40秒で支度しな!
女盗賊「どうしてもあの子を救いたいんだね。もう二度とここには帰ってこれないよ。それでも良いんだね」
少年「良い。それでもあの子を救いたいんだ!」
女盗賊「40秒で支度しな!」
盗賊の息子「良いのかい、ママ!」
女盗賊「良いんだよ…!」
少年「おばさん、ごめん。ちょっと良いかい」
女盗賊「うん、なんだい。まさか怖気ついたんじゃないだろうね?」
少年「そんなわけない!」
女盗賊「ふん、じゃあなんだい」
少年「40秒じゃ支度できない…!1時間くれないか!」
盗賊の息子「ま、ママ!とんでもないよ!豪快な引き上げしてきたよ!」
女盗賊「…話を聞こうじゃないか」
盗賊の息子「聞かなくて良いよ!」
少年「まず髪のセットに20分はかかる。髪を濡らしてからドライヤーで乾かして…そこからセットを始めるからだ。そもそも40秒じゃあヘアアイロンを温めるだけで終わっちゃうよ(笑)」
盗賊の息子「本格的なセットしようとしてる!これから都会にでも行くんか!あと最後の(笑)腹立つな!」
女盗賊「分かった。20分で支度しな!」
盗賊の息子「ママ、採用しなくて良いよ!」
少年「待ってください!1時間にしてって言いましたよね?聞いてました?」
女盗賊「そうだそうだ、悪かったね。じゃあ…1時間に…」
盗賊の息子「いや待って、何でもかんでもそのまま受け入れないで!」
女盗賊「そうだね。ヘアセットで20分…あと40分は何に使う気だい。話を聞こうじゃないか」
盗賊の息子「聞かんで良い!」
少年「次、いつ帰れるか分からないから、新聞を解約しとこうと思って。あー、ちょっと待って、冷蔵庫に昨日買った豚肉も入ってるな。これ食べとかないと消費期限切れるか。それとキャリーバッグも探さないと。あ、ちょっと待って、行くところって道整備されてます?ガタガタしてたらキャリーバッグはキツイかなって思うんですけど。それとあと、海外行くならWi-Fiも借りに行った方が良いか…」
盗賊の息子「めっちゃ喋る!これこのままいくと時間まだまだ延ばされそうだよ!ママどうするの!」
女盗賊「よし、明日までに支度しな!」
盗賊の息子「英断!」