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TIPS3 人々の生活はこうして変わる

毎度おなじみちょっと外から解説してくれる人。

 いやー困ったねぇ。

 せっかく港まで来たって言うのに船を出せないらしい。


 自動化とネットワーク化が急進されていた時はこんな事態想定されていなかったから仕方ないんだけどさ、それにしてもここにきて八方塞がりだ。

 皮肉なもんだねぇ。

 科学が進歩したと思ったら一気に逆戻りさ。


 木製やマニュアル操作のエンジン船はあるにはあるんだがありゃ地元の漁師のものだ。流石にこの一行が乗るわけにはいかない。

 そもそも外洋に出るにはスペックが足りないだろう。


 この世界に順応して身体能力を極限まで高めたところで海を走ったり泳ぎ切るのも不可能。


 途方に暮れるしかないね。

 大航海時代ってのは本当に偉大だ。


 船がだめなら飛行機やロケット?

 冗談きついよ。

 あんな精密機械の塊がネットワークを支配された今使えると思うかい?まあ第二次世界大戦時の戦闘機が博物館にあるからあれを使うって手も…いや、ないない。

 動けるには再調整も必要だしここから一番近い博物館で800マイル以上離れている。

 それにもう同じようなことを考えている人間がとっくに向かっているよ。



 ところでさ、今までの生活が一変して時代が逆行している場所が多く発生した。

 この港町だってそうさ。


 流通も他の人口密集地との連絡手段も大幅に制限された。

 じゃあそうなったら人々の生活はどうなるかって。


 これまた皮肉なことに前よりも直接会って話して協力することが多くなったんだ。

 情報の伝達は人伝えがメインになりつつあるし、ほらあの重たい小麦が入った袋をみんなで運んでいる。

 それと交換するのはこの港で取れた新鮮な魚介類だ。


 こうやって新たな、いや、かつての共同体【組合】が出来上がり人々はその中で生活をするようになった。

 一方でなんとかしようと各地をさまようものも出てきた。

 本来は危ないんだけどねぇ。

 でもそういう人って元々ROADのプレイヤーなんだ。

 ステータスがそのまま引き継げて今の世の中で役に立つんだからうずうずして仕方がないって部分もだろう。

 私も流行に乗ってプレイしてみたんだがあの時もっとやっておけばもう少し動きやすくなっていたかもしれないって後悔しているよ笑


 そして問題なのは私の様なライトユーザーやそもそもプレイしていなかった人たちだ。今はROADに強制参加させられている状況だからそういった人々が脅威にさらされる。


 でも強い心を持った人はいつの時代にもたくさんいる。

 彼らを守る為に戦うROADの中級者以上のプレイヤーが各地で活躍しているんだ。彼らは俗に【冒険者】と呼ばれている。

 冒険をしながら過ごす場所を転々とする者もいれば一か所にとどまる者もいる。

 そんな冒険者に困っていることとやってほしい内容を伝える機関も自然発生した。それらは【ギルド】と呼ばれている。

 ギルドと住民と冒険者で組合を作っていると言っていいだろう。


 報酬はささやかだがそれでも請け負ってくれる。

 ささやかと言っても寝床と食料はしっかりと提供するのがギルドとそこに住む人々だ。今は衣食住が一番大事だしね。

 それにモンスターを討伐したらアイテムがもらえるから冒険者はある意味一石二鳥だね。でも報酬以上に感謝された喜びを感じる人が前よりも増えた気がするよ。



 おっと、町のはずれで階級は低いがケルベロス系統が出てしまったらしい。

 この町の人もいろんなことを教えてくれた恩があるし何よりも実際に傷つく人が出るのはなんとしてでも避けたいからね、参戦してくるよ。


 ではまた。



       *



 そうやって彼は使い慣れている特殊合金製の弓を出現させて騒ぎのある方へ向かっていった。

東へ歩む者、西へ歩む者。

道中は違えど目的は同じか果たして。

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