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愛ということ

 苦しみを紛らわす方法を他に知らなかったものですから、ラブラブな僕と君とに戻って、夢のような幸せを楽しもうと口を開きました。

 こんな客と店員のような愛は、存在していないことは知っていました。

 ですがこうした甘え方しか僕にはわからないのです。

「どちらかといえば、あなたも初老となりましたし、介護の方が近いのだろうとは思うのですけれど、やはり赤子の面倒でも見ている気分ですわ。はい、あーん」


 なんだかんだと言いながらも、僕に食べさせてくれるのでした。

「君の手が食べさせてくれるというだけで、ただでさえ美味しい料理が、更に増して美味しく感じられるのですから……」

「ですから、なんですの?」

「え、いえ、なんでもありません」

 察しの良い彼女が、感じ取ってくれないはずなどありません。

 わざと言わせようとしているのが見え見えでした。


 あぁ、これが君が僕を愛してくれている証というものなのですか?

 こんなにも君から僕を求めてくれるのなら、どうして僕は不安になる必要があったのでしょうか?

 どうして、こうして考え安心させ続けていないと、不安になってしまっているのでしょうか?


 僕は君を愛しています。この気持ちに、嘘はありません。

 同じように君も僕を愛してくれているのでしょう。

 それでしたら、僕のライバルなどいようがありませんよね。

 何度だって繰り返しますよ。

 そうでなくちゃ、信じているというくせに、信じきれない僕なのです。


 誰が君を愛していようとも、きっと同じことなのです。

 この愛というのは消えまえん。

 僕たち二人が愛し合っている限りは、永久不滅です。死んだ先でも愛し合うことの決まっているような二人に思えますから、それは永久不滅と言えるのです。


 僕の愛は、君の愛は、二人の愛は、きっと……。


 愛は変わることを知りません。そう、知らないのですよ。

 気持ちが変わらずに続いている限りは、つまり、永久に不滅なのだと言い切りましょう。

 不安になりやすい僕だって、絶対だと言い切れました。


 つまり君を愛しているってことです。

 そっと抱き寄せて、今度こそ口付けをしました。



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