、可愛らしく喜ぶ姿は今まで感じた事のない幸福感が胸を占める
「なぁ、カリン…ーあの子供を許すなら…そろそろ俺たちの本当の子供を作らないか?」
気持ちの悪い提案をされた
「…別に、子供が欲しいわけじゃないわ…
大人の義務としてあの子を育ててるだけよ、愛なんてないわ」
「でも!! カリンは俺の俺たちの子供を殺しただろ!?」
この男は何をいっているのだろうか
「…そうね、殺したわ…」
でも、確かに私は殺した
「だったら、もう許してくれよ…俺も辛かったんだ」
そう言って私を抱きしめる彼
「やだーっ!!!」
どんっ!と足に衝撃が走る
「リン?」
小さな体躯は、見覚えのあるリンのもの
「ころしてないもんっ!リン、ころされてない、もんっ」
声帯の未発達のせいで声を張り上げるのが難しいはずなのに、リンは今までにないほど、大きな声で叫んでいる
「リンがまちがえたの!生まれたところまちがえたの!」
彼に向かってポカポカと腕を振るうリンは、何を言っているのだろうか
「リンは、ほんとうはママの子なの!!
リンがまちがっちゃったの!!リンはママのおなかにいたの!」
震える小さな体
胸が痛い
「リンがまちがったから、ママとかぞくじゃないの…
リンがまちがったからぁぁあっー〜」
金切り声で泣き叫ぶリンに、私は出会ってからのリンを思い出す
リンが家に来てからの最初の1週間の事だった…
極力合わないように、朝早くに家を出て夜遅くに帰っているはずなのに、リンは絶対に私の出迎えをする
「ぉ、かぇ、いっ!」
声が出なかった最初の頃、リンは玄関で体育座りになって私を出迎えた
「ただいま」
そう言っただけで、花のように笑うリンに…少しだけ癒されていた
「ごはんは?」
そう言うと、リンはニコッと笑ってポケットから生米を取り出した
炊けてもいない生米はリンの手のひら分しかなく、何を言っているかも最初はわからなかった
「…これを、たべていたの?」
「ぅっん!」
ショックだった
この子の事は実父である彼がすると思っていたから気にもしていなかった私にも責任がある
「おいで、美味しいもの作ってあげる」
長いこと玄関にいたせいで冷たくなった体を抱き上げると、リンは、大きな目を見開いてキラキラとした目で私の顔を見た
首に回された手は小さく、とても可愛い
リビングのソファにおろそうとするが、なかなか首から手が離されない
リンの顔を見ると、嬉しそうに目を細めて、くふくふと笑っていた
胸がじわっと暖かくてぎゅっと抱きしめた
「きゃっきゃ」
子供特有の声は、仕事の疲れを一瞬にして消え去る効果があり、柔らかい肌は気持ちよかった
その日から、私はリンを気にするようになった
朝はリンにご飯を食べさせて、預かり保育の受け入れをしている園に預けて仕事へ
なるべく早めに帰宅して、リンに夜ご飯を食べさせてテレビを見せる
リンはテレビをあまり見たことが無かったのか、とても食いついて見てくれるから、その様子は微笑ましい
初めて一緒にお風呂に入った時、リンは湯船に浸かるのが初めてだったようで、怖かったのか首にずっとしがみついていた
リンに合わせた少しぬるめの温度設定と、湯船に浮かばせたヒヨコは、とてもご満悦してくれたようで、リンはお風呂が大好きになった
今までまともなご飯を食べてなかったからか、私が作ったものはなんでも美味しいと言って完食したし、全身で喜びを表現していた
前にプリンを食べさせた時なんて
「いたぁっ!」
両頬を抑えてキュッとするリンに、私は慌てた
「虫歯かしら、大丈夫?」
「んっーん!ち、がぁ、う!おぃ、しくて、あぁまくぅ、て
ほっぺ、じーぃ、んってした!」
おいしくて、甘くて、ほっぺ、じーんってした
とろけるような甘い笑顔を私に向けるリンに、私は冷蔵庫をプリンで埋め尽くそうとも思った
でも、やめた
リンにはもっと美味しいものを、いっぱい食べて欲しい
毎日違う美味しいおやつやご飯を食べて可愛い笑顔を見せて欲しい
私に対して全身で好意を示してくれているこの子供を、私はいつのまにか大切になっていた
だから、目の前で泣くリンを放っておくことなんて出来ない
「リン、聞いて」
大きな瞳からぽろぽろと綺麗な涙を流している
鼻水も両鼻から出ているけど、そんな顔でさえも愛らしくて愛おしい
「…私はね、リンのママじゃない」
リンの顔が歪んだ
「…家族じゃないって、この家に来た時に言ったの覚えてる?」
リンが震えた
「……リン」
リンの顔が涙でぐしょぐしょだ
「…だいすきよ」
言葉にしたら、楽だった
「貴方と、出会って…これがなんなのかずっと不思議だった
初めて抱いたの、こんな暖かい気持ち…」
リンのまろく柔らかな頬を撫でる
リンの綺麗な瞳がこちらを見上げる
「でもね、でも…私は子供を殺してるの…最低な女よ…
なんとも…思わなかったの…子供を堕すこと…周りが止めても私…命のこと…なん、とも…思わなかったのよ」
目頭が痛い
こんなの初めてだ
「ま、ま、なかないでっ」
リンが小さな手をこちらへ伸ばした
あぁ、私…泣いてるのね
目が熱くてじわじわと痛い
「リン…わたしね、貴方のママになりたい…でもね…ダメ…
私は…私の生きてきた中で一番最低な人間なの…
こんな最低な人間は、親になんてなっちゃだめ」
お腹に手を当てる
過去に宿っていた命
私は何も思わず捨てた
捨てたくなかった?殺したくなかった?
そんなの考えたことなかった
ただ、私の体の一部だと思ったんだ…髪の毛が抜けるように爪を切るように…生理で血が流れるように…ただ私の一部を捨てるだけ
ただそれだけだと思ってた
髪の毛に意思はない、爪に感情はない、排出される血に抗う力はない
元々、人として何か足りなかったとは理解してた
でも、今更になって気付くのは…もう遅すぎた
「リン…ごめん、ごめんなさい」
目の前の子供ときっと殺さなければ同い年になっていたんだろう、私の子供は…
「ごめ、ん、なさっ、い」
抱きしめた小さな体はとても温かい
自分のしたこと、してしまったこと
私は悪くないと、他人事の様に考えていたこと…
私がもっと、ちゃんと…まともな人間だったら
ごめんね、ごめんなさい…
「…リン、ね、おぼえてる」
リンが首に手を回してきた
甘いひだまりのような香り
「ママのおなかにいたとき…おぼえてる
ママのこえ、だいすきだった」
私は、貴方のママじゃない
その言葉は何度も口にしていた、でも、もうそんな事言いたくなかった
この子の優しさに逃げてしまうのなんて、わたしに資格はない
「ママが、リンをいらないっていったのもおぼえてる…
リン、いっかい…いなくなったんだぁ…」
「…え?」
8歳児の言葉なんて真に受けるわけないのに
「でも、リンね…ママのことだいすきだから…ずっとママさがしてたよ
そしたら、ママじゃないひとのおなかにいたの
リン、まいごになっちゃったみたいで…おなかまちがっちゃった」
でも…とつづけるリン
「やっと、……やっとみつけたよ…
リンね……ずっとあいたかった」
伸ばされた手を掴んでいいのだろうか…
都合よく、私はこの子の話を鵜呑みにして良いのだろうか
優しい嘘なのか、8歳児の想像なのか、私の勝手な妄想が生み出した都合の良い夢なのか…
あぁ、だめだ…満たされてしまう
「ママ…こんどは…ずっといっしょだよ」
カチン
⭐︎
「いやぁ〜、まさかまさか不倫ドラマのスカッとものだったはずなのに、これまた胸糞悪くて胸痛くなる系のオチになるなんて思わなかったよ〜!
最近は、質より量を受けてんだって??」
ニマニマと嬉しそうに笑うのは、不倫、サスペンス系の短編ドラマを主に撮影している脚本家の仁道という男
「はい、ちょうど2つの映画をクランクアップしたばかりで公開まであと一年待たないといけないんで、それまでに知名度を上げたいんですよ…。」
「え〜!!もう既に、はなちゃんの知名度凄くない??
ってか、2つの映画ってアレでしょ?ハリウッドとピアノやつ!
これも噂になってんらしいじゃん!須藤くん!」
「…はぁ、まあ…この2年…色々あったんですよ…いろいろ…」
最近は、髪を切りに行く暇さえなくてハーフアップに纏めている髪がハラリと揺れた
「…にしても、はなちゃんはエグいね〜
こんなB級もののとんでも展開でも…
こう、グッと来る演技しちゃうし…怪物って言われてんのも納得だわ…しょうじき引いたし」
あはは〜と笑う仁道の目は、少し泳いでいる
「…でさ、本題なんだけど…須藤くん
はなちゃん…って、いまスランプなの?」
ガタンッ!!
近くのパイプ椅子に膝をぶつけた須藤は、明らかに動揺していた
「…ノーコメントで」
怪物、道野はな…
2年で2つの映画を同時進行で撮影し、クランクアップを迎えた
子役界では前代未聞の快挙であり、映画撮影時に起きた事件やニュースのせいで煽られた世界から一刻も早い上映を心待ちにされているが…
その一方で、クランクアップを迎えた当事者は…
本来の『怪物』を出さなくなっていた。
不倫系とかの漫画見ちゃうんですけど、胸糞悪くて好きじゃないです。
一年ぶりの投稿、お待たせしました!
レベルアップしたのか退化したのか、はなちゃんはこの2年で色々とやらかしておりました!
いつのまにか8歳になったはなちゃんは、これからどんな事が待ち受けるのか…と言われましたら…
そろそろCMを背負ってもいいと思うんですけど、どう思いますか??
映画の内容に関しては、クランクアップしてから約一年後に映画は上映されるのでそれに乗っ取って投稿してきます!
時系列的には…
映画撮影時に起こった事件の噂と詳細→上映前の予告編が流れた時の世間の反応→映画上映→大炎上
って感じで投稿してきます!
他のドラマとかバラエティにも出演させたいので、合間合間に挟んで行って、綺麗に時系列を完成させられたらなって思います!
 




